ほんと久しぶりだった大阪、京都の旅から帰ってくると、屋久島は雨でした。朝が少し冷たくなっていた。植物たちにしずくが宿っていた。
まずは庭先をぐるりと回って、花々を眺めるところから。
シダもハイビスカスも、山茶花、ツワブキ、サキシマフヨウ。いつものメンバーに会えて幸せで元気になった。
遠く離れていても屋久島の季節を分かち合いながら。
お二人の結婚指輪作りは、プラチナをシルバーでかたどったシダの葉っぱをくるりと巻いてゆくところまでを書きました。
不思議なことなのだけれど、島に帰ってくるとお二人と繋がりが強くなったような気がして、
ふと海の向こうに思いを巡らせる。
お二人はどんな冬の始まりを過ごしているのかな。
アトリエには数日前の余韻がまだ残っていて、
とても自然な流れで机に向かって作業の続きを始める。
そうか、もう少しで12月なのか。
ぐっと背筋が伸びる。
いよいよ工程も後半だ。
彼のリングの上に彼女のリングを乗せて、ぴたり。
ほぼほぼ同じデザインではあるけれど、
サイズが大きくなる彼のリングはほんの少しだけリングを太くしてあるのはここだけのお話。
こうすると丈夫になるし、つけた時にお揃い感がアップするので嬉しい。
火を当てるシーンはこれを含めてあと2回。
いよいよここまでやってきた。
シダの指輪のサンプルをお送りしてお二人のデザインづくりを始めたのは
ほんの少し前のはずだけれど、ずいぶんと遠い日のようにも感じられる。
喜びがキュッとつまった濃密な日々なのかもしれない。
そして、この作業もまたすぐに懐かしい時間になるのかな、
そう考えると、今この瞬間がとても貴重なものに思えてきた。
朝のしずくのように儚く、力強く。
時々窓の向こうを眺めてふんわりと。
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