雨上がりの屋久島サウス。アトリエの庭先で出来上がったばかりの結婚指輪を眺めながら、お二人とご一緒したオーダーメイドの時間を思い出している。木々の間から差し込み始めたひかりがイエローゴールドとプラチナを柔らかに照らす。二つのリングはそれを受け止めて、小さくて、でも眩しい光を世界に解き放つ。おめでとう、ありがとう。これから海の向こうへお届けするリングを前にして、とてもシンプルな言葉が浮かび上がってきた。
宮古島と屋久島。お二人とは見えないくらいに細くて長い糸で繋がっているように思う。大好きな海に通いながら作業机に向かっていた日々は記憶に新しい。いつもLINEでお話ししていたけれど、同じ南の島暮らしをする仲間のようにも感じていたなあ。真冬にお便りをいただいてから、これまでずっとありがとう!
お二人が出会って、わたしがいて、屋久島があって、それが今この瞬間に交差しているのだと考えると、とても感慨深い。出来上がったリングが奇跡のひとひらのようにも思えてくる。
そしてこの出来上がりは、同時に始まりの合図でもあるという幸福感に包まれながら。
雨上がりにキラキラだった屋久島の植物たちとともにお二人の結婚指輪を送り出すことにしよう。
大好きな海ともう一つ、お花にまつわるストーリーもお二人と一緒に抱いていた大切なテーマだった。リングの内側にはジャスミンの模様がぐるりと描き刻み込まれている。彼女のお名前にちなんだモチーフの花に包まれるフィーリングは、たしかにお二人だけのものだと思う。
宮古島ではツユクサ咲いていますか?
大切そうにたくさんの雫を抱いたハイビスカスを見上げながら。屋久島の祝福を感じながら。
また降り始めた雨。雨宿りをするように、木陰でそっと手に取ってみる。マット仕上げの表面に島の緑が映り込む。彼女のラウンドシェイプと彼のスクエアシェイプ、形は違っているのだけれど、元々一つのものだったくらいに近しく感じるのはその素材使いによるものだろう。お二人が選んでくれたゴールドとプラチナが2本のリングの中で同じ境界線を描いて組み合わさっている。巡り合うことって素敵だなと、不意にお二人のことを思った。
もうすぐ雨の季節が始まって、そして夏本番がやってくる。南の島では何かと忙しくなる季節でもありますね笑。これからは結婚指輪も、お二人のいろいろな場面に寄り添ってくれますように。
ご結婚おめでとうございます。
楽しい指輪作りをありがとうございました!
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