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海とシルバーリング、彼女が彼にプレゼントした、波のリズム #屋久島でつくる結婚指輪

海とシルバーリング。海の響き。

屋久島から北海道にお届けしました。

 

ご近所だった時も、遠く離れていても、お二人と喜びを分かち合えるのがオーダーメイドの素敵なところ。

 

 

お二人に初めてお会いしたのはちょうど2年ほど前のツワブキが咲く頃でした。

その頃のメッセージを見返していたら、これまでのやりとりがむっちゃ長くて驚きました。

 

節目節目でお声がけをいただいたり、久しぶりのメンテナンスをしたり、

長くお付き合いをできる、その時間もまた宝物のように思います。

 

屋久島まで来てくれて、ほんの数時間だったけれどご一緒できた日を懐かしく思いながら。

そして、あのときは想像もしていなかった今を愛おしく思いながら。

新しく出来上がったリングを眺めていました。

彼女が彼にプレゼントした、波のリズム。

リング表面に彫刻をしたほんの数ミリの模様ではあるけれど、ここにどれだけの広がりがあるのだろう。

 

シルバーリングを手に取って眺めていると、

その内側にお二人の大切な想いを感じずにはいられなかった。

 

リング幅は2.6mm。シンプルなラウンドシェイプのデザインです。

 

海や山での活動が多い彼なので、

丈夫にお使いいただけるようリングにはしっかりとボリュームを与えつつ、

角を落として柔らかなつけ心地に仕上げました。

 

シンプルで気持ちの良い質感に共感できるのは、お互いに海で遊んでいるからに違いない 笑。

時間と共に味わい深く変化するリングだと思います。

 

時々姿を消したり、大きな傷がついたり、ジュエリーにも波のようなものがあるように思えて不思議です。

そして、いつも身につけているジュエリーは、あるいは私たちと共鳴し繋がっていて、私たち自身の中にある波のようなものを表に現してくれているのかもしれません。

 

いろいろあったけれど、ずっとあとになってから、「そうか、あの時のアレは、そういうことだったのか!」とサインに感謝したりすることってありますよね。

世界に散りばめられる細やかな変化に注意深くあることができれば、暗がりの中でもきっとうまく歩んでいけるだろう、そんな声をわたし自身にかけています。

 

わたくし事にはなりますが、

オーダーメイドでの出会には本当に恵まれていて、

ジュエリーをお届けはするのですが、今回もまた受け取ることがいっぱいの指輪づくりだったように感じています。

 

明るくて、いつも一生懸命で、

わたしの自慢のお二人なのです。

 

おめでとう、ありがとう。

このシルバーリングがお二人の暮らしに優しく寄り添っていてくれますように。

 

ツワブキ満開の屋久島、いつものビーチにて。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

大切な記念のジュエリーはシダの葉をモチーフに、ご結婚25周年の結婚指輪を作っています #屋久島でつくる結婚指輪

目を覚ますと冬の気配がした。

窓の向こうには薄い月が浮かんでいたし、遠くから波の音も聞こえてきた。

 

それにしても12月も後半に差し掛かると、一日を大切に感が半端ない。

それが心地よくもあるのだけれど。

 

今年の満月はあと一回。

月を眺めて暮らしのリズムを図るのは島暮らしならではなのかもしれない。

 

大切な記念のジュエリーはシダの葉をモチーフに、ご結婚25周年の結婚指輪を作っています。

屋久島の冬に心躍る、ピンクゴールドとシャンパンゴールドの結婚指輪を作り始める。 #屋久島でつくる結婚指輪

 

「ハワイではシダの葉はパラパライと言って、レイなどを作り、神さまに捧げるもの」と教えていただいたのだけれど、なるほど。

たしかに屋久島に暮らしていると、植物はもちろん、海も山々も、水や風にまで息吹のようなものをすぐ近くに感じているような気がする。

自然と一つになれる優しいフィーリングだと思う。

 

さてさて、

アトリエではいよいよ本格的な作業が始まることに.

サイズやボリューム感、リングの土台を決定づける大切な段階であるので、ここは注意深く進めていかなくてはならない。

プラチナとシャンパンゴールドはくるりとリングにする前に炎に包んで柔らかくしておいた。

リング状になったゴールドはお二人のサイズに合わせてその両端を糸鋸でカットする。

0.1mm単位での調整なので表面にラインを引いたガイドラインをしっかりと守るように、かなり慎重になる。

ガリガリと指先から、そして手の中に響いてくる金属の感覚が心地よい。

なかなかに硬い、けれども思い切り曲げたり糸鋸で切削したりできる柔軟さが金属の素晴らしいところだと思う。

シャンパンゴールドの片側を切り終えると、もう片側を、そしてピンクゴールドのリンングに交代して片側を、という具合で交互にタッチを施していった。

 

切断面を綺麗に整えてぴたりと合わせることが技術的なのだけれど、こういうところを美しく仕上げるのは職人として純粋な挑戦であり喜びでもある。

ジュエリーをお届けするオーダーメイドではあるけれど、与えてもらっているものが本当にたくさんあると思う。

 

作業の合間には少し遠出をして島の東側にある小さな森をドライブした。

シダの葉がむっちゃ大きい!

 

一日の終わりには作業台の上に二つの端正なフォルムを眺めることができた。

シャンパンゴールドとピンクゴールドの色彩が際立ち始めてきた。その調和も美しい。

 

隣り合わせに並んでいる佇まいを眺めていると、2本のリングサイズはこんなにも違っていて!

なんだか心がほっこりとした。

 

25年か。出会うことって本当に素晴らしいと思う。

金属も植物にもそれぞれの時間があるけれど、今は私たちの時間をとても愛おしく、かけがえのないもにの感じている。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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