Blog

流れを刻むプラチナリング。手作業の記録。 #屋久島でつくる結婚指輪

台風接近の影響で、激しい雨が降り続いています。

昨日は、朝のうちはまだ外出もできたけど、夕方にはいよいよ本格的な大雨になり、深夜にはその勢いがピークを迎えました。
夜が明けた今も、まだ一部地域では避難指示が出されてはいますが、アトリエは幸い大きな被害や停電もなく、いつもと変わらない朝を迎えています。

ずいぶん穏やかになった風の中で、雨はしとしとと降り続いています。

台風はこのあと再び南下し、勢力を弱めながら島の周りをぐるりと回る予報が出ていますが、この不思議な進路を見るのも、ずいぶん久しぶりのような気がします。

周辺の島々も含め、大きな被害がないことを願うばかりです。

 

 

菜の花をモチーフにした二つの指輪作りは、葉っぱのリングの造形作業が無事にひと段落したところまでを書きました。

プラチナとシャンパンゴールドの静かな響き #屋久島でつくる結婚指輪

 

メンズリングの制作は、実は最初に取りかかっていて、あとは磨き仕上げと石留め作業を残すばかりなのですが、今は少し時間を巻き戻すように、その工程を振り返っているところです。

ときおり窓に強く振りつける雨音に、静かに耳を傾けながら。

 

意外かもしれませんが、プラチナもゴールドも、状態によって硬さが変化する性質があるのです。

リング状に丸くするときには酸素トーチの炎で焼きなまし、加工しやすいように柔らかくします。
そして、リングになったプラチナの強度を再び高めるために、金槌でコンコンと叩いていきました。

叩くことで、結晶内部に複雑なひずみが生まれ、粒子の動きが少しずつ制限されていきます。
その積み重なりによって、プラチナは次第に変形しにくくなり、硬さを増していきます。

これはデザインには表れない部分ではありますが、長くお使いいただく結婚指輪なので、見えないところにしっかりと手をかけておく。

 

目の粗さを変えた二本の鉄工ヤスリを使い、ここまで一気に削り出しました。
リングの表面に滑らかなラインを生み出すために、途中で手は止めません。

片側を一周、反対側を一周。そして角度を変えてもう一周ずつ。
平らな面を幾重にも重ねるようにして、何度も同じタッチを繰り返しました。

大まかな造形が取れたところで、ようやくひと段落。
ここでキッチンに降りて熱いカフェオレを作り、それを飲みながら、ゆっくりとシルエットを眺めているところです。

リングの表面には、とどまることのない流れのようなものが生まれ、その周りには削り落とされたプラチナの粉が散らばり、デスクライトの光を受けてキラキラと輝いていました。

このようにして、最初の一本を作り進め、菜の花のリング作りもひと段落し、いよいよ三本が揃うことになりました。ドキドキ。

ルーペとピンセットを片手に、息を止めた(笑)制作がまだ続きますが、一度きりの指輪作りを楽しんでいこう。
今月いっぱいかけて、丁寧に進めていきたいと思います。

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547