屋久島サウスのアトリエです。これから最後のタッチを加えるプラチナリングを手にして、朝の木漏れ日のようなキラキラ感のイメージを抱いている。
リングの表面をキャンバスに見立てて、その小さなスペースにどのような表情を与えることができるかをいつも考えている。有機的な質感、きらびやかさ、シンボルだったり、光だったり。屋久島で出会う情景にインスピレーションを求めながらリングに細工を施していく作業は、指輪を洗練させるタッチでもあるし、自然へと戻すタッチでもあるのが面白い。
もう10年近くも前になるだろうか、屋久島で出会った彼女がご結婚することになってお作りしている結婚指輪。ここまではシンプルなプラチナリング作り。
さて、ここからは一気に進めるハンマーワークの時間だ。コンコンコンと、力一杯に金槌でプラチナリングを叩いていく。
最初の第一打目。波紋を起こす一滴の雫のように。
思い切り叩いて歪んだリングの円を整えている。そして、また叩く。
同じテクスチャーをもう2度と作ることができない手作業での工程は大切にしていきたい。お二人だけの時間があるように、お二人だけの結婚指輪があると素敵だと思う。一通りハンマーで叩き終わったリングが作業台のライトを受けて、細やかな光をあたりに放っていた。
こちら屋久島は明日からぐっと寒くなりそうなので、灯油ストーブやら、毛布やら、カレーライスやら笑、そんな冬支度の時間も楽しいものですね。皆さまも、寒くも暖かな日々を。キラリと輝く瞬間をキャッチできますように。
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547