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ひとつの音色。雨上がりの光の中で、プラチナリングを眺める #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島サウスに長く降り続いた雨が止んだことに気がついたのは、プラチナリングの造形作業が終わりに差し掛かった頃だった。

 

ハンドモーターで内側をなめらかに磨き仕上げていると、不意に、窓の向こうからどこか懐かしい光が差し込んできた。

 

数日ぶりに包まれる陽光に、自然と感謝の気持ちを抱くのは、雨の多いこの島ならではの感覚なのかもしれない。

 

思い切りよく窓を開け放つと、湿った大地の香りが勢いよくアトリエへと満ちてきた。

 

春の香りに導かれ、庭先に出てみると、光の中で大きなハイビスカスが煌めいていた。

 

花の周りにはいくつもの蕾がふくらみ、芽生えたばかりの若葉が、透き通る緑を帯びている。

 

弾むような春のリズムに寄り添いながら進めてきた指輪作りだったように思う。

いよいよ折り返し地点を過ぎ、ここまでの時間をどこか懐かしく振り返りながら。

 

プラチナリングのアウトラインを、雨上がりの光の中で眺める。

緑を通り抜けて届く光は、次第に強さを増し、小さなリングの中に深い陰影を生み出していた。

 

リングの角度を細かく変えながら、光の巡りを確かめる。

そのたびに、プラチナの表面が鏡のように光を返す。

楽しくなって、くるくる。

 

寄り添うふたつは、緑の中でやわらかに響き合い、ひとつの音色を帯びているように感じられた。

 

リングには、デザインの核となる彫刻模様を施していくわけだけど、

この続きは、また別のお話にしよう。

 

おふたりだけの装飾がかたちを結ぶよう、これから細やかな調整を重ねていく。

それは、おふたりと抱いてきたイメージが、島の季節の中で育まれ、どこまでも広がっていくような時間にも感じられる。

 

想像していたよりもずっと素晴らしい未来が待っている。

完成は、もう少し先のお楽しみに。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

海と森、そして光のイメージへ #屋久島でつくる結婚指輪

 

海と森、そして光のイメージへ #屋久島でつくる結婚指輪

一日を通して、長い雨が降り続いていた。

アトリエは湿度のベールに包まれたように静まり、窓の向こうでは緑がひときわ深くなる。

雨はときおり激しさを増してざあざあと降り、やがてまた穏やかになる。

そのようなリズムを、ゆっくりと繰り返していく。

なんとも屋久島らしい時間を心地よく感じながら、作業に夢中になっていた。

 

 

熱帯の季節へ。

いつも結婚指輪作りに寄り添ってくれる屋久島に、ありがとう。

時の中に咲く、プラチナリングのかたち #屋久島でつくる結婚指輪

 

 

気がつけば一年の1/4が過ぎていた。

やがて雨はさらに深まり、屋久島サウスには百合や紫陽花が咲き始めるだろう。

 

ゆっくりと、けれどもどこまでも力強く、

島を包み込む自然のリズムに励まされながら。

 

さて、今日も作っている。

プラチナリングの表面に施す彫刻模様は、今回の結婚指輪作りの核となる部分なので、

油絵の具をのせる前の白いキャンバスのように、余白ができるだけ大きくなるよう、丁寧に作り上げていく。

 

あるいは、そうして余白を立ち上げていくこの感覚は、むしろ日本画的なアプローチに近いのかもしれない。

 

海と森、そして光のイメージへ。

 

ほのかに丸く整えた表面に、一周するように三つの象徴的なかたちを、ラインで描き入れていく。

 

最初は目の粗い鉄工ヤスリで大きく削り出し、徐々にヤスリの目を細かくしながら、均一な曲面へと整えていく。

無数の平面を幾重にも重ねるようにして、ひとつの滑らかなカーブを作り上げていく。

削り出すたびにプラチナの生の質感があらわになり、その無垢な輝きに心を奪われる。

 

意外かもしれないけれど、プラチナの手触りはとてもやわらかい。

その有機的な質感が、より自然に手に馴染むよう、内側にも緩いカーブを与えていく。

 

造形作業がひと段落するまでに、4本の鉄工ヤスリと数種類のサンドペーパーを使った。

表面と内側はなだらかなカーブに包まれ、側面にすっきりとした平面を残したフォルムが出来上がった。

 

よりスムーズなラインを生み出すため、ここまでは手を止めることはなかった。

その小さなリングの中には、止まることのない静かな流れのようなものが宿っていることを、確かに感じ取ることができた。

 

作業机の上には細かなプラチナの粉が散らばり、デスクライトの光を受けて、きらきらと輝いていた。

 

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時の中に咲く、プラチナリングのかたち #屋久島でつくる結婚指輪

タッチを重ねるたびに、造形のリアリティが立ち上がってゆく。

 

両端をつなぎ、ひとつの円となったとき、プラチナは揺るがない強さを帯びるのだけど、その手触りはどこまでもやわらかい。

金属が纏う永遠と、わたしたちが触れる一瞬の安らぎが、ひとつの場所で響き合う。

 

今という瞬間が幾重にも重なり、やがて永遠が形作られてゆく。

 

 

沖縄と神奈川、そして屋久島。

広い海を越え、手を繋ぐようにして、おふたりの結婚指輪を作っている。

あたたかな想いとプラチナリング。熱帯へと移ろう時間 #屋久島でつくる結婚指輪

 

金属の悠久の時間に身を委ねて作業を進めていると、

自分と金属のどちらが導いているのか、わからなくなることがある。

リングを作っているのではあるけれど、

わたしたちはこの宇宙の中でプラチナに出会い、ほんのひととき、そこに身を寄せているだけなのかもしれない。

そう思うと、どこまでも果てしない感覚に包まれる。

 

それは、海を泳ぎ、森を歩くときに訪れる、

畏れと安らぎが静かに広がっていく感覚に似ている気がする。

 

その世界に対する親しみのようなものを、大切な人と分かち合えると、日々は喜びに満たされる。

おふたりとは、空気の中に漂う悠久の時間を大切に思う気持ちで、繋がっているのかもしれない。

 

一日の始まりに、いつものビーチに向かった。

その途中に車を止めて眺めた朝焼け。

太陽は、リングのモチーフのひとつになっている。

 

重なり合い、ひとつになり、そしてまた重なり合う造形が好きだ。

 

プラチナをリング状に整えたあと、その表面と側面を金槌で叩いた。

真金に通し、鉄のプレートの上で、目当てのサイズに達するまで何度も打ち重ねていく。

 

均一に刻まれた槌目模様は、このあと削り落とすことになるのだけれど、

削り出し作業の前に、こうしてしっかりと圧力を与えておくと、プラチナは組成を引き締めるように、さらに強さを帯びていく。

 

この工程は、料理で言うところの下拵えにあたる、大切な部分だ。

これから長く寄り添う指輪になるよう、見えないところをしっかりと頑張っておく。

 

ゆっくりとした島のリズムで、いつも遠回りのような道のりだけれど、じっくりと進めていこう。

 

今この瞬間が、確かなかたちへと繋がっていく。

リングが完成に近づくにつれ、始まりのときもまた近づいてくる。

そう思うと、ひとつひとつのタッチが、いっそう愛しく、大切なものに感じられた。

 

 

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あたたかな想いとプラチナリング。熱帯へと移ろう時間 #屋久島でつくる結婚指輪

春の瑞々しい香りが立ち込めている。

朝、目を覚まして窓を開け放つと、重たい湿度がふわりと部屋の中まで入り込んでくる。

山肌にぽつりぽつりと灯り始めた新緑が眩しい。

一年ぶりにこの感覚を味わいながら、懐かしい友人に再会したときのような、やさしく穏やかな気持ちに包まれていた。

 

シダの葉のくるくるに出会うと、今年もまた新しい時間が始まったのだと、明るい気持ちが満ちてくる。

 

庭先でプラチナを手に取り、これから始まる指輪作りのイメージを整えているてと、また厚い雲が空を覆い尽くしてきた。

強い風と短い雨を繰り返しながら、少しずつ熱帯の気配を帯びてゆくのも、この季節ならではのリズムだ。

 

これから夏へ向かう島は、いきいきと鼓動を強めていく。

その風に耳を澄ませながら、おふたりの結婚指輪を作り進めていく。

それは、月が満ちていくような、とても素敵な時間のように思えた。

 

アトリエに戻り、まずはプラチナを酸素トーチの炎で焼きなました。

柔らかくなったところで、芯金にあてながらハンマーで叩き、くるりと丸く導いていく。

コンコンコンと、はるか昔から変わらない音色がアトリエに響き渡る。

 

彼のリングを丸くしたのち、続いて彼女のリングを。

それぞれの厚みに合わせて、ほんのわずかに力加減を変えながら、同じタッチを重ねていく。

これから先は、すべての工程をこのリズムで、交互に進めていくことになる。

 

まだ始まったばかりではあるけれど、おふたりとともに思い描いてきたリングの姿が、手の中で少しずつ輪郭を帯びていく。

 

まずは最初の一歩だ。

 

一日の作業を終え、海の見える丘まで車を走らせた。

日もずいぶんと長くなってきた。

 

彼女が暮らす沖縄では、もうハイビスカスが咲き始めているだろうか。

彼は神奈川で、今ごろ桜を眺めているのかもしれない。

 

水平線が、ゆっくりとオレンジ色に染まってゆく。

屋久島とおふたりを結ぶ時間が、季節のめぐりの中で、静かに紡がれていく。

 

いつもあたたかな気持ちで、一緒に歩いてくれて、ありがとう。

 

扉は開かれ、光が溢れ始めました。

喜びを分かち合いましょう。

 

 

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ご家族の物語。色彩でつながる、ベビーリング #屋久島でつくる結婚指輪

手をつなぎ、ひとつの輪を描くように。

3色の金属を重ね合わせ、ベビーリングをお仕立ていたしました。

春の陽だまりに包まれた屋久島サウスより、ご出産おめでとうございます。

 

 

ご両親の結婚指輪は、プラチナとピンクゴールドが響き合うコンビネーションでお仕立てしました。

豊かな響き. 屋久島からお二人にお届けする“稲穂模様の結婚指輪” #屋久島でつくる結婚指輪

 

屋久島の祝福に包まれていた、指輪作りの日々。

山の裾野では、赤ちゃんのお名前の由来となったヒマワリが咲きました。

色彩でつながる、ベビーリングのかたち #屋久島でつくる結婚指輪

 

大切な想いから始まるオーダーメイドには、いつも眩しいほどの喜びが満ちています。

ご家族を繋ぐ愛情から生まれたインスピレーションに、ありがとう。

 

ご両親の結婚指輪と同じプラチナとピンクゴールドに、ヒマワリをイメージしたイエローゴールドが重なり、3色のベビーリングをつくろうと閃いたのは、とても自然なことだったように覚えています。

小さなリングへと紡がれたのは、ご家族の絆の物語なのかもしれません。

 

生まれて2ヶ月の赤ちゃんの指のサイズは、細い紙を巻いて測っていただきました。

その紙が島に届き、くるりと巻いたときの、本当に小さかったこと!

込み上げてきた愛おしさは、今も心の中に響いています。

 

そのサイズに合わせ、プラチナ、ピンクゴールド、イエローゴールドを均一に繋ぎ合わせました。

リングの表面は、柔らかな丸みを帯びたフォルムに整えています。

 

指先に収まるほどの小さなリングですが、

ご両親の結婚指輪とぴたりと同じデザインに仕上げ、そのつながりを大切にいたしました。

 

リングの内側には、

お誕生日と、お名前。

 

そして、生まれた時の体重を、

誕生の記憶とともに、大切に刻み込みました。

 

12月生まれの赤ちゃんの誕生石は、タンザナイトでした。

 

天然石と金属の長い時間と、わたしたちの時間がここで重なり合い、永遠を形作っていく。

そう考えると、今という時間が、いっそう大切に思えてきます。

 

赤ちゃんが大きくなるまでは、ネックレスにして身につけておくのも素敵ですね。

やわらかい革紐なら、内側を傷つけることなく、安心してお使いいただけます。

 

ひだまりの中、手のひらに小さなリングを乗せて眺めていると、

春の小花たちとリングとが、仲良く集まって遊んでいるように見えました。

海の向こうに思いを馳せながら、あたたかな気持ちに満たされていきました。

 

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春を分かち合う。プロポーズの日に向けてお仕立てした、ナノハナの指輪 #屋久島でつくる結婚指輪 #プロポーズ

春を分かち合う。

おふたりが歩みを重ねる日に向けて、ナノハナの指輪をお仕立てしました。

屋久島サウスに満ちるひだまりの中で、大切な想いが紡がれてゆきました。

 

プロポーズの日にお渡しするリングを、と彼にお声がけいただいたのは、アトリエにハイビスカスが咲き満ちていた去年の夏のことでした。

あの日から、半年以上の月日をご一緒しながら、指輪作りを進めてきたので、完成した喜びもひとしおです。

新しい始まりへと歩みを進めるおふたりと一緒に走っているような、希望に満ちた日々だったように思います。

 

イエローゴールドの花とリングは光沢仕上げで整え、

特別な日のために選んだダイヤモンドを三粒、花の中央に添えました。

 

静かなやさしさと、エレガントな煌めきが緑の中に響いています。

 

実物の花よりも少し小さなリングを手に取ると、繊細な感覚がそっと伝わってきました。

 

約半年の月日を経てリングが完成し、オーダーメイドはここでひとつの区切りを迎えるわけだけど、

それがおふたりにとって新しい日々の始まりの合図となることも、嬉しく思います。

 

このようにしてわたしたちは、今という瞬間を重ねながら、永遠へとつないでいくのかもしれません。

これからもお互いに、未来へとバトンを手渡すように、日々を新しく彩っていけたら素敵だなと思います。

 

春のぬくもりのような、こころ和らぐリングが生まれた喜びに包まれながら。

 

 

ナノハナの指輪 18k yellow gold, diamond

 

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制作編

屋久島の季節の中で、おふたりのリングをつくること。#屋久島でつくる結婚指輪

水音の記憶。雨上がりに眺めるプラチナリング #屋久島でつくる結婚指輪

雨が降り、風が強く吹き抜けたのちに、あたたかな陽光が差し込む。

そのようなリズムを繰り返しながら、春がゆっくりと満ちていく。

 

おふたりの結婚指輪は、移ろいゆく島の時間と響き合うように、ゆっくりと、確かな手触りを伴って形づくられてきたように思う。

 

庭先には、シロツメクサの姿をよく見かけるようになった。

緑は深まり、名も知らぬ小さな花が、あちらこちらで咲いている。

 

プラチナリングの表面を目の細かい紙やすりで丁寧に磨き上げ、長く続いた造形作業が、ここで区切りを迎えた。

おふたりと屋久島でお会いしてから育んできたイメージが、ひとつの形になった瞬間だ。

 

生まれたばかりのそのフォルムを、雨上がりの柔らかな光の中で眺めて。

 

清らかな流れ。雨のしずく。打ち寄せる波。

憧れはいつも、水音に包まれた島の暮らしの中にあったように思う。

 

指先に収まるほどの小さなリングだけど、大切な想いがたくさん詰まっている。

おふたりとの素敵な出会いに、ありがとう。

 

リングが完成し、夏頃にまた島でお会いできるかもしれない。

ちょうど作業の手を休め、ルーペとピンセットを机に置いた頃、海の向こうから嬉しいお便りが届いた。

 

それまでにリングの表面をつるりと磨き上げておこう。

雨上がり、植物に宿る雫のように艶やかで、どこまでも滑らかな手触りに仕上がればと思う。

 

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制作編

春に煌めく島の祝福に包まれながら、おふたりのプラチナリングを作っています #屋久島でつくる結婚指輪

春に煌めく島の祝福に包まれながら、おふたりのプラチナリングを作っています #屋久島でつくる結婚指輪

そろそろかなと思って、お気に入りの場所に足を運んでみると、大好きなルリハコベが咲いていました。

ルリハコベは、春が訪れると島の海岸沿いに佇む、1cmほどの小さな花で、

そのブルーに出会うたび、はっと心を奪われます。

 

クローズアップで眺めたときに現れる、その精巧なフォルムも、魅力なのですよね。

これまでにも、この小さな青い花をモチーフに、いくつものジュエリーを作ってきました。

 

まるでクラスメイトみたいに、寄り添い咲く小さな花々。

ふわりと抜けていく潮風。

目の前を静かに流れていく、3月の景色。

 

屋久島は、もちろん森の美しさが素晴らしいですが、

わたしたちが暮らす里では、花と海に囲まれた穏やかな時間が流れています。

 

繋がりに導かれた出会いであったり、日々コツコツと形にしていくおふたりのリングもまた、島の巡りゆく季節に育まれている。

 

この場所で、この時間の中で生まれていくものだからこそ、確かに信じられる手触りがあるように思うのです。

 

 

さて。今日のアトリエです。

削り出しを終えたリングに、やわらかな温度を宿すように、いくつかの大きなタッチを加えていくところです。

 

背筋を伸ばし、静かな気持ちで。

ふたつのプラチナリングに、少しずつ表情を与えていきます。

 

叩き、圧力をかける前に、まずはプラチナを真っ赤になるまで熱し、緊張をほどいています。

 

プラチナがやわらかくなったのち、筒状にカーブした鉄の枠に添え、木槌でコンコンと叩き、少しずつリングを曲げていく。

途中、芯金に通して円のバランスを整え、再び枠にあて、しっかりと力を込めて叩く。

叩いて硬くなったプラチナを、酸素トーチの炎に包み、やわらかくする。

 

そのような工程を、納得のいくカーブが立ち上がるまで、何度も繰り返していきました。

 

今回の指輪作りの佳境でもある工程を無事に終え、ほっと一安心です。

 

プラチナリングはなめらかなカーブを纏い、ゆらめきながら浮遊しているようにも見えて、

まるで水の中を泳いでいるときみたいな感覚だなあと、波の打ち寄せる海のことを思いました。

 

作業が終盤へと向かうのと歩調を合わせるように、おふたりの新しい時間の始まりも、静かに近づいてきています。

 

このあと、紙やすりで表面を磨き上げていくのですが、

これからは全て、手の感覚だけを頼りに、包み込むように整えていきます。

 

春に煌めく島の祝福に包まれながら。

 

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制作編

プラチナリングに巡る、永遠のかたち #屋久島でつくる結婚指輪

プラチナリングに巡る、永遠のかたち #屋久島でつくる結婚指輪

おふたりの結婚指輪は、水をモチーフに作り進めているのだけど、それは、水そのものの動きや手触りだったりするし、自然の中を巡る、大きな流れだったりもする。

 

 

水をめぐる、結婚指輪作り

水をめぐる、結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

 

雨が降り、川が流れ、海へと注がれていく。

やがて太陽が昇り、空には大きな虹がかかる。

植物たちはそのリズムに呼吸を重ねるようにして、静かに育まれてゆく。

 

山と海に囲まれた島の暮らしの中で、

水をめぐる時間が流れていることを、確かに感じることができる。

 

いくつものリズムが重なり合い、どこか楽しげに響き合いながら、季節を織りなしてゆく。

 

作業机に向かい、鉄鋼ヤスリを片手に、いまリングに刻み込んでいるのは、そのような時間そのものなのかもしれない。

 

無数の面を重ね合わせるようにして、なめらかなカーブを作り出していく。

まるで刹那が集まり、永遠を形作るように。

 

屋久島サウスに、久しぶりのまとまった雨が降り始めたのは、朝食を終え、コーヒーを作って、その日の制作を始めようとした頃だった。

雨が降り、庭先にハイビスカスが咲き始めると、空気の中に熱帯の気配が満ちてくる。

もうそろそろ暑くなってきそうだな、と少し身構えながらも、どこか胸が高鳴ってくる。

 

赤やオレンジ、白のハイビスカス、プルメリア、モンステラの大きな葉。

南国の色彩に包まれるこの場所の、ゆったりとした時間の流れがとても好きだ。

 

2本のプラチナリングは、同じ2.3mm幅で仕立てている。

表面を巡るラインを、同じリズムで削り出した。

 

まだ荒削りではあるが、こうして並べてみると、

そこには芽生え始めた小さな息吹のようなものを見てとれた。

 

それぞれの音を持ちながら、ひとつのリズムを静かに奏でているように、親密な響きが生まれつつある。

眺める角度によって、プラチナリングの表情が移ろいでゆく。

 

おふたりとわたしが、ともに生み出していくものは、

自由に島を巡りゆく水にも似た、ひとつの永遠なのかもしれない。

 

ついこの間までの冬を思い出させるような冷たい雨が上がると、

またあたたかい朝がやってきた。

 

いつもの場所に虹がかかったので、近くのホテルで山から海へと渡る光を眺めてから、アトリエに戻り、制作を始めることにした。

 

気がつけば、わたし自身もまた、島のリズムの一部であるように感じられ、なんだか嬉しくなる。

 

リングの内側は丸く柔らかな面に整え、アウトラインに大きなカーブを与えると、作業もいよいよ佳境へと入っていく。

 

光沢仕上げのベースとなる質感を、しっかりと磨き上げていかなくてはならない。

 

雨上がりの重たい湿度を心地よく感じながら、これから施すタッチのイメージを、とても細やかに思い描いていた。

 

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水をめぐる、結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

春の新しい風が、島に漂っている。

独特の湿度を含んだ、芳醇でやわらかな空気だ。

森をつたい、里に注がれる雪解け水は、目が醒めるほどに冷たい。

植物たちは日ごとに鮮やかな色彩を取り戻していく。

 

島全体が喜び、歌うような時間を、今年もまた、飽きることなく眺めながら、ここ数日は作業机に向かっていた。

 

 

山茶花咲く冬から季節を超えて、指輪作りにご一緒いただき、ありがとうございます。

素敵なご縁にありがとう。今年をしめくくる結婚指輪の相談会 #屋久島でつくる結婚指輪

 

制作を始める前には、アトリエから森まで出かけ、深い緑の中を流れる滝を訪れた。

水をめぐる、おふたりの結婚指輪づくりを、祝福するようなひとときだったように思う。

 

体全体をめぐる水の響き。

満ちる余韻とともに。

 

素材となるプラチナは、2本とも同じ2.3mm幅で揃えた。

それぞれのサイズに合わせて厚みに適切な違いを持たせながら、お揃いのデザインで造形していくことになる。

 

くるりとリング状に巻いた地金の両端を糸鋸で落とし、断面がぴたりと合わさるように整えた。

その後、酸素トーチの炎でリングを包み、1000度を超える熱の中で、そのわずかな隙間にプラチナを流し入れ、リングを一つにする。

 

最初は手で曲げられるほどのやわらかさを持つが、

不思議なもので、ひとたび輪になると、プラチナは強固で揺るがない安定感を得る。

 

森の清流のような柔らかな手触りと、悠久の時の中で根を下ろす木々を思わせる確かな強さのようなものが、プラチナにはあると思う。

 

2本のリングを完全な円形に整え、表面を目の粗いヤスリでざっと削り落とした。

庭先にリングを持ち出し、そのシルエットを眺めてみる。

 

削り出し作業のベースとなる、端正なフォルムが整ったように思う。

料理で言えば、ひとまず下拵えが整ったところだ。

 

夕暮れが近づき、緑がぐっと深く色濃くなってきた。

プラチナは、一日の陽光の余韻を受けとめるように、静かで力強い輝きを放っている。

遠くからは、小さな波音が聞こえてくる。

春のあたたかな一日が、ゆっくりと過ぎていく。

 

まだ重たく、角ばったプラチナの奥に、わたしたちがともに思い描いてきたリングのシルエットを、静かな気持ちで眺めていた。

 

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屋久島の響きをまとう。オーダーメイドでお仕立てしたイエローゴールドのバングル #屋久島でつくる結婚指輪

ひさしぶりの制作だった、大好きなバングル。

k18イエローゴールドでお仕立ていたしました。

屋久島の緑と響き合うひととき。

 

彼とお会いして、オーダーメイドのご縁をいただいたのは、年明け早々のことでした。

目には見えない磁力のようなものに導かれて、巡り合えるところが、屋久島の素晴らしいところだと思います。

素敵な出会いに、ありがとう。

 

わたしもバングルが大好きで、

以前はシルバーのボリュームのあるタイプを愛用していましたが、

いまの気分には、このようなゴールドやプラチナの、すっきりとしたスタイルがとてもしっくりきます。

 

2.2mm幅のゴールドは、

その強度をさらに高めるため、金槌でコンコンと叩いて仕上げています。

側面と表面には、その跡がやわらかな凹凸となり、有機的な装飾として残りました。

 

バングル特有のつけ外しがスムーズにできるよう、

エンド部分をくるりと巻いてあるのは、

わたし自身の使用経験からくる、おすすめのスタイルなのです。

 

それにしても、イエローゴールドの存在感はすごいです。

こんなにも繊細なデザインなのに、

手の中にはしっかりとした重みを感じることができ、

一生の相棒になってくれそうな安心感が伝わってきました。

 

光沢仕上げを施したバングルが、まるで鏡のように島の緑を映し、

春の爽やかな空気と響き合っています。

 

大切なジュエリーの制作をお任せいただき、

本当にありがとうございました。

 

屋久島から東京へ。

 

彼が魅せられた、屋久島に漂う神秘のようなものも、

このバングルとともにお届けできれば嬉しく思います。

 

 

 

つながるシダ模様の指輪 #18k #yellowgold #屋久島でつくる結婚指輪

material: 18k yellow gold
size: 2.5mm

Delivery time is within 3 months.
Made by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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The Story of the Fern Rings When Two Things Meet, Something Wonderful Happens #YakushimaCustomRingStories