作業の前に庭先で過ごす束の間が日々のささやかな楽しみになっている。
いつもの当たり前の情景のはずなのに夢中になってしまうのは何故だろう。
木々の合間から降り注ぐ太陽の光が一日の始まりを告げ、夜の間に草花に宿った雫たちがキラキラと輝いている。
ツユクサにも出会えてなんだかいいことがありそうな予感。
小さなブルーにむっちゃ癒された。
何気ない喜びを分かち合える誰かがいると日々は鮮やかに彩られる。
新しい暮らしを歩み始めたお二人は屋久島の友人でもある。
確かにツユクサはいつもの暮らしの中で出会ういつもの花ではあるけれど、
ふとした瞬間にあたたかな気持ちに包まれるような、結婚指輪もツユクサのようであれば素敵だなと思う。
ここにあり、そして育まれゆくお二人の日々を想いながら。
今日も作業机に向かっている。
彼女のリングは1.5mm幅。彼のリングは1.8mm幅。
とても細いスタイルの結婚指輪である。
プラチナは特に硬くなるように配合をして使うことにした。
日々の暮らしとともにある結婚指輪だから。
繊細で軽やかでありつつも、しっかりと丈夫に仕上げていかなくてはならない。
酸素トーチの炎にプラチナを包み込む。
両端を繋ぎ合わせてリングになると安定感と強度を増す。まるで手と手を取り合い大切な約束を交わすように。
作業がひと段落したところで、庭先に出てふわり。
やはり緊張感のある作業が続くので、緑や遠い空を眺めることができる屋久島暮らしには救われていると思う。
台風で一度クリアになった生垣のハイビスカスたちがまた元気に咲き始めている。
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