屋久島サウスのアトリエです。これから造形を深めるリングを前にすると心穏やかになる。鉄鋼ヤスリ片手に作業机に向かう、いつもの朝の時間だ。
指輪が形作られる度に春も花開いたゆくような。屋久島の日々にありがとう。
庭先に桜を眺めたり、コーヒーを作って、また作業に戻ったり、なんでもないような日常がとても愛おしく思える。
結婚指輪は最もデイリーユースなジュエリーだろう。日々の暮らしに寄り添ってくれるようなフレンドリーな雰囲気だったり、あたたかみのある手触りを大切に思いつつ、今日もまた作っている。
ここまで一気に鉄鋼ヤスリを入れた彼のリング。
削り出されたゴールドとプラチナの破片がキラキラと混ざり合っている。
季節が終わるまでに、記憶にしっかりと映しておきたい色彩がある。
傘を持ちながらの散歩も好きだ。シダの葉も日に日にクルクル感を増している。
さて、冷たい空気でリフレッシュしてからのアトリエに。ここからは鉄鋼ヤスリを紙やすりに持ち替えて、手の感覚をよりダイレクトに伝えてゆく。表面から、そして内側へ。全てが一度きりのタッチなので、今日に出来上がる造形は今日にしかないのかもしれない。
屋久島の今だったり、お二人のこれまでやこれからから生まれるジュエリーは素敵。時間が形になってゆく。
指輪をつけていると、ふとした瞬間に、島のことや出会った日のことの記憶が蘇ってくるのかな。小さなリングのずっと奥の方に、どこまでも広がる時間の世界を感じ始めている。
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