結婚指輪をおつくりしたおふたりと。
屋久島のアトリエでお会いできました。
雨の予報もよそに、ゆっくりとご一緒できたひとときも、島からの贈りもののように感じられました。
深まる緑の中に、赤いハイビスカスがぽつりぽつりと咲き、今年最初の白い百合も花を開かせた、素敵な昼下がりでした。
「こんにちは」と庭先で握手を交わしたとき、
これまでずっとメールやビデオ通話でご一緒してきたこともあって、
まるで大切な友人と再会したような、どこか懐かしさを帯びた感動がありました。

おふたりから、はじめてお便りをいただいたのは、島にはまだ夏の気配が色濃く漂う、去年の9月のことでした。
そのときに、月をモチーフにしたリングのイラストをお送りいただいたのですが、
あのイメージが数ヶ月の時を経てかたちとなり、いま目の前にあることが、小さな奇跡のようにも感じられて、
自然と言葉にならない喜びが溢れてきました。
「アウトラインのスタイルや、リング幅、サイズについては、細やかな調整を重ねてきましたね!」
そんなふうにお話ししながら、
実際にリングをつけてみると、本当にぴったりで、
まるでずっと手の中にあったかのように、自然に馴染んで見えたのが印象的でした。

ご結婚おめでとうございます。
完成というひとつの節目が、おふたりにとって新しい始まりの合図になるところが、結婚指輪作りの大好きなところです。

この日の前日と、その前の日に屋久島の森を歩いてこられたおふたりからは、
新しく清らかな時間が伝わってきて、アトリエもやわらかな幸せに満たされました。
雨が降り始める前にと記念撮影をして、いよいよサヨナラをすることになりました。
「リングはそのままつけていく?どうしよう?」と、おふたりが静かなトーンで話しています。
窓の向こうでは、徐々に湿度が満ちてきて、深まる緑が気持ちよかった。
何気ない穏やかなひとときが、アトリエに流れていきます。
きっとまた、それほど遠くない日に会えるのかもしれない、
なんとなく、ほんの少しだけ確信めいた気持ちで、そう思うのでありました。
未来への扉が、わたしたちの前に用意されました。
またいつの日か、それぞれの道の続きをお話しできれば、素敵だなと思います。

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