Blog

雨と花、真夏の婚約指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

突然の雨。庭先に咲いた白いハイビスカス。南国の青い空。

鮮やかな夏の気配に包まれながら、ツワブキの指輪を作っている。

 

島の季節とともに、少しずつリングが花の形をなしてゆく。

それは、まるでひとつの花が咲いてゆくような時間なのかもしれない。

 

真夏の暑さの中でも制作に集中できるよう、アトリエの空調は程よく整えてある。

糸鋸で7mmほどの小さなプラチナの花をかたどり、ドリルやピンセットを手に、少しずつ細部を整えていく。

酸素トーチの炎に包み、1000度を超える熱を加えながら、金属同士を繋ぎ合わせていく。

花の中央には、イエローサファイアを添えるための下穴を削り出しておいた。

目指しているのは、庭先で眺める草花たちのような、力強く繊細な佇まいだ。

 

「今年の10月上旬にプロポーズを考えています」と、彼から婚約指輪の制作をご依頼いただいたのは、梅雨の名残を感じる、蒸し暑い夏の始まりだった。

「自然好きの私達にぴったりだと思いました」

 

海を越えて遠くに暮らしているけれど、大切な気持ちを分かち合える仲間ができたようで、嬉しかった。

おふたりの新しい暮らしの始まりを記念するジュエリー作りをおまかせいただき、本当にありがとう。

 

プラチナでかたどった小さな花は、ゴールドの細いリングと組み合わせることになっているのだけど、

ふたつが美しく、そして丈夫につながるよう、花の裏側にプラチナの細い線で支柱を作っておいた。

 

完成すれば見えなくなる、小さな部分だ。

けれど、こういうところこそ丁寧に作り込んでおきたい。

 

この裏側の作業に丸一日ほどをかけ、無事に序盤の工程を終えることができた。

 

庭先で、そのシルエットを眺めてみる。

手のひらをぱっと広げるように咲く花が好きだ。

 

冬の初め、少し寒さを感じるようになる頃、庭の片隅にポコポコと姿を見せる黄色い花。

ツワブキを眺めていると、朝の木漏れ日のような、あたたかな気持ちに包まれる。

 

おふたりの婚約指輪もまた、日々に明るく寄り添うものになればいいと思う。

 

激しく降り続いた雨は、いつの間にか上がったようだ。

夕暮れ時の空には、オレンジ色に染まった雲が足早に流れている。

雨上がりの庭先に出て、深呼吸をする。

どこかで雨宿りをしていた猫が、近くを通り過ぎていく。

18時近くになり、外の空気も少しだけ涼しく感じられた。

夜までにもう少しだけ作業を進めておこうと、アトリエに戻る。

 

夏の一日は、こうして何気なく過ぎてゆくのだった。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

A Little Moment of Happiness #ShizukuRing #Yaksuhima

I tried placing the tiny platinum granules on the gold ring in a good balance.

One by one, little by little, the rainy scenery of Yakushima was taking shape in my hands.

It makes me so happy to share this precious moment through making a custom ring.

Thank you so much for ordering your special ring.

 

She is coming to Yakushima next month.

So I am working on the ring to have it ready in time for that day.

It’s so exciting to hand over this ring in person surrounded by the greenery of Yakushima.

 

Still, it’s been so hot lately.

It rained really hard again today.

After the rain, big summer clouds appeared, and the sky was endlessly blue.

 

It was a little moment of happiness to enjoy some gelato at Sora Umi in Yakushima South.

I chose island banana and Japanese mint, and my wife had island banana and chocolate.

If you come to Yakushima, I hope you’ll try this gelato.

It feels like tasting the season of the island itself.

 

All the platinum granules were beautifully in place on the ring.

Then I carefully polished it with sandpaper.

I looked at its silhouette in the evening light in the garden, and I could feel something like the breath of nature in this small ring.

 

The next step is to set the diamond, and then the ring will finally be complete.

I can’t wait for the day she comes to Yakushima.

 

Work in Progress

The Summer Days of Jewelry Making #ShizukuRing #Yakushima

The Summer Days of Jewelry Making #ShizukuRing #Yakushima

In the heat of summer, I sometimes find myself waiting for a rain shower.

It falls heavily for just three to five minutes while the sun is shining. It is a warm tropical shower.

After the rain, I like to step out into the garden. The greenery glistens with raindrops, as if sprinkled with diamonds.

I feel that this familiar scene after the rain has deeply influenced the way I create jewelry.

 

Blessed with strong sunlight and abundant rain, white hibiscus flowers are in bloom.

I was looking at the material for her new ring.

The yellow gold seemed to resonate with the green of Yakushima.

 

It felt like a wonderful moment to begin making the Shizuku Ring.

 

I made a delicate ring with 18K yellow gold, then melted small pieces of platinum into tiny granules using an oxygen torch.

The bright white flame sparkled in the dark studio.

 

Like raindrops resting on the plants,

I will place tiny platinum granules on the ring.

 

Arranging them to suit her ring size, I will gradually create a scene after the rain, carefully balancing the whole arrangement.

It is the kind of handwork that makes me feel excited, like a child again.

The evenings are getting a little cooler.

Here and there, I can already see the colors of the coming season.

 

At the East Harbor, the Obon lights cast a soft glow over the deep and quiet night.

 

The scent of the sea drifts in on the warm breeze.

In the flow of island time, my summer days of jewelry making go on.

 

クローバーの指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

material: platinum, emerald
size: 葉っぱ5mm-7mm エメラルド6石

Delivery time is within 8 weeks.
Make by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約2ヶ月。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

幸せのかたち、 クローバーの指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

幸せのかたち、 クローバーの指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

ずっと思い描いてきた憧れが、ひとつのジュエリーになりました。

 

幸せのかたち。

クローバーの指輪。

 

ゆうこさん、誕生日おめでとう。

つい作業に夢中になりすぎて、二ヶ月遅れのプレゼントになりました。

 

クローバーの指輪 platinum, emerald

 

光沢仕上げのプラチナに、深い緑のエメラルド。

シンプルでありながら、心に残る組み合わせです。

 

大きさやかたちの異なる葉っぱを花冠のように連ね、小さなリングに仕立てました。

 

葉っぱの大きさは、5mmから7mmほど。

小さなプラチナの粒に、六つのエメラルドを添えました。

 

指に纏うと、ふわり。

軽やかな雰囲気とプラチナの豊かな質感をが伝わってきます。

 

 

庭先で楽しげに寄り添うように咲くクローバー。

その可憐で、どこか夢のような佇まいに癒されます。

 

出会うと、ついついしゃがみ込んで、四つ葉を探してしまう。

そんなひとときも、子供の頃から変わらない喜びですよね。

 

庭先のクローバーにそっとリングを添えてみると、

エメラルドと葉っぱの緑色が重なり合うように響き、思わず胸が高鳴りました。

 

そして、リングの中にもひとつ、四つ葉を見つけられるのがわかるでしょうか。

 

プラチナでかたどった葉っぱを、バランスを見ながら、ひとつひとつリングに添えていく。

まるで花飾りをつくるような、心踊る指輪作りでした。

 

大切なひとへ、祝福を贈るように。ですね。

ひとつだけの指輪が出来上がったように思います。

 

クローバーの指輪は、ひとつひとつ新しい表情に仕上がるデザインですので、

皆さまのリクエストや大切な想いに寄り添いながら、

ひとつひとつ、カスタムメイドでお仕立てできればと思っています。

 

葉っぱを少し控えめにしてみたり、エメラルドを多めに散りばめてみたりしても、きっと素敵。

もちろん、ネックレスやピアスへのアレンジも喜んで承りますので、

オーダーメイドをご希望の際は、ぜひお声がけください。

 

大切な想いをジュエリーに。

皆さまと一緒にかたちにできれば幸いです。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

雨と緑と、プラチナと #屋久島でつくる結婚指輪

夜明けにスコールが通り過ぎたようだ。

 

植物たちは夏の雫を纏い、ダイヤモンドを散りばめたように輝いている。

 

入道雲の隙間から降り注ぐ陽光に緑が照らされ、新しい一日が始まる。

 

雨上がりの情景の中で、そのシルエットを眺めるひととき。

 

心を躍らせながら、リングを手にして庭先に出てみる。

 

雫とプラチナ。

変わり続ける永遠が、今ここにある。

 

丸く削り出したプラチナリングのアウトラインに、緩やかなカーブを施した。

小さなリングの中には、ひとつの“巡り”のようなものが生まれ、

それは不思議と、果てしのない時間を宿しているようにも感じられた。

 

この雨と緑と、プラチナと。

あるいは、わたし自身もまた、同じ永遠の中にあるのだと思うと、なんだかとても心励まされる。

 

指輪作りの工程は、これから彫刻作業、石留め、磨き仕上げと進んでいくわけだが、

島に流れる時間のように、ありのままの美しさを大切にしながら、仕上げていくことができればいいと思う。

 

ふと空を見上げると、西の空に虹がかかっていた。

眺めているうちに、それはダブルの虹になり、

そして、ほどなく青い空の中へと消えていった。

 

それは、深呼吸をするくらいの、ほんのつかの間のことだったように思う。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

すっきり細身のプラチナリング #屋久島でつくる結婚指輪

すっきり細身のプラチナリング #屋久島でつくる結婚指輪

削り出しの作業を大方終えたところで、その手触りを確かめるために、彼のリングを自分の指に合わせてみた。

手に伝わってくるプラチナの確かな質量が心地よい。

 

とても繊細なシルエットではあるけれど、大地とつながるような頼もしさがあるのは、たっぷりと地金を使って仕立てているからだろう。

 

すっきり細身のプラチナリング。

 

ずっとつけていたくなる1本だなと、夏の陽光を浴びたシダの葉のそばで眺めながら、しみじみと思った。

 

 

実のところ、わたし自身もシンプルですっきりとしたデザインのものが大好きで、毎日身につけるものは特に、手触りや着け心地を大切にしている。

たとえば服などでは、着ていて気持ちいいと思えるものばかりを、つい繰り返し選んでしまうのだ。

 

何十年もの時間を共にする結婚指輪なら、なおさら身近な存在になるに違いない。

 

「普段、装飾品をつける機会がないもので」と、デザインの相談をしている際に彼がそう言ってくれたことをよく覚えている。

 

植物のように、ここにあることが自然で、親密に感じられる存在ならどうだろう。

 

そのようなおふたりのリングの姿を思い描きながら、日々作業机に向かっている。

 

それにしても、一度形を整えたものに大きな力を加えることは、なかなか勇気がいるものだ。

アウトラインをじっくりと確かめたあと、次の工程へ進むことにした。

 

思い切りよく、新しい扉を開くように。

 

リングを鉄の枠にあて、添え木と木槌で叩きながら、緩やかなカーブをつけていく。

こうすると、リングの中に、なめらかな“流れ”が生まれるのだ。

 

リズミカルなラインが、繊細なリングに力強さを与えてくれる。

そして実際に、叩くたびにプラチナも硬くなっていく。

 

少しずつ、少しずつ。

コンコン、コンコン。

 

作業がひと段落したところで、ようやくアトリエから出てみることにした。

暑い夏の散歩は、早朝や夕暮れ時に限る。

 

夜明けにはオレンジ色に染まる雲を見たし、日暮れ前には、海から空へと広がるグラデーションを眺めることができた。

 

日も短くなってきたが、出会う色彩は毎日新しい。

スイカやパッションフルーツも本当に美味しいけれど、梨やさつまいもも楽しみすぎる。

ハイビスカスはずっと元気で、そろそろ彼岸花も。

 

暮らしの中で出会う何気ない喜びを分かち合える誰かがそばにいると、日々はあたたかな時間に包まれるのだろうと思う。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

ふたつでひとつのリングを作り上げていく #屋久島でつくる結婚指輪

ふたつでひとつのリングを作り上げていく #屋久島でつくる結婚指輪

ふとした瞬間に、新しい季節の気配を感じた。

少しひんやりとした空気が漂う朝だった。

 

 

台風が去り、およそ一週間途絶えていた流通も再開し、島には穏やかな日常が戻りました。

自然の移ろいを身近に感じながらジュエリーを作れることも、島暮らしならではの贈り物なのかもしれません。

いつも新しいインスピレーションを届けてくれる屋久島に、ありがとう。

一度きりの夏。屋久島が紡いでくれた、おふたりとの結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

潮風を受けた庭先の植物たちも、ゆっくりではあるけれど、確かに再生を重ねている。

日々彩りを豊かにしていくハイビスカスやシロツメクサを眺めていると、とても励まされる。

今日も、自分の歩幅で進んでいかなくては。

 

表面をざっと磨き上げ、次の工程へ向けて準備を整えた。

いよいよ削り出し作業が始まる前に、庭先で深呼吸を。

 

ふたつのリングがぴたりと重なり合うと、なぜだか嬉しい。

 

作業台の上にプラチナリングを置き、いよいよ作業に取り掛かることにした。

 

用意したものは、目の粗い鉄工ヤスリと細かいものを一本ずつ。リングに目印となるラインを描く罫書きペンと定規、あとはルーペくらいだ。

 

造形作業では、0.01mm単位で寸法を確かめながら進めていく。
もしかすると、意外に思われるかもしれない。

 

彼女の1.8mm幅。彼の2.0mm幅。

細身のリングを、お揃いのシルエットになるように、思い切りよく削り出していく。

 

片側を一周、そして反対側を一周削り出す。

角度を変えて、もう一周。

同じリズムで、手を止めることなく。

角ばっていたプラチナリングにやわらかな丸みが現れるまで、何度もタッチを重ねた。

 

やがて、丸みを帯びた表面に、少しずつ光が巡り始める。

その“流れ”をときおり確かめながら、感覚を途切れさせないように手を進めていく。

 

おふたりとともに思い描いてきたリングの姿が、いま、手の中で形になりつつある。

生まれ始めた小さな息吹を、このまま大切に育んでいきたいと思った。

 

ここまでくると、リングに描いたガイドラインは消え、あとは手の感覚に造形の核心を委ねることになる。

 

これはいつも不思議に思うことなのだが、人の手から生まれるほんのわずかな揺らぎのようなものに、わたしたちはどうしようもなく惹かれてしまう。

 

ひとつひとつ違う個性を宿した花たちが、集まってひとつの景色をつくるように。

ふたつでひとつのリングを作り上げていく。

 

15分くらいかもしれない。あるいは1時間以上が経ったのだろうか。

気がつけば、ふたつのリングの表面が丸く削り出され、作業台にはプラチナの粉がたくさん散っていた。

 

おふたりは、これから屋久島を訪れる機会も多くなりそうとのこと。

細身のシルエットを保ちながらも、アウトドアで過ごす時間も安心できるよう、ほんの少しだけボリュームを加え、リングに安定感を与えた。

 

シンプルでプレーンなシルエットなので、メンテナンス性も高いと思う。

日々の暮らしの中で、時間そのものが装飾となり、きっと深い味わいが育まれていくだろう。

 

なんだか少し先の未来が見えてきたような気がして、心を躍らせながら、紙やすりと精密ヤスリを用意した。

ここで道具を変えて、表面をよりスムーズに整えていくことになる。

 

相変わらず細やかな作業が続くのだが、案外、こうした繰り返しがとても好きだったりもする。

 

ようやくここで、作業も半ばに差し掛かったといったところだ。

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

一度きりの夏。屋久島が紡いでくれた、おふたりとの結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

はるか大陸の方へと過ぎ去った台風の余韻の中で、おふたりの結婚指輪を作っている。

窓の向こうでは、ときおり強い風が吹きつけ、晴れた空から突然の雨が激しく降り注ぐ。

 

まだまだ暑い日は続いているが、雨が運んでくれる涼しさを感じながら、じっくりとリングの造形作業に取り掛かっていた。

 

焼き鈍したプラチナを木槌で叩き、少しずつ形を整えていく。

彼のリングを丸くしたあと、バトンを渡すように彼女のリングを丸くする。

コンコンコンと、はるか昔から変わらない手作業の音がアトリエに響いていた。

 

 

自然に癒されるのはもちろん、この島には素晴らしい出会いもある。

屋久島が紡いでくれた、おふたりとの結婚指輪作り。

再び生まれること。雨とプラチナの響き。#屋久島でつくる結婚指輪

 

気がつけば、8月も半ばに差し掛かっている。

早く涼しくなってほしいけれど、まだこの熱帯の日々が続いてほしいような気もする。

この一度きりの夏を大切に思いながら。

 

さて、今日も作っている。

くるりとリング状に整えたプラチナの両端を、ぴたりと合わせる。

ここでは、出来うる限り完璧な、隙間のない接合面をつくっておく。

 

これは、料理でいうところの下拵えのような工程ではあるが、見えないところを、しっかりと頑張っておく。

 

雨が上がり、南東の風に乗って足早に流れる雲の隙間から、強い夏の日差しが降り注ぐ。

ただそれだけで、なんだか心が満たされるのはなぜだろう。

 

両端を繋ぎ合わせるために、酸素トーチの炎を当て、リングの温度を1000度以上まで上げていく。

オレンジから白へと眩しい光を帯びたところで、融点の少し低いプラチナを継ぎ目に流し込んでいくのだが、何度繰り返しても、緊張感のある手作業である。

 

先ほどまで手で曲げることができたプラチナも、

この工程を経て一つのリングになると、強い力をかけても形を変えないほどの硬さを得る。

まるで手を繋いで、力を合わせるように。

 

継ぎ目に小さなプラチナのかけらをのせ、さらに熱を加えていく。

 

十分な熱を保ちながら、同時にリングそのものを溶かしてしまわないように、

慎重に温度のバランスを見極めなくてはならなかった。

 

また激しい雨が降り始めたのは、ちょうど二つのリングを繋ぎ終えた時のことだった。

爽やかで潔い、真夏の雨だった。

 

やがて強い風に乗り、雨は斜めに走り始める。

まるでスリリングな映画のワンシーンを見るように、妻と一緒に窓の向こうを眺めている。

少し雨足が弱くなってきたところで、カフェオレをふたつ作り、そのひとつを手にまた作業机に向かう。

そのようにして、熱帯の日々は静かに過ぎてゆくのであった。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

再び生まれること。雨とプラチナの響き。#屋久島でつくる結婚指輪

屋久島のはるか南海上を、勢力の強い台風が通り過ぎた。

かなり遠く離れていたものの、屋久島サウスには激しい雨が降り、東から猛烈な風が数日間吹き続けていた。

 

ゆっくりと進む台風がようやく遠ざかると、あれだけ重たかった体が、すっと軽くなった。

植物たちは潮風にさらされたが、庭もずいぶんと風通しが良くなったように思う。

 

少しずつ時間を見つけて庭木の手入れをしていると、どこか清々しささえ覚えてくるのだから、不思議なものだ。

足元に目をやれば、新しい緑がところどころに芽吹き始めている。

 

植物たちも、わたしも、

何度も生まれ変わっていく。

 

そして、その一つひとつの今が、

永遠へと繋がっていく。

 

それは、島に暮らして初めて出会った感覚かもしれない。

 

ときおり激しく降る雨のおかげで、暑さも少し和らいだ。

今は、ジュエリー作りを始めた頃のようなワクワク感がある。

真っ白なページを開いたような気持ちで、作業机に向かっている。

 

窓際でプラチナを眺めると、島の緑と響き合っているようだった。

 

ときには凪のように静かであったり、ときには軽やかなリズムを奏でたり。

移ろいゆく時間を鏡のように映し出すところが、プラチナの素敵なところだと思う。

 

新しく始まるおふたりの暮らしの中で、

これからどのような色彩を映していくのだろう。

そんな未来を思うと、心が明るくなる。

 

いよいよ、おふたりの結婚指輪作りが始まった。

 

酸素トーチに火を灯し、プラチナを焼き鈍していく。

こうしておくと、これから迎える数々の工程を、よりスムーズに行うことができる。

 

プラチナは加工を重ねるたびに硬くなっていき、

ときおり火を入れながら、工程を進めていくのだが、

金属と対峙していると、まるで生き物のように呼吸を繰り返していると感じることがある。

 

この大地の響きを纏うような指輪になれば、どれほど素敵なことだろうと思う。

 

プラチナの温度が上昇し、オレンジ色に染まった。

そのタイミングを見計らい、ピンセットで挟み、火から離す。

そしてグラスに注いだ水の中にプラチナを沈めると、ジュッと歯切れの良い音を立てた。

 

まずは、最初の第一歩だ。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

屋久島からお届けする、小さな花の婚約指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

おふたりの大切な想いが紡がれて、

一輪の小さな花が咲きました。

 

ツワブキの指輪。

 

屋久島から、ご婚約おめでとうございます。

 

 

花のジュエリーを作る時間は、いつも明るい気持ちに包まれます。

花々の祝福、イエローダイヤモンドの響き #屋久島でつくる結婚指輪

 

島にあたたかな冬が訪れる頃、

庭先に、いつもの散歩道に、ぽこぽこと連なるツワブキの花。

 

空に向かって手を広げたように咲く黄色い花に、いつも元気をもらっています。

 

ツワブキの指輪 18k yellow gold, platinum, yellow diamond

 

プラチナで仕立てた花びらの中央には、プロポーズのためにお選びした、美しいイエローダイヤモンドを添えました。

7mmほどの小さな花を、イエローゴールドの細いリングが支えています。

 

指に纏うと、そこに小さな花が咲いたようで、

どこか子供の頃の遠い記憶が、ふと心に浮かんできます。

 

あの夢のような日々の先に、こうして今があるのだと思うと、

一つひとつの瞬間が、いっそう愛おしく思えるのでした。

 

おふたりの大切な時間が、これからもずっと育まれていきますように。

 

ハイビスカスの木陰でリングをそっと手に取ると、

夏の強い日差しが木々の隙間からこぼれ、リングにやわらかな光を落としました。

 

その佇まいはどこまでも繊細で、

明るく生き生きとした表情を見せてくれています。

 

島の緑にすっと溶け込んで見えたのは、

花の造形はもちろん、

大地から生まれた金属と天然石が、島の時間と響き合っていたからなのかもしれません。

 

やさしく、安心感のあるつけ心地となるように、

昔ながらの手作業で、じっくりと丁寧にお仕立ていたしました。

 

指輪は、こうして自分自身でも眺めることができるのが嬉しいところです。

 

角度を変えるたびに、きらきらと輝きながら表情を変えるのが楽しくて、

ついつい、くるくると遊んでしまいました。

 

その小さな喜びが、どこまでも広がっていけば素敵ですね。

真夏の鮮やかな色彩に包まれた屋久島から、

楽しいジュエリー作りをありがとうございました。

 

喜びや慈しみに満ちたおふたりの日々を、

ツワブキが咲いた朝のような明るい気持ちで思い描きながら。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

南国の夏と、プルメリアのネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

南国の夏と、プルメリアのネックレス。

プラチナで仕立てた花びらに、一粒のイエローダイヤモンドを添えました。

いつもの散歩道に咲く花々に寄り添うと、漂う甘い香りに心が癒されました。

 

プルメリアは、屋久島南部で梅雨を過ぎる頃から咲き始める南国の花です。

 

子供の手のひらくらいの大きさでしょうか。

くるくると螺旋を描くように重なる五枚の花びらが特徴で、

夏の青空の下で、白や黄色、ピンク、オレンジと、明るくカラフルな表情を見せてくれます。

 

そのやわらかな佇まいが、なんとも愛らしいのですよね。

熱帯特有の甘い香りも素敵で、いつも癒されています。

 

ハワイではレイにも使われていると聞きますが、

そこに幸せを願う慈しみのようなものを感じるのは、ジュエリー作りにも通じるところがあるのかもしれません。

 

プルメリアのネックレス platinum, yellow diamond

 

晴れた日の夕暮れ時。

ネックレスを持って、いつものビーチに向かいました。

 

波打ち際でそっと手に取ると、

海風に揺られるたび、イエローダイヤモンドがきらきらと光を返してくれました。

 

マットに仕上げたプラチナは、夕日を浴びてやわらかな輝きをまとい、

水面もまた、それに呼応するように、黄金色のドットを映していました。

 

風も音も、潮の香りも、

プラチナもイエローダイヤモンドも、

すべてがひとつに溶け合っています。

 

小さいけれど、確かな重みを手の中に感じながら、

どこか祝福にも似た島の時間を感じずにはいられませんでした。

 

大好きな屋久島が紡いでくれた素敵な出会いに、ありがとう。

 

まだお会いしたことはないけれど、

同じ喜びを分かち合うことができる仲間ができたようで、

安らかな気持ちに包まれた制作の日々でした。

 

相談を重ねながら選んだイエローダイヤモンドも、太陽の下で輝くプルメリアの印象にピッタリでしたね。

わたしにとっても、お気に入りのデザインとなりました。

 

またいつの日か、ネックレスとともに屋久島へお越しいただけたなら、何より嬉しく思います。

楽しいジュエリー作りを、本当にありがとうございました。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547