冬の屋久島は鳥がいい。
アトリエの周りではメジロがいっぱいで、
ここ最近はチュチュチュと鳴き声に包まれながら作業机に向かってる。
空気もキリリとしているし。
お野菜も美味しいし。
物作りに集中するにはぴったりの季節だ。
2019年末から2020年始にかけて続けてきたシルバーでの結婚指輪作り。
作業も後半に差し掛かると、
お二人と出会ったことや、
メールで打ち合わせを重ねたこと、
夏から秋、そして冬に移り変わった季節のことなどなどが思い出されて、グッとくる。
ふとしたきっかけがあって、お二人がギャラリーに来てくれて、
そこから長い時間をかけて、
小さなリングが生まれようとしているのだから、出会いってすごい。
これから出来上がるお二人の指輪はホント、今しかできないものなんだなと思う。
いくつかの金型に当てて木槌で叩いて、柔らかにカーブさせたリングを中指の上に乗せてしばらく眺める。
フォルムが自然のリズムに近しくなるほどに、ほっこりと安心感が漂うものなのかも。
丸くて柔らかなラインって、自分ながらにやっぱり癒されるー。
そして、彼のリングと並べてみる。
アウトラインは微妙に違っているのだけど、
ぴったりお揃いを感じるのは、
素材も一緒で同じ一つのテーマを抱いているからだろう。
違ってるけど、一緒。
違ってるから一つ。
あとちょっとで出来上がるリングを見ていると、なんだかお二人そのもののようにも思えてきます。
よし。
ここから少しだけ時間をあけて、最後の仕上げを進めていこう。
年始のいろいろある時期ではありますが、
美味しいもの食べて、じっくりいきましょう。
制作編