造形作業の間には数多くのタッチをリングに加えつつ、最終的にサイズがぴたりと合うようにo,1mm単位の細やかな調整を重ねていく。
着地点まであと少し。
手の中に小さな息吹が宿る瞬間に立ち会うことができるのは職人ならではの幸せだと思う。
喜びを分かち合いましょう。
十年先も、寝ている時だって、お二人の暮らしに長く寄り添う結婚指輪なので、つけ心地やサイズ感は大切にしたい。
0.2号単位でサイズに調整を加えて仕上げることができるのもオーダーメイドならではの細やかさだろう。
表面には見えない部分ではあるけれど、リングの内側を丁寧に仕上げると、肌触りだったり、あるいは心のように形のないところまで優しく響いてくれる。
つけていたい!と思えるフィーリング、実はそれを得ることが造形作業のエッセンスなのかもしれない。
内側にはヤスリを入れて、指に当たる部分全体に曲線を作り出した。
目で見るとわかるかわからないくらいに緩やかに。けれどもその柔らかさは確かに肌から伝わってくる。
金属の響きを味わうことは結婚指輪をつける楽しみの一つだと思う。
作業の合間に窓の向こうを眺めると、昨日までの雨の気配はどこかへ消えて、また夏の積乱雲が広がり始めていた。
飛行機雲もくっきりと見ることができる澄み切った空だった。
静かに見上げているとそこに漂う大いなるやすらぎのようなものを感じ取ることができた。
世界はアップデートを重ねていて、新しく理想的な価値観らしきものが生まれ続けてはくるけれど、わたしたちにとって大切なことはずっと変わらないものなのかもしれない。
それはきっとこの空のように、いつもすぐ近くにあるものなのかも、と思ったりもする。
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