屋久島サウスのアトリエです。
昨日に彼女のリングの造形がひと段落して、朝すぐに彼のリングを手に取った。
まだ手の感触が鮮明なうちに、お揃いのアウトラインを表現したかったからだ。
丸くて柔らかで、それでいてすっきりと軽やかなお二人の結婚指輪。
秋雨の降るアトリエで一緒に印象を作り上げた日のことがまだ記憶のなかで鮮明にある。
これでちょうど作業も折り返し地点にやってきたところだろうか。
オーダーメイドの結婚指輪作りでは作業を始めるまでに時間をたくさん費やすので、
実際手を動かすと、その一瞬一瞬がとても儚く感じられたりもする。
お二人との出会いも、屋久島の季節も。
今、ここにだけある結婚指輪作りだ。
ギターだったり、ピアノだったり、歌だったり、
これまで音楽をされている方のジュエリーを楽しく作ったきたのは
波長が合うからだろうか。
あるいはわたし自身が音楽に癒されて必要としているからなのかもしれない。
リズム、旋律、ハーモニー
イメージしたのは体に溶け込むようで、
演奏の力になってくれるような、
そしてステージできらりと輝く結婚指輪。
さあ、
ベーシストのためのプラチナリングを作っていこう。
手でつくること。手からしか生まれ得ないもの。
そうか、これがお二人と分かち合っている喜びなのかもしれない。
手作業から生まれる揺らぎは他の何とも変えることができない特別なエッセンスだと思う。
それが優秀な作品であればあるほどに、
その揺らぎに私たちはどうしようもなく惹きつけられる不思議がある。
ゆらめきやも、移ろいも全て含めて一つだった空に
花々の繊細さと強さに憧れて、今日もジュエリーを作っている。
丸く削ったリングのアウトラインはルーペで大きく眺めたり、空にかざして小さく眺めたり、じっくりと時間をかけてその詳細をチェックした。
ざらりとした質感もとても気持ちよくて好きだけど、
ここから研磨を重ねるたびに新しい表情を見せてくれる、そして育つように強くなってくる輝きが金属の素敵なところだと思う。
クローズアップで覗く金属の世界はなかなかに珍しいかと思うので、この機会に。
そして、楽しい作業は続きます!
いつもありがとう!
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