春の嵐??
ごおごおと強風が吹き続いた屋久島サウス。
一度海をチェックしようと出かけてはみるものの、
いつものビーチも大荒れで車からでれないほどだった。
こんな時はじっくり作業ができるぞ!と思い立ち、アトリエに戻る。
そんなこんなで、島の季節に流されるように、
2020年のジュエリー作りが始まった。
庭先でシルバーのリングと、これから始まる作業の素材となるシルバーを手にすると、
時々強く差し込む木漏れ日がキラリと照らした。
山茶花も風で揺れて、花びらいっぱいだった。
彼のリングは去年のうちに造形が終わっていたので、
年を挟んで、七夕前の織姫と彦星みたいな状況になっておりましたが、
いよいよこれから彼女のリングを作ることに。
そういえば、お二人のリングは星をテーマとするものだったなあ。。
まずはシルバーの線に火を入れて柔らかに
ローラーでくるりと伸ばして
幅2.9mm 厚み1.5mm 長さ60mmの素材を作る。
今年もまた、手作業でじっくりのジュエリー作りです。
彼女のリングはアウトラインに太いところと細いところ、抑揚をつけてデザインしました。
最終的に幅2.8mm-1.6mm×厚み1.4mmの寸法に仕上がるのでありますが、
こんなにも細かく数値を得ることができたのは、
サンプルリングを何度もお試しいただいて、
コミュニケーションを密にデザイン作りを進めてきたからだろう。
しっかりとリング幅があって、でも細い所があると、手を握った時に付けている感覚を感じないほどフィットして良い感じだった、と彼女が言ってくれました。
彼女の理想を見つけることができて、小さくガッツポーズです笑
サイズは8.0号よりほんの気持ち小さく、7.8号にいたしましょう。
サイズ選びではこんな会話もありました。
「ほんとですか?微妙な調整感。それは助かります!」
オーダーメイドの指輪作りでは
指輪が出来上がるまでに何度も会話のやりとりがあって、
時には毎晩のように、お仕事終わって、お二人と私とで「今日もお疲れ様でした!」
などと言いながら素材やサイズのお話をすることもあるけれど、
そんな指輪作りのあれこれも、
私にとってはかけがえのない時間で。
お二人の暮らしと、屋久島の時間が
溶け合うように指輪が出来上がってゆけばいいなと思ってる。
形の向こう側というか、言葉のもう少し向こう側に、
何かお二人だけの大切なものを見つけたい。
それにしてもお二人の指輪作りは物語感あふれてて。
お二人の大切な時間から生まれたデザインを形にするのが、
僕も今から、とても楽しみです。
使った道具はこのようでした。
今年もシンプルにいきたいですね。
明日もまた、ここで。