朝から続いていたスコールの合間に。
庭先でお二人のリングを眺めていた。
ゴールドとプラチナのコンビネーションリングはその造形をひと段落することができた。
雨の潤いを得たハイビスカスの葉は深く鮮やかな緑に彩られている。
雲のフィルターを通して夏の陽光を受けてリングは静かに、そして力強く輝いていた。
初夏から夏本番へ。島ではパッションフルーツやスイカも美味しい日々だったな。
屋久島の季節の中でオーダーメイドの作業をしていると、一度だけのジュエリー作り感が半端ない。
このハイビスカスも、ゴールドとプラチナのコンビネーションリングも、この雨も、同じタイミングで出会うことはきっともうないのだろうなと思うと愛おしさが胸に込み上げてくるのは、あるいは夏のせいなのだろうか。
お二人との素敵な出会いにありがとう。
いや、しかし、指輪作りの楽しみはまだもう少し続くのである。
彼女のリングにはダイヤモンドをセットしてさりげない装いを演出することになっている。
どの場所に、どのような大きさのダイヤを並べていくべきか、お二人と相談しながらデザインを決めなくては。
最後の仕上げに向けての工程を頭の中で綿密に組み立ている。
小さな今この瞬間の細やかな作業に意識を向けていると、時は不思議ととても長く感じられることに気がついた。
リングには実際にダイヤモンドを乗せてみたりしながら、その個数や場所によって異なるさまざまな表情をチェックした。
こうして仕上がり具合を想像する時間はまるで子供の頃に過ごした夏休みの工作のようだなと嬉しくなる。いつまで経ってもワクワクするものなのである。
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