
シャンパンゴールドからは、どこか落ち着いたやわらかさが伝わってくる。
それは植物に触れているときのような、心が癒される感覚なのかもしれない。
そういえば、ナノハナの指輪をシャンパンゴールドで作るのは初めてだったような。
手の中で少しずつ生まれつつある表情に、新鮮な好奇心を膨らませながら。
おふたりのご結婚に寄せて、プラチナのペアリングとシャンパンゴールドのエンゲージリングを作っている。
それぞれがつながりながら、ひとつになるジュエリーづくり。
まずは、ナノハナをモチーフにした婚約指輪から。
屋久島に暮らしている土地柄も大きいのだと思うけど、
身近にある、ときには身近すぎるほどの植物たちから学ぶことは、とても多い。
それは、生きることそのものについてでもあるし、もちろん、ジュエリーのデザインにも豊かなインスピレーションを与えてくれている。

庭先で出会う何気ない造形の、なんて完璧で心地よいことだろう。
手をつなぎ合うようにして、ポコポコと連なるツワブキの葉。

リングと同じシャンパンゴールドで、3つの花をかたどった。
並べて添えるため、それぞれをリズムよく繋ぎ合わせていく。
春の光の中、風にゆらめき、寄り添う黄色い花々を思い描き、
わたし自身も、なんとなく幸せなムードに包まれる。
心を平らにして、細やかなタッチをひとつずつ重ねていた。

台風前後は、空を眺めることが楽しみのひとつになっている。
夕暮れ時には、水平線にやわらかな色彩のグラデーションが広がった。
少しずつ季節も移ろいでいくなあと、遠くを眺めているとき、ふと思いついた。
シャンパンゴールドはプラチナとも、とても相性が良いので、
3本のリングの素材を交換し、分かち合うようにして制作を進めていくのはどうだろう。
彼のプラチナを彼女の婚約指輪へ。シャンパンゴールドは、彼女の結婚指輪と婚約指輪で分け合っていく。
そんなふうに。
そして、お揃いの天然石を添えれば、そこにはデザインだけではない、確かなつながりが生まれるのではないか。
少し長い制作になりそうだけれど、それもまた良いものだろう。
じっくりと腰を据えて進めていこう。
そろそろ風も強くなってきそうなので、アトリエに戻り、今日はここまでにしよう。
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