水色で透明のアクアマリンとシルバーでしずく型のペンダントトップを作りながら、自然から生まれるデザインのことについて考えている。
今日も雨。ポツリポツリに耳を傾け作業を進めながら作業机に向かっている、屋久島サウスのアトリエです。
日本には季節があって、植物や雨、大地や空、そして季節そのものにも命が宿っているという考えを私たちは心に抱いている。
木々や花に話しかけたりしては、その対話から有機的な感覚を持ったプロダクトが生まれてきた。
そこにはピシッと揃っているというよりかは、不均一な美と言いましょうか、絶妙な揺らぎがあって、
うまく出来上がったプロダクトには、曲がりくねった屋久杉に惹かれるような生命力を感じることができる。
この雨のリズムをジュエリーに感じたい。大きな自然の一部であることが不明瞭になってきている。ジュエリーに有機的なモチーフをとり続けているのは、作業することによって、そこにつながりを求めているからなのかもしれません。
一方、もともとジュエリーの作られてきたヨーロッパでのデザインは数字的です。とてもシンプルですっきりしたアウトプットはゼロの概念があるからだろう。どこか建築のようで、必要から生まれるスタンスがあって、“無い”という空間がある。
繋がる世界の中で、つるりとしたアウトプットの流れの只中にいる。そして深い部分には八百万の神的なアイデンティティを確かに受け継いできている。
イメージしているのは小さなジュエリーにその二つが共存するデザイン。
みずみずしい生命感ある装飾と、現代の生活に溶け込むシンプルさを同時に求めている。
いま、屋久島での暮らしの中で、心と合理性の同居する場所を探している。
制作編