あれ、この花はいつも春先に咲いてるような気がするけどなあ。
12月の強い日差しに、もしかすると間違えて咲いたのかな。
あたたかさが心地よい屋久島サウス。
今日もアトリエで作業机に向かっておりました。
今も昔も愛されるシルバーリング。
こちらは結婚指輪にと制作を進めているもので、
左側が造形前のもの。
鉄鋼ヤスリ片手にアウトラインを丸く、柔らかく造形を施したものが右側のリング。
結婚指輪作りでは
メンズとレディース片方ずつ作るときもありますし、
お揃い感を出したい。
同じアウトラインで作りたい。
同じ素材である。
と、今回のようにペア感を最大化したいときは
2本並行して造形を進めることにしています。
ここでレディースにバトンタッチ。
ガリガリとヤスリで100回、強弱をつけてもう100回ほどは往復しただろう。
角ばったリングの角を丸く柔らかに整えてゆくと、
メンズとお揃いのアウトラインが現れた。
ここはすべて手作業となるので、一度や削ると後戻りはできないところ。
緊張感のある作業だけど、出来上がるリングが唯一のとなるのが気に入って、この作り方をずっと守り続けている。
それにしても、ラウンドシェイプのリングというのは作り手や使う人のスタイルが映し出されるジュエリーだと思う。
普遍的でベーシックなスタイルだと、作り手の考え方や個性が浮き彫りになるのが面白い。
まるでお菓子でいうところのショートケーキや、中華料理の焼き飯のような大切なポジションであります。
もちろん、作るうちにそのテイストは進化と変化を続けるので、
わたくしのジュエリーのスタンダードも常に新しくなっている。
しっかりボリュームとすっきりシルエットが2018年後半のポイント。
日々の暮らし感と装飾性を兼ね備えたデザインであります。
午後になって、雨が降り始めた。
作業の手を動かしていると不意に、
お二人と夏にしずくギャラリーでお会いした時のことが思い出されてくる。
屋久島旅の中で結婚指輪を作ることができたらとリサーチしてきたのです!
と、笑顔で言ってくれが印象的だった。
活き活きとしたお二人と時間を過ごして
僕の方まで嬉しい気持ちにに満たされました。
柔らかい中にもしっかりと芯のある指輪が似合うだろうな。
作る指輪のイメージが見えたのはとても自然なことでした。
海のことや写真のことでも話が盛り上がったのもジュエリー作りの良い思い出。
楽しかったしずくギャラリーでの時間を思い出しながら机に向かってます。
外の光の下で。
夢中になって作業を続け、気がつくともう暗くなってきた。
少しずつ、少しずつ。
楽しい時間は続きます。
最初の第一歩