
雨が降ったり晴れたりした日。
ダイヤモンドのように煌めく雫と澄み渡る青空がとても綺麗だった。
窓の向こうで刻々と移りゆく情景を眺めながら作業ができるのはありがたい。
この日はずっとアトリエに籠り、指輪作りの細やかな工程に没頭していたように思う。
細いゴールドの線で作ったリングと、二つの小さな花を組み合わせる。
手を離しても外れないほどぴたりと合わさるまで、実に長い時間がかかった。
ペンチやヤスリを使って少しずつ造形に変化を加え、指先でリングに微妙なカーブを与えた。
目標のサイズとなるよう、何度もサイズゲージに合わせて確かめた。
ここだ、というバランスに出会えたところで、リングをそっとピンセットで挟み、机の上に固定して、いよいよ双方を繋ぎ合わせる作業に取り掛かる。
リングと花の隙間に融点の低いゴールドのかけらを慎重に添え、酸素トーチの細い炎をピンポイントで当てると、
やがてゴールドが真っ赤に熱を帯び、その瞬間、溶けた金が隙間へとすっと流れた。
不思議なもので、こうしてリング状になると、繊細だったゴールドに揺るぎない調和が生まれる。
まるで、手を繋ぐようにして強くなる。
このあとに雨の雫を模した粒金を装飾するのだけれど、水の一滴一滴が花のリングに新たな強さを宿していくのだと思うと、面白い。
ともあれ、指輪作りの大切な山場を無事に越えることができ、ほっと一息というところだ。

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制作編