突然の電話だった。
たぶん、10年以上ぶりだろうか。
昔、ストリートでアクセサリーを並べてた時の仲間から突然連絡があったんです。
「けいくん、久しぶり!インスタグラムとか時々見てるで!」
マジで!
マジで!
彼とはずっと長く連絡とってなかったので、まさかの驚き。
「妻がもうすぐ誕生日やねんけど、けいくんにジュエリーお願いしたいと思って。」
一瞬にして、時間が巻き戻されて、あの頃のあれこれが鮮明に蘇る。
もちろん、喜んで作るよ。(作るで。)
そんなこんなで、新しく始まったジュエリー作りは、いろいろな思い出とともに進むことになりました。
彼は昔からデザインのセンスがあります。
今回も提案したデザインにいくつかのアイデアを加えて、おしゃれにまとまったピアスのデザインを送ってきてくれた。
三角形をいくつか組み合わせて、その一部に夜光貝をはめ込むスタイル。
一目見て、わたしも気に入りました。
うん、これでいこうよ。(いこうや。)
かなり久しぶりなのに、彼の考えていることが手に取るようにわかる。
それもそうか、
毎日のように心斎橋の橋の上で一緒に作品並べてたもんな。
「オレ、こんなんムッチャ好きやねん。」
初めて会った時、わたしが紐と天然石を組み合わせて作った簡単なアクセサリーを見て声をかけてきてくれました。
彼は最初に会った時、言葉を書いていた。
ポストカードに言葉を書く。
誰かに当てた言葉だったり、心に中の言葉だったり、
筆を使って書く文字がなかなかスタイリッシュで味わい深かった。
そういえば“書”も構図やスタイル、バランスに満ちているものなあ。。
デザインがうまくできるはずだ。
磨き上がった三角形の夜光貝。
綺麗な色彩が浮かび上がりました。
せっかくだから屋久島の夜光貝を使おうよ(使おうや)
と声をかけて出来上がった二人の共作デザイン。
楽しみはまだまだ続きます。
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夕暮れ時、作業をひと段落させて、しずくギャラリーに。
今日は結婚指輪の相談会でした。
久しぶりの雨。
今日から屋久島滞在が始まるお二人。
空港に到着して、真っ先にしずくギャラリーまでやってきてくれました。
屋久島らしい雨のおかげでしょうか。
最初はまっさらだったイメージが、
言葉を交わすごとに、お二人らしいスタイルへと導かれてゆきました。
いつも思いますが、まるでお二人のために最初から指輪が用意されていたようにさえ感じられて、不思議。
潤いを感じるデザインが、今印象の中に輪郭を帯びてきています。ワクワク。
自然体で、自分の一部のように感じていただける指輪を作りたい。