雲の合間を通り抜けた太陽はいつもよりも少し遅い時間に姿を表した。休むことなく繰り返す日々ではあるけれど、想像する未来が新しい一日をつくる。
島での暮らしももう10年を超えたのだけど、不思議に感じているのは繰り返す自然のリズムと、営まれる暮らしにある新鮮さである。同じサキシマフヨウも違った角度からフレームを切り取ることができる。朝の光の中に新しい調和をみつけることができる。きっと世界は同時にいくつもの今を宿しているのだろう。リズムを合わせるだけでよいのかもしれない。
これまでの時間と、そしてこれからの時間を想像して紡いでゆくリメイクの作業はいつもワクワクする。ときどき未来のイメージを変えてみたりもできる。
お二人とはもう10年ほど同じ島の仲間でご一緒しているのだけれど、たまにお会いすると、いつも変わらないよなー、と思ってしまう。ほんと、島の季節のように。
いや、そんなことはないよ!と言われそうなのも、たしかに。もしかすると、お互いがお互いにとって季節のような存在なのかもしれない。
いつもここにあるもの全てにありがとう。
そして今日も作業机に向かっている。
結婚指輪ともう一つ、彼が彼女へのプレゼントに選んでくれたリングがあって、今回はそれも一緒にリフレッシュすることに。
セットしていた天然石は一旦外してシンプルなリングを作った。できるだけ原型を残しつつのリメイク作業だ。お使いいただいていた時の印象もまだたくさん残っている。彼にもきっと喜んでいただけるだろう。
結婚指輪は新しいデザインに生まれ変わって、もう1本のリングがこれまでの結婚指輪のデザインを受け継ぐというループ感。細いリングの表面は金槌でコンコンと叩いて仕上げてゆく。
おお、シンプルだけど今までには新鮮さがあって!これは嬉しい発見かもしれない。とっても印象的なスタイルだ。
2本のリングの造形作業がひと段落して庭先に出てみると空に秋色のグラデーションがとても綺麗だった。空気はひんやりして冷たく感じられたけれど、それが心地よくて思い切り背伸びをする。
今日にありがとう。
こう思えることもまたいつものあるあるなのだとすると、日々の繰り返しがとても素敵なものに感じられた。
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