流石にそろそろ雨が降り始めそうだね、ということで、海へ。
まだ明るくて眩しかった夕暮れ時。6月の冷たい水が気持ちよかった。
そういえば、ずっと晴天に包まれていたお二人の結婚指輪作りだったけれど、
梅雨入りを前にして、いよいよラストスパートである。
目の荒い紙やすりをざっとかけておいたシャンパンゴールドは、少しずつヤスリの目を細かくしながら、その表面を均一にならしていく。
240番、400番と進めたところで、途中に鉄製の精密やすりを挟みつつ、また紙やすりの600番に戻る。
まだふわりとしていた面が、少しずつ硬くシャープになっていく。
この時点では、シャンパンゴールドの輝きはまだ、粗熱を帯びているみたいに不均一な散らばりを見せている。
さらに端正に磨き上げて、水や雫のような、つるりとした質感に近づけなくてはならない。
時には硬く、時には柔らかく、造形や質感に反対側に向かうベクトルでバランスをとって仕上げていく過程は、料理なら、フランボワーズとチョコレートだったり、塩とスイカだったりに似ているかもしれない。
まあ、色々と技巧的なこだわりはあるけれど、
料理もそうだが、夢中になって美味しい!と食べていただけることが、職人冥利に尽きる幸せだなあ、と思うのだけど。
ともあれ、お二人の結婚指輪も、あと二つほどの工程を経て完成といったところだ。
春先にお二人から初めていただいたメッセージを、今となっては懐かしく思い起こしながら、作業机に向かっていた。
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