レディースリングに造形を加えてゆくこととなった今日。
プラチナの線にあらかじめ抑揚をつけてからリング状とすると、
とても自然なラインが現れた。
これはまだまだ序盤ではあるけれど、
しっかりとした部分、繊細な部分が一つのリングの中にあって、
これから進む道の奥の奥にしっかりとした光を見つけることができた。
レディースのリングは波の印象をデザインに投影したものであり、
緩やかなる部分、力強い部分、繊細な部分、
ぐるりと一周、それぞれの場所によって全て異なるボリュームで作り上げてゆくので、
見る場所によって、触る場所によって、
いつもフレッシュな感覚が漂うこととなっている。
鉄鋼ヤスリを片手にガリガリと、平らなリング表面に丸みを加えてゆくと、
その兆しが少しずつ顕著になってきて、
作りながらにも手の中で、ゆっくりと流れるようなリズムを感じられた。
時々雨のちらつく空模様の屋久島サウスでした。
なぜだろう。
雨の気配の中で手を動かしているとやたらと静かな気持ちに包まれるのです。
そんなときは、まるでスピードボールがが止まって見えるごとく、
細かいパーツも大きく見えるほどの感覚で笑
集中できるときはとことん没頭するようにしている。
不思議なのは、
作る前に3人で話し合ったイメージが頭の中にきちんとあって、
実際に作っている時は考えることを完全にストップしているのに
手を動かしていたら勝手にそのイメージが手に伝わってきて、
気がつけばそれが指輪に投影されていること。
柔らかくて、その中にシャープさを感じられること、海に山、お二人が屋久島で過ごした時間、、
今日も作業を続けていると、いくつかのエッセンスが蘇ってきた。
穏やかに、穏やかに、指輪作りは進んでまいります。