
海の向こうにお送りするリングを朝のやわらかなひかりの中で眺めました。
朝露をまとう結婚指輪。
祝福のときが静かに満ちていました。
新しい季節を迎えた屋久島から、ご結婚おめでとうございます。
おふたりの結婚指輪を作り始めたのは、南国にほんのりと秋の気配が漂い始めた頃でした。
屋久島の秋もやはり雨の日が多く、アトリエで過ごす時間が自然と長くなりますが、深まる緑を眺めながら手を動かすひとときが、とても好きです。
ぽつりぽつりと宿る雫。
ジュエリー作りへの憧れは、いつも庭先から始まるように思います。

少しひんやりとした朝の空気の中で。
マット仕上げを施したイエローゴールドは静かに輝き、ほのかなあたたかみを添えていました。
緑には朝露が宿り、そのひと雫はリングに添えたプラチナの粒とちょうど同じくらいの大きさでした。
1.8mmのリング幅。
そのシルエットは丸く、どこまでも滑らかです。
優しく繊細でありながら、その奥に揺るがない確かさのようなものを感じるのも、イエローゴールドの魅力なのだと思います。

移ろいゆくものの儚さにも美しさを感じますが、自然の響きがいつもそばにあると、心癒されますよね。
日々の暮らしの中で、ふとした瞬間に島の澄んだ時間を感じられる。
そんなリングになったように思います。

植物たちに朝露が宿り始めると、島に遅い秋が訪れたことを知らせる合図です。
満ちてゆく光を受けてきらきらと輝く緑の中に佇むと、清々しく、明るい希望に満たされました。

雫をまとった深い緑と静かに響き合いながら、完成したばかりのリングもどこか微笑んでいるようでした。
やがて空は淡い光に包まれ、秋の色彩にゆっくり染まっていきました。
いつの日か、おふたりで屋久島にいらしてくださいね。
この小さな喜びが、いつまでも育まれていきますように。
おふたりの暮らしにそっと寄り添うリングとなれば、何よりも嬉しく思います。

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