屋久島に暮らすお二人にお届けする結婚指輪。
シンプルなプラチナリングの表面に、
庭先にそっと降り注ぐ春の雨のような
繊細なドットの輝きを刻みました。
屋久島の暮らしで印象的なのは、やっぱり雨の時間だと思います。
冬の入り口に始まったお二人の結婚指輪作りでしたが、
季節が巡り、今ではアトリエの近くにレンゲ畑が広がっています。
雨降りの日も多くなってきて、南の島特有の潤いを感じるこの頃です。
プラチナリングに、細やかな粒々の装飾を施すミル打ちという作業を行っていると、
「ああ、なんだか島の雨粒のようでもあるなあ」と、ふと感じたことをよく覚えています。
お二人とも分かち合っている大切な屋久島の時間が、
リングに刻まれているような気がして、
その愛おしさに心が満たされました。
島の北部に暮らすお二人と初めてお会いした日。
屋久島が紡いでくれた素敵な出会いにありがとう。
指輪作りが始まったのは、島に何年かぶりの大雪が降った翌朝のことでした。
白く染まる山々を、窓の向こうに眺めながら。
椿が咲いて、ヒカンザクラも花開きました。
そして、リングの完成に歩調を合わせるように、
島にはそっと春が訪れ、庭先に黄色い小花が咲き始めました。
冬の冷たい余韻が残る大好きな雨の中で、
プラチナリングを眺める喜び。
彼のリングは、スタンダードな2.3mm幅
彼女のリングは、1.2mm幅のとても細身のスタイルです。
リングを囲む粒々を1周ずつ分かち合うように装飾したのは、
相談会でお二人とお話ししているときに生まれたアイデアでした。
重ね合わせてみると、2本のリングがつながり、響き合う。
お二人と一緒に、インスピレーションに任せるように進めてきた指輪作りでしたが、
こうして眺めていると、まるでこのリングがずっと前からここにあって、
お二人を待っていたかのように思えるから不思議です。
そして、なんといっても、手仕事の多い島の暮らしですから。
体の一部のように、快適にお使いいただけるよう、
着け心地や耐久性には特にこだわりました。
日々の暮らしの中で、時にはリングに小さなキズがつくこともあるかもしれません。
けれども、そのキズさえも、お二人が共に歩んだ時間の証となり、
やがて味わい深い装飾のように、リングが育まれていけば素敵だなと思います。
始まりのムードに包まれた屋久島サウスから。
ご結婚おめでとうございます。
溢れる祝福をお二人に!
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