彼女のシダリングは造形作業がひと段落して、ほっと一息も束の間に彼のリングを作り始めている。
リングの形状はシンプルなラウンドシェイプである。
彼女と同じ素材のプラチナを、リング幅2.6mmとしっかりしたボリュームで、まずは大きくそのアウトラインを削り取った。
表面に現れたプラチナ独特の重厚な輝きが心地よく感じられる。
形は違ってはいるものの、同じシダの葉のモチーフを分かち合うように。
自由で、そして確かな繋がりを感じるお二人のスタイルがとても素敵だと思う。
沖縄に暮らしているお二人とは島のリズムを大切に思う気持ちでつながっているのかな、と思う。
この日は朝一番の波に乗りたくて、まだ暗いうちに浜辺に向かって夜明けの空を眺めた。
冬の光が豊かな色彩のグラデーションを作り出していてとても綺麗だった。
この美しさの中にあるいはわたしたちも含まれているのかもしれないな、と思うとむっちゃ癒された。
お二人と一緒にデザインをした二つのリングが今ここにあるのが嬉しくなって、手のひらに乗せて眺めてみる。
まだまだ出来上がっていないのに、なぜだろう。
胸のずっと奥の方にぐっと響いてきた。
さてさて、
これからいくつかのタッチを加えて、お二人のリングがお揃いに出来上がるのだけれど、
お楽しみはもう少し先のお話で。
次は完成編でお会いしましょう。
制作編は短い動画に編集中なので、島のリズムとともに歩む指輪作りの時間もお楽しみいただけると思います。
喜びを分かち合いましょう!
制作編