6月の始まりは、大阪に暮らすお二人に届ける結婚指輪を作っている。
今年の屋久島は不思議なくらい雨が少ないのだけど、大好きな紫陽花を眺めながら作業机に向かう日々は心満たされる。
シャンパンゴールドを手に加工を進め、作業が一段落すると、お気に入りの紫陽花が咲く場所まで散歩に出かける。
そんな島リズムで。
屋久島だったり、大阪だったり、オーストラリアも。繋がりを感じる結婚指輪作りだと思う。
お二人との素敵な出会いにありがとう。
デザイン作りを始める際に、何気なくお二人の出会いのお話になることがあるのだけど、
そのストーリーにインスパイアされることは多い。つくるべきリングの輪郭が浮かび上がってくるのだ。
お二人のデザインも、そのようにして生まれてきたように思う。
偶然のような、必然のような。
彼と彼女が出会い歩む時を想いながら、小さなリングを形作ってゆく。
シャンパンゴールドをくるりとリング状に形成する道具は大きくて、種類もなかなかに多い。
ぐっと圧力を強くかけると、なんとか曲がるところが金属の良いところでもある。
不思議なもので、こうして両端をつなぎ合わせると、シャンパンゴールドは均衡を保ち強くなる。
もう、そこそこの力では形を変えることはできない。
ここで初めて安心して手にすることができる。
それでも長い年月を共にするうちに、リングは微細な摩耗や圧力により、指に合わせるるように僅かに形状を変化させてゆく。
その硬さとしなやかさのバランスが、金属の強さの所以なのだろうと思う。
あるいは、このリングは、わたしたちよりもずっと長く在り続けることができるのかもしれない。
そう考えると、こちらも巡り合い感が半端ない。
人や場所、ものが出会って生まれる時間は、いつも花のように美しいものだなと思う。
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