屋久島サウスのアトリエです。
イエローゴールドでかたどった3つの花をオレンジ色の炎に包み、一つ一つを慎重に繋げていく。
微妙なタッチが重なり合い、そこに一つだけの個性のようなものが生まれるのは、ハンドメイドならではの喜びかもしれない。
今日も少しずつ。
大切な日のために。世界に一つだけの指輪づくり。
たしかに、最高のバランスで成立しているデザインではあるけれど、素材もその時々でカスタムをするし、サイズに合わせて造形のバランスも微調整をしていく。
婚約指輪としてお選びいただいたこのリングは、フォーマルなシーンでもお使いいただけるよう、光沢を持たせて仕上げることにした。
この先、ずっと長くお使いいただけるようにと、彼と相談を重ねてきたイメージが、手の中で少しずつ形になってゆく。
その時間に対峙できるのは、作り手ならではの喜びであるように思う。
菜の花といえば、集まっているその佇まいが素敵だ。
ゆらゆらと風に揺られる黄色い光のようにも見える。
ナノハナのモチーフには、もちろんイエローゴールドがよくフィットするし、セットするダイヤモンドは、透明に輝く雨の滴だろうか。
屋久島では12月の寒くなる頃から菜の花が咲き始めるのだけど、
海までの道沿いに広がる菜の花畑で出会う感動を、こうして小さなジュエリーに表現できるのが嬉しい。
作業の合間にいつものビーチまで車を走らせると、そこはまだ夏の青を残していた。
太陽の日差しが眩しい!
白い泡に沿って水際を裸足で歩くと、水も温かだった。
もう少しこの暑さが続いてほしいような気もするし、淡いピンク色のサキシマフヨウが咲く季節も待ち遠しい。
何度見ても新鮮に感じられるのは、自然が織り成す多彩な色の力なのかもしれない。
皆さまも、素敵な秋の始まりをお過ごしいただけますように。