
作業をしていると、突然激しい雨が降り始め、そのたびに空にかかる虹を眺めることになるので、なかなか忙しい。
雨雲は目に見える速さで、山際を足早に通り過ぎていく。
そのあとには、すっきりと洗い流されたような、澄み渡る青空が広がる。
いつもの場所には、二重の虹がかかった。
台風が運んできたのだろう。
遠くから波の音が聞こえてくる、静かな昼下がりだった。

雨に手を止めたところで、窓際の光にかざし、作りかけのプラチナリングを眺めてみた。
シャンパンゴールドで仕立てた花のリングに重ねると、花の中に葉っぱが綺麗に収まった。
うん、いい感じだ。
そして、二つのリングをぴたりと合わせた状態で、もうひとつの葉っぱを乗せる場所を見極め、そこにマジックで印をつけておく。
花と葉っぱが重なった佇まいを忘れないうちに、精密ヤスリを手に取り、ガリガリとプラチナリングに溝を削り始めた。

菜の花は、黄色く輝く光のような花が素敵だけど、ポコポコと茎を抱くように伸びる葉っぱも好き。
島では木の芽流しと言って、春先に強い雨風が続く日が多いのだが、その雨の雫を大切そうに抱く姿も愛おしく感じられる。
プラチナの葉っぱの上には、雨上がりに宿る雫をイメージして、シャンパンゴールドの粒をいくつか散りばめた。
花のリングと葉っぱのリングが、同じシャンパンゴールドを分け合っているのは、ここだけの話だ。
粒の大きさを変えながら、バランスよく配置していると、お気に入りの菜の花畑で眺めた雨上がりの情景が、心の中に広がってきた。
黄色と緑の光。雫の輝き。土の香り。ミツバチたちの羽の音。
そこは、小さな喜びに満ちた、生き生きとした世界だった。
