イエローゴールドのリングの表面に、プラチナの粒を三つ散りばめて。
おふたりのリング作りも、いよいよ佳境を迎えることとなりました。
結婚指輪作りでは、その完成が新しい暮らしの始まりを告げる合図でもあり、
大切な日に向かって、希望がゆっくりと満ちていくように感じています。
雨が降っては止み、太陽が現れて夏の強い日差しが降り注ぎ、やがてまた、雨雲に覆われる。
数日間にわたる作業の間は、毎日スコールが続いていたけれど、
わたしたちの暮らしもまた、そうしていくつもの始まりを繰り返しながら、少しずつ育まれていくのかもしれません。
彼女のリングに散りばめた三つの粒は、彼のリングを作ったときにできたプラチナのかけらを使いました。
ふたつの大きな粒と、ひとつの小さな粒。
それらはまるで、おふたりの絆を繋ぎとめるように、リングにおさまりました。
「手作業の多い仕事なので、粒は少しリングに埋めるように仕上がると理想です」
デザイン作りのときに、彼女がそう言ってくれたのを覚えています。
そのようなやり取りも、今となっては素敵な思い出になりつつあります。
リングの表面にぽつりぽつりと散りばめられたプラチナは、雨の雫のようで、
作業の合間に庭先で眺めていた植物たちの姿が思い出されて、なんだか嬉しくなりました。
そうそう、彼のプラチナリングの装飾についても、語らないわけにはいきません。
彼女のリングと繋がりのあるモチーフを、少し異なるアプローチでお仕立てすることになっているのですが、
それはまた、別のお話で。
シンプルで、特別な、おふたりだけの結婚指輪に仕上がると思いますので、どうぞお楽しみにしていてください。
おふたりの指輪作りをあたたかく見守ってくださり、ありがとうございました。
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