屋久島から海の向こうに暮らすお二人にお届けする結婚指輪作りはプラチナリングを削りだす作業に。リングに漂う緩やかな流れやリズムみたいなものを、作り出すというよりかはその中に見出すというアプローチ。手に取ると、もうそこにはっきりとしたイメージがあった。
プラチナには炎を当てて柔らかにして、くるりとしてリングにするところまでを書きました。そして秋めいてきた屋久島の日々も。
目を閉じると自然とシルエットが浮かび上がってくる、デザインが生まれるまでも楽しい時間だった。お二人とはメールを何度も送り合ってきたし、サンプルリングのサイズを細かく調整もやってきた。台風の合間を何度も行き来した夏のデザイン作りだった。
大波で船も時々止まったりして、ゆっくりと進む島のリズムでしたね。これまでずっとありがとう。
そしてリングにスーッと流れが巡るまでタッチは止まらない。うん、いい感じだぞ。
作業がひと段落したところで海まで車を走らせた。水面もキラキラと輝いて秋の気配を装っている。
ずっと遠くを眺めて目を休めておく。
咲き始めたサキシマフヨウと柔らかな褐色の光。道端に普通に咲いている花々にいつも癒されるのはなぜだろう。
島の秋をいっぱいいただいて、アトリエに戻って作業の続きを。大きなリズム、小さなリズム。彼のリングを綺麗に整えることができた。
彼女のリングにもピタリと重なるラインを描いておいたので、素敵なお揃い感が生まれるだろう。リレーのようにバトンタッチを繰り返しながら造形を進めていこうと思っている。
一つが二つであるような気もするし、二つが一つのようでもある。小さなリングではあるけれど、そこに絆が生まれつつあるように思えてドキドキする。
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547