コンコンコンとプラチナの線を叩く。屋久島サウスのアトリエです。金属から手に伝わるのは案外と柔らかなフィーリング。
島の友人につくる結婚指輪作りは彼のリングから一旦バトンをタッチして、彼女のリングを造形することに。リズム感のある、繊細なリングである。
結婚指輪作りのスタンダードは昔からずっと変わらない。彼のリングは火と木槌とヤスリを使って丸いリングに仕立てた。長い歴史の中で受け継がれたものと、そしてその先に生まれる新しい一歩がある。
屋久島でジュエリーを作るようになって新しく加わったエッセンスはもちろん自然にまつわるリズムだろう。彼女のリング作りのテーマにもなっている。
緩やかなカーブだったり、繰り返すリズムだったり、いつもの海で包まれる時間を思いながら、今日も指輪作りを進めている。
1.3mmと2.0mmのリング幅に抑揚を持たせて作り進めていく彼女のリング。しっかりと太い部分があるので、細さもより際立つし、丈夫だから手作業の多い島暮らしでも安心して使えるだろう。
作業の合間、庭先にて。冬の寒い日は決まって光のコントラストが美しい。
彼のリングの中に彼女にリングがピタリと収まると嬉しくなるのはなぜだろう。
海面に光の道が広がっている、冬の情景を眺めるのが好きだ。少しだけ冷たい海で波に乗ってからまた作業へと戻る、今日もまたそんなリズム。
さて、アトリエではコツコツと、彼のリングと彼女のリングが近しくなるように。
同じ素材で同じラウンドシェイプ のデザインを選んでくれたお二人は、そういえば雰囲気なんかも似ていたよなあ。寸法採りを進めながら、お二人と進めてきたデザイン作りについて考えていた。
何と言っても、二人でお揃いのものを身に付けることができるのが、結婚指輪の素敵なところだと思う。
波長が近しいからなのか、巡り合ったから近しくなったのか、このリングもまた、お二人の出会いがあったから生まれたものだと考えると感慨深い。
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