柔らかな若葉をまとった杉の木の下で、お二人の結婚指輪を手に取ると、
光沢仕上げのプラチナが、緑に包まれた情景を映していて、
屋久島からこぼれ落ちたひとしずくのように見えました。
赤ちゃんと一緒に、ご家族でアトリエにお越しいただいてから、もう半年ほどが経ちました。
島リズムの、ゆっくりとしたオーダーメイドにお付き合いをいただき、ありがとうございます!
あれから冷たい冬の季節を超えて、お二人の結婚指輪作りが始まったのは、ぽつぽつとあかりが灯るように、島じゅうに新緑が芽吹き始めた頃でした。
この島に暮らしていると、ときおり、どこか強い磁力のようなものを感じることがあります。
もちろん、すべての源は森の美しさにあるのだと思いますが、
訪れる人たちを、ときに、とても強く魅了してしまう。
そのような人たちとの出会いにもまた、まるで仲間と出会えたような、特別なつながりを感じてしまうのです。
空気に満ちる、潤いを帯びた響きに癒されながらお作りした、お二人の結婚指輪です。
身にまとうのは、お二人が大好きな、屋久島のひとひらなのかもしれません。
つけ心地柔らかなラウンドシェイプのプラチナリング。
シンプルだからこそ、内側のデザインには特にこだわりました。
リングの内側には、杉の葉がアレキサンドライトを大切に抱くように彫刻されています。
リングを重ね合わせてみると、その二本の葉が、ぴたりと繋がりました。
そして、その両脇にはお二人のお名前と日付を。
永遠に変わることのない、大切な想いが印として刻まれています。
小さな森の、木々の隙間からこぼれるやわらかな光がリングに届き、
手の中で角度を変えると、アレキサンドライトの透き通った青緑色がきらりと輝きます。
小さなリングの中に刻まれた、お二人の物語に思いを巡らせ、
どこまでも大きな、幸せな気持ちに包まれました。
生まれたての緑色が、とても眩しかった!
いつもの散歩道では紫陽花が咲き始めています。
ぽこぽこと、道沿いに散りばめられた色彩に心躍る季節です。
六月の雨のしずくのような、朝の木漏れ日のような。
彼女のリングの表面には、一粒のダイヤモンドをセットして。
いよいよお二人のもとにお届けする時がやってきました。
まるで、島から届けられたような出会いでしたが、
わたしにとっても、大切な指輪作りだったように感じています。
ご結婚おめでとうございます!!
ご家族の未来が喜びに包まれますように。
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