いよいよやってきた夏の本番は、屋久島サウスのアトリエに篭ってお二人の結婚指輪を作っている。
ずいぶんと早く起きたはずなのに、夏の強い日差しは木々の隙間から手加減なしに差し込んでくる。
手のひらに眺めたプラチナの輝きがとても眩しかった。
天の川、パッションフルーツ、百合の花、時を越えるプラチナリング。
あとは何と言ってもスコールだろう。
思いがけないタイミングで突然激しく降る雨は映画のワンシーンを見ているように劇的で楽しい。
窓越しに眺めているといまだにワクワクしてしまう。
ほんの10分ほどだったかもしれない、でも今日も素敵な雨だった。
プラチナリングはその表面を鉄鋼ヤスリで大きく削り出した。
最初は目の荒いヤスリを使って、そして次は少し目の細かいヤスリに変えて段階的に角を落とし、そこになだらかな傾斜を与えてゆく。
同じような作業を何度も地道に繰り返していくと、やがて表面をくるりと巡る曲線が現れた。
そのラインはリングの側面から始まって反対側の側面へと螺旋を描いている。
そして彼と彼女のリングを重ね合わせるとこの螺旋が繋がるイメージを抱いている。
螺旋は星のように永遠であらなくてはならない。
わたしたちを取り囲む遥かなる時を想いながら、プラチナリングにタッチを積み重ねている。
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