
満ちるひかり。
夏の余韻のなかで、おふたりの結婚指輪が完成しました。
プラチナとダイヤモンドがどこか楽しげに島の緑と響き合っていて、とても素敵でした。
すっきりと細身に整えて、和やかに寄り添うような佇まいにお仕立ていたしました。
自然に癒されるのはもちろん、この島には素晴らしい出会いもあるように思います。
屋久島が紡いでくれた、おふたりとの結婚指輪作りに、ありがとう。
指輪作りの合間には、いくつかの台風が屋久島の近くを通り過ぎました。
激しい雨と、数日にわたる強い風。それが過ぎ去るたび、空には大きな虹がかかり、庭先には瑞々しい緑が芽吹きました。
自然の移ろいを身近に感じながらジュエリーを作れることも、島暮らしならではの贈り物なのかもしれません。
そうした夏の日々を経て、おふたりの指輪が完成したのは、虫の音が涼やかに響く新月の夜のことでした。
一夜明けた庭先では、くるりと巻いたシダの若葉が、太陽の下で背を伸ばしていました。
若葉の隙間を光が通り抜け、気持ちの良い陽だまりを作っています。
どこか新しく生まれ変わったような、何かが始まる予感に包まれながら。

緑色の陽だまりの中に、そっとリングを並べてみる。
すると、その光に呼応するように、プラチナも若々しい緑色を纏いました。
彼のリングは2.0mm幅、彼女のリングは1.8mm幅。
細身にお仕立てした二つのシルエットは、つるりとした丸みを帯びていて、どこまでもやわらかい。
表面に施した光沢仕上げが、まるで水のような、静かな潤いをいっそう深めているように思います。
彼女のリングに添えた一粒のダイヤモンドが、風にゆらめく光を受けて煌めき、その豊かな表情に思わず魅入ってしまいました。

リングの造形はできるだけシンプルに整え、その内側におふたりだけの特別な彫刻模様を施したのも、素敵なアイデアでした。
ずっとつけていたくなる指輪というのは、不思議なことに、
つけていることを忘れてしまうほどの、からだの一部のように感じるものだと思うのです。
日々の暮らしの中で生まれる小さなキズもまた、どこか愛おしく感じられるのかもしれません。
このリングとともに、これからどのような物語が紡がれてゆくのだろう。

いよいよ、リングをケースに収めるときがやってきました。
満開のハイビスカスが、まるでその旅立ちを見送るように、風にゆらめいています。
ふたつのプラチナリングは、緑と赤の光に包まれ、生き生きと輝いて見えました。

屋久島から、ご結婚おめでとうございます。
来月、おふたりが島にお越しになる頃、
この庭先で一緒に、小さなお祝いができたら素敵だなと思っています。
そしてまたお互いに、新しい日々へと歩き出していけたら嬉しいです。
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