台風3号が屋久島の南沖を西に向けて通り抜け、その風が生み出したうねりが、いつものビーチに届いている。
夜明けのまだ暗いうちからビーチに向かい、仲間と「おはよう」を言い合って海に入る。
アトリエに戻ると、まだ8時前なのも夏の好きなところだ。
そして、コーヒーを作って、ジュエリーを作り始める。
いつもの島リズムで。
海と太陽と仲間、と友人が言っていたけれど、なるほど。
ジュエリー作りでも、人との繋がりが、何よりも貴重なものであるように思う。
台風が近づくと、フェリーが止まったり、スコールが降ったり、怖いほどに美しい空を見ることができるのだけど、島の東側に暮らす彼とは同じ夏を分かち合っている。
「この雨、むっちゃ激しいやつ、あっちもすごいだろうなあ」と思いを巡らせながら作業机に向かうのも楽しい。
多様性に満ちた世界だからこそ、どこかに繋がりのある何かを信じることができる。
今、この瞬間に確かな手触りを感じながら。
ピンクゴールドには900度、プラチナには1500度
くるりと巻いたリングを炎に包んでつなぎ合わせていく。
とても細いリングはたくさんの工程を経て、最後には安心してお使いいただける強さを得ることになる。
それまでは終始デリケートに扱わなければならない。
心静かに、じっくりと。
それもまた、大切な技術の一つなだろう。
日々の暮らしの中に漂うその心穏やかなフィーリングが、あるいは彼と分かち合っていることなのかもしれない。
作業もいよいよ終盤に差し掛かったところだ。
なんだか少し名残惜しいいような気持ちに包まれながら、細やかなヤスリがけの作業を繰り返していた。
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