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光を紡ぐ シャンパンゴールドでつくる、シンプル細身の結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

光を紡ぐように。

シャンパンゴールドでお作りしました。シンプルで細身の結婚指輪。

 

ほのかな山茶花の香りとともに、屋久島に暮らすお二人にお届けします。

 

 

屋久島は自然の美しさはもちろん、人との出会いもまた大きな魅力だと思うのです。

屋久島ノースに暮らすお二人がアトリエまで来てくれたのは、赤いハイビスカスが咲き誇る真夏のことでした。

屋久島の雨とシャンパンゴールド、お二人とご一緒する結婚指輪作りが始まるとき #屋久島でつくる結婚指輪

 

指輪作りが始まり、やがて大好きな島の12月がやってきました。

同じ季節を分かち合いながら、作業机に向かう日々が楽しかった!

アトリエに響くリズム、12月の虹 #屋久島でつくる結婚指輪

 

繊細で、シンプルなスタイルの結婚指輪。

わたしも憧れるスタイルです。

 

その中に、どこかきらりと輝く個性のようなものがあると嬉しい。

お二人とは、とても近しい理想を分かち合えたように感じています。

 

まるで細い光の糸を紡ぐように、手作業で丁寧にお作りしました。

とてもシンプルではありますが、お二人だけの特別な指輪が完成したように思います。

 

太くなったり細くなったりしながら、緩やかな曲線を描くリングのシルエット。

その幅は1.0mm-1.6mmと、とても繊細なのです。

 

朝の木漏れ日の中で、柔らかな光がシャンパンゴールドに投げかけられています。

それを受けて穏やかに煌めくリングが、まるで光で紡がれた糸のように見えました。

 

その細いリングの内側には、お二人のお名前と大切な記念日を刻印しました。

肉眼でもしっかりと読み取れる、繊細な仕上がりです。

大切な記憶を、永遠に刻み込むことができるのが金属の素晴らしさだと、この彫刻を見て改めて感じました。

 

細いシルエットを安心してお楽しみいただけるよう、昔ながらの手作業で、しっかりと丈夫に仕上げました。

これからずっと長くご愛用いただけると、嬉しく思います。

 

 

島の北側からアトリエまで、指輪を受け取りに来てくれたお二人と過ごした昼下がり。

 

12月とは思えないほどの、ふわりとした暖かさの中で、指輪の交換をすることができました。

 

生垣には山茶花が満開です。ほんのりと甘い香りも漂ってきます。

そして、まるでその幸せなセレモニーに参加するように、メジロたちが集まってきました。

 

お互いの指に収まったシャンパンゴールドのリングは、お二人の雰囲気にとてもよく馴染んでいて、

「なんだか、ずっとつけていたようにも思えてしまいますね。」と、言い合って笑いました。

 

これまでずっと、お二人と一緒に作ってきた指輪ですから。

手の雰囲気もよくわかりましたし、お仕事のこともお話しできました。

そのような時間そのものが、お二人の暮らしに寄り添うリングを作り出してくれたのだと思うのです。

 

ゆっくりと時間がかかるオーダーメイドの作業ではあったけど、リングが育まれてゆく温度感のようなものに、わたし自身も癒されていた日々だったかもしれません。

 

「わたしも、歳を取っても、ずっと指輪をつけていようと思います。」

彼女がメールで言ってくれた言葉が、とても嬉しかった!!

 

お二人との出会いに感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、いつまで経っても、島に山茶花が咲く季節になると、この日のことを思い出すことができれば素敵ですね。

 

ご結婚おめでとうございます。

楽しい指輪作りをありがとうございました!!

 

屋久島でつくる結婚指輪

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Happy birthday!! Small Moon Pendant Send to Italy from Yakushima Island

Ocean Moon Necklace 18k yellow gold, island shell 

 

It was two years ago, when Tsuwabuki flowers were in bloom on Yakushima Island, that I sent a small flower ring to the two of them living in Italy.

This year, I find myself gazing at a small moon-shaped necklace, standing in front of the Tsuwabuki flowers that have just begun to bloom in the garden of my studio.

As I admire the shimmering, ever-changing colors of the yakōgai shell, swaying gently in the breeze, my thoughts drift across the ocean to the two of them.

 

This necklace is crafted from yakōgai shells, gathered from the seas of Yakushima Island, and 18k yellow gold. Both materials are carefully shaped into a crescent moon and assembled seamlessly. The yellow gold gently protects the delicate shell, keeping it from direct contact with the skin.

It is about 8.0mm. It is delicate and elegant jewelry. I think I was able to capture one of the most beautiful parts of the large yakōgai shell.

There is always a sense of joy when wearing jewelry made from natural materials.

 

Now, I will send it across the sea, just in time for her birthday next month.

It is an irreplaceable joy to be part of such a special celebration for the two of them.

Though it may sound like a simple expression, I truly believe that time is beautiful.

Thinking of the future they will walk together fills me with excitement and happiness.

Thank you so much, and happy birthday!

 

Japanese article

お誕生日おめでとう!!屋久島からイタリアのお二人に送る、小さな月のネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

in 2022

Yakushima Island to Tuscany, Italy. a story about custom-made of small flower ring. #oneofakindweddingring

 

 

お誕生日おめでとう!!屋久島からイタリアにお送りする、小さな月のネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

Ocean Moon Necklace 18k yellow gold, island shell 

 

イタリアに暮らすお二人に、小さなお花の指輪をお送りしたのは、屋久島のツワブキの花が咲く、ちょうど二年前のことだった。

そして今年は、アトリエの庭先に咲き始めたツワブキの前で、小さな月のネックレスを眺めている。

風にゆらめき、その色彩を絶え間なく変化させる夜光貝の色彩をうっとりと眺めがなら、すっと海向こうに暮らすお二人のことを想っていた。

 

ネックレスは、屋久島の海からいただいた夜光貝とk18イエローゴールドで作った。その二つの素材は月の形に削られ、ぴたりと組み合わさっている。

イエローゴールドが繊細な貝殻が直接肌に触れるのを守ってくれている。

 

大きさは約8.0mm とても繊細で上品なジュエリーである。

両掌に乗るくらい大きな夜光貝の、とても美しい部分を切り取ることができたように思う。

自然素材でできたジュエリーを纏うひとときは、いつも喜びに満ちている。

 

さあ。来月の彼女の誕生日に間に合うよう、これから海の向こうに送り出すことにしよう。

お二人の大切なお祝いに、こうしてご一緒できるのは、何事にも変え難い喜びであるように思う。

 

月並みな表現ではあるけれど、時間は本当に美しいと思う。

この先、お二人がともに歩む未来を思うと、ワクワクした気持ちに包まれる。

 

ありがとう、素敵なお誕生日を。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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English article

Happy birthday!! About small moon pendant send to Italy from Yakushima Island

 

in 2022

Yakushima Island to Tuscany, Italy. a story about custom-made of small flower ring. #oneofakindweddingring

 

 

緑の中で眺める光と影の印象 #ピンクゴールド #屋久島でつくる結婚指輪

これは写真を撮影するときの話になるのですが、心情的にとても安定していたり、明るい心持ちの時には、黒を深く、そして力強く描写できるような気がします。

ファインダー越しに、太陽の光が影を力強く際立たせるのを眺めながら、「わたし自身の表現もまた、それと同じようなものなのかもしれない」と妙に納得してしまうのです。

 

もちろん、気分が少し低めの時もあって、そんな時は自然と、ふわりと明るい絵作りになってしまうのですが。

どちらも、なかなか興味深い相互関係であるなと感じています。

 

ちなみに、わたしはいつも昼頃になると、「今日の晩御飯は何を作ろうかなあー」と、いそいそと冷蔵庫をチェックし始めるのですが、妻はどちらかというと、「ああ、そんなことも遠い未来の予定にあったかもね」という風に、いつもおおらかに構えていることが多いような気がします。

パートーナーシップもまた、同じなのかもしれませんね。

 

島に暮らしていると、すぐ近くにある自然の中に、そのような“連鎖”に出会うことが多くあるので、自ずとジュエリー作りにもその感覚が反映されているように思います。

リングの中には明るく世界を照らす光と、どこまでも深くまで潜り込むような影を表現していたい。

 

あと、結婚指輪の面白いところは、何といっても対になっているところ。(当たり前だけど)

大阪では「ニコイチ」という言葉をよく使うのだけど、結婚指輪もまた、補い合い、二つで一つになるように作ることができれば素敵だな、といつも思うのです。

 

そして、全然違っていたはずの二人が、いつの間にか似ているように思えてしまうのも、「ニコイチ」の不思議なのであるのだけど。

 

お二人のリングは、デザインにほんの少しずつ変化を与えながら、それらが繋がり、補い合うように造形を進めています。

同じピンクゴールドという素材だからこそ、細やかな違いや変化がより際立って見えるのかもしれません。

 

いよいよ造形作業がひと段落し、二本のリングを庭先で眺めていると、なぜだか不意にお二人のことを思い出しました。

考えてみると、それはそうなのかも。

お二人と一緒にデザインをし、ここに生まれるリングは、それぞれの心音だったり、お二人の関係を映し出しているのに違いありません。

 

12月の陽光が差し込む庭先で、シダの葉は海風にそよぎ、その影が静かに揺らめいている。

ピンクゴールドのリングが、まるでずっと以前からその情景の一部であったように、静かに輝いている。

それを眺めながら、アトリエでお会いした日のことを懐かしく思い出す。

 

お二人の結婚指輪は、磨き仕上げを施し、いよいよあと少しで完成となるところです。

 

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屋久島の12月、ピンクゴールドの共鳴 #屋久島でつくる結婚指輪

窓の向こうを眺めると、眩しいほどの青空が広がっていた。

庭先のモンステラは、12月の澄み切った陽光を受けてキラキラと輝いている。

山々の稜線には、モコモコと綿飴みたいな雲が風に乗って通り抜けていくのが見える。

窓を開け放ったアトリエには、涼やかな空気が流れ込んでくる。

山茶花の生垣に鳥たちが集まり鳴いている。

爽やかな1日の始まりだった。

 

渡り鳥も帰ってきたし、もう少しでポンカンの収穫も始まるだろう。

案外、屋久島サウスの12月は忙しい。

ピンクゴールドと鮮やかな色彩に包まれた結婚指輪作りの日々である。

山茶花にメジロ。ピンクゴールドに宿る色彩。シンプルさと調和のデザインについて。 #屋久島でつくる結婚指輪

 

観光シーズンが終わり、お気に入りのカフェやレストランは春まで長いお休みに入ったわけだけど、そのぶん島にはとても静かな雰囲気が漂っていて、しかも窓を開け放っていても大丈夫なくらいに暖かい。

「おーい、ちょっとウチでコーヒーでも飲みに来なよ」と声をかけてくれていた友人たちも旅行に出かけ始める今が、作業に没頭できる季節なのかもしれない。

里に滞在して、遠くに山々を眺めながら、ゆっくり本でも読んで過ごしたいな、というインドア派の皆さまには、11月後半から12月中頃までの旅行をぜひともお勧めしたい。

 

さてさて、今日のアトリエです。

そんなわけで、この頃は作業のタッチが驚くほど早い。

 

いかに手数を少なく目的地まで到達できるか。

それは、職人としてずっと追い求めていることのように思う。

 

ピンクゴールドのリングにざっとマジックでラインを描き、鉄鋼ヤスリ一本を片手に表面を削り落とす。

くるりと一周削り、角度を変えてまた一周。

角を落とすように、何度も同じ作業を繰り返す。

リング左側面から中央までが終わると、次は右側面から中央へ。

左右が対象になるように、ここは休まず一気に進めていきたいところだ。

 

作業の合間に緑を眺めて癒されておく。

 

リングの表面にくるりと一周、緩やかなカーブを描くように削り落とした。

それは、1と0とを分つ境界でもあり、宇宙を漂う星々の軌道でもある。

 

リングには小さな息吹が宿り始めている。

温度を宿した力強さが、暗がりにぽっと灯る明かりのように、リングから手の中へと静かに響いてくるように思えた。

 

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山茶花の咲くアトリエで。お二人と描く結婚指輪のかたち #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島のお住まいのお二人と結婚指輪の相談会。

アトリエでは山茶花が満開です。

彼が紙いっぱいに描いてきてくれた、理想のリングデザインに感動しました!

 

シンプルで特別な、お二人だけのデザインが生まれたように思います。

お二人との素敵な出会いに、ありがとうございます!!

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山茶花にメジロ。ピンクゴールドに宿る色彩。シンプルさと調和のデザインについて。 #屋久島でつくる結婚指輪

アトリエの庭先に、メジロたちが集まってきている。

一年ぶりに眺めるそのフォルムは、コロリとしてなんとも愛らしい。

ほんと、ため息が出るくらいに。

 

作業の合間、山茶花の生垣を素早く行き来する様子を窓際から眺めると、すぐにその気配に気がついて飛び去ってしまう。

しばらく作業に没頭し、「そろそろかな」という頃、またそっと窓の向こうを覗いてみる。

いつもの冬のリズムである。

 

 

お二人と屋久島のアトリエでお会いしたのは、6時を過ぎてもまだまだ明るさが残る、夏の新月の日でした。

お二人と紡ぐ静かなる日々。屋久島の小さなアトリエで、結婚指輪作りが始まりました #屋久島でつくる結婚指輪

 

あれから時が過ぎ、いよいよ結婚指輪作りが始まったのですが、気がつけば、日没がすっかり早くなっています。

山茶花にツワブキ、そして北西の風。

大好きな冬の屋久島を慈しみながら、お二人の結婚指輪を作っています。

ピンクゴールドで綴る光とリズム お二人の結婚指輪作りの始まり #屋久島でつくる結婚指輪 

 

島もずいぶんと寒くなってきたけれど、そういえば、熱いコーヒーがひときわ美味しく感じられるようになった気もする。

分厚いフリースを着込んで、えいっ!と思い切りよく散歩に出かけると、美しく澄み切った景色に出会えたりもする季節だ。

そんな何気ない日常で出会う、さまざまな事象が持つ側面のようなものを、リングにも表現することができれば素敵だろうなと、思いを巡らせながら。

 

さて、今日も作っている。

お二人が選んでくれたピンクゴールドを、リングの形へと少しずつ作り進めていく。

ピンクゴールドは、反発する力が大きい素材なので、バーナーの火を回しながら、ピタリと両端が組み合わさるようにテンションをかけていく。

しかも、より高温での作業が必要になるので、溶けてしまわないよう最大限の注意を払わなければならない。

ピンクゴールドは意外と扱いの難しい素材で、指輪作りはいきなりのクライマックスを迎えたところだ。

 

 

表面をざっと薄く削り落としたところで、ほっと一息。

作業を始めてからずっと黒い幕に覆われていたピンクゴールドに、ここで再び輝きが宿った。

シックであり、雅やかである。

ピンクゴールドが持つ、生の色彩だ。

 

それにしても、結婚指輪を作っていると、ついついこうやって重ね合わせたくなるんですよね。

彼のリングの上に彼女のリングを乗せると、ぴたりと合わさって、なんだかほっこりしたワンシーンでした。

 

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ピンクゴールドで綴る光とリズム お二人の結婚指輪作りの始まり #屋久島でつくる結婚指輪 

 

お二人の結婚指輪作りを始める前、いつものビーチでピンクゴールドを眺めていた。

その二本の細い金属は、夕暮れ時の光を受け柔らかな輝きを放ち、包まれる波の音に溶けていきそうだった。

冬の北風が運ぶ波が浜辺に打ち寄せて砕け、小さな砂粒一つ一つがオレンジ色に輝いている。水面に映る光はゆらめきながら、太陽へと続く一本のラインを描いていた。

 

「さあ、いよいよお二人の結婚指輪作りが始まるのだ。」

静かに胸を高鳴らせながら、わたしは思った。

 

翌朝になると、早い時間から作業机に向かい、炎に包み焼きなましたピンクゴールドを鉄のプレートの上に乗せ、金槌で叩き始めた。

コンコン、コン、とアトリエに響くのは、はるか昔からずっと変わらない、手作業の音だった。

その温もりのある音の一つ一つが、とても心地よく感じられた。

 

1本のピンクゴールドには、太い部分と細い部分が生まれるように、強さと回数に変化をつけながら、何度も同じタッチを繰り返していた。

こうして、小さなタッチが幾重にも積み重なり、一つだけの形が育くまれていく。その時間のすべてが、なんとも愛おしく感じられる。

 

浜辺で感じていた、キラキラと輝く光、そして水の一粒一粒。

世界を包み込んでいた大きなリズム。

光とリズムのイメージが、今この手の中にある。

 

夏の終わりのアトリエで、夕方暗くなるまでお二人と夢中になって語り合っていた日のことを、懐かしく思い出していた。

 

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ルチルクオーツの指輪作り。オーダーメイドの贈り物 #屋久島でつくる結婚指輪

いとこのパートナーである彼女に、ルチルクオーツの指輪をお作りするのは、夏の終わり頃からの約束だった。

デザインがすでに形になっていたので、始めようと思えば取り掛かることができたのだが、なんとなく作りそびれてしまっていた。

もっと踏み込んだアプローチができるだろうとか、新しいデザインに仕上げたいとか、表現的挑戦が先に立って、つい手が出にくくなっていたのだ。

 

わたしは、天然石というものが、もともと大好きである。

水晶とか、蛍石とか、ルビーとか、ダイヤモンドとか。インディアンジュエリーのターコイズとか、石の中にできる紫水晶の結晶とか。

石を眺めたり手に取ったりしているだけで、心が安らぎ、不思議とワクワクするのだ。

石そのものを、石だけで収集するのも好きだったし、それが高じてジュエリー作りを始めるようになったと言っても過言ではない。

 

そんなわけで、彼女からルチルクオーツのリングをリクエストいただいた時点で、作ってみたいジュエリーのイメージが広がり過ぎてしまって、「ああ、どのスタイルで仕上げていこうか!」と右往左往してしまったのだ。

 

それから、彼女と話をしていて、思い描くジュエリーの様式が私の好みとかなり近しいものだったのも、この制作を大切に温めておきたい気持ちを強くさせた。

 

お互いにお気に入りだったのは、インディアンジュエリーのように心に響く力強さがありつつも、上品な技巧を凝らして作られた、洗練されたジュエリーだった。

 

これはこれで結構凝った趣味だと思っていたけれど、こんなに近しいところに、同じイメージを共有できる人がいるとは思ってもいなかった。

 

 

 

今回のジュエリー作りは、まず、シルバーとゴールドを溶かし、材料となる地金を作るところから始めた。

シトリンを囲むゴールドと、リングとなるシルバーに十分足りる量を用意してから、一気に作り進めていくといった感じだった。

 

でも、ゴールドでシトリンを包み込む石枠を作っている時点で、もうかなり入り込み過ぎてしまっていて、結局、作業の途中に写真を何枚か撮影しただけで、あとはずっと作業に没頭し、机に向かいっぱなしだった。

 

シルバーリングの中央に、ゴールドの粒々の装飾をあしらった、クラシックなデザインである。

元来、この粒々はもっと小さくて繊細に表現をするものであるけれど、「もう少しコロリと可愛い感じにならないかな」と、長い間ずっと思っていた。

それが、いとことパートナーの彼女とのジュエリー作りで、初めて形になったわけである。

 

パッションにしてもインスピレーションにしても、オーダーメイドのジュエリー作りでは、想像を超える何かに出会うことができるという、贈り物のような時間である。

 

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屋久島-ニュージランド 結婚指輪のサンプルリングをお送りする日 #屋久島でつくる結婚指輪

ニュージーランドに結婚指輪のサンプルリングをお送りする。

もし、海や森が大好きなら、ニュージーランドは屋久島と同じように、一度は訪れてみたい場所だろう。

 

少しだけご紹介すると、お二人は今、ニュージーランドで暮らしており、海の向こうから結婚指輪づくりのお声がけをいただいた。

ジュエリーやその周辺の暮らしについては、いつもインスタグラムで見てくれていたと言ってくれて、とても嬉しかった。

 

わたしが、ツワブキの花が咲きましたよ!と投稿すると、その感動を一緒に分かち合うことができる。

これは今の世界が持つ、とても素晴らしい側面のひとつであるように思う。

 

お送りするサンプルリングは、リクエストいただいたデザインを、お二人のサイズに合わせて作ったものである。

今回の指輪づくりでは、屋久島の暮らしでも馴染み深く、ニュージーランドでは象徴として愛されているシダの葉模様がテーマとなっているのだけど、そのシダの葉の彫刻模様をお試しいただけるよう、2本のリングを追加して揃えた。

 

サイズはご指定いただいているものの、せっかくの機会なので、もう一度しっかりとサイズを確かめていただけるよう、サイズゲージも同封し、いよいよニュージランドに発送をすることになる。

 

さて、お二人とご一緒する結婚指輪作りは、およそ9000キロの距離を繋ぐように始まったのだけど、このようにして荷物をお送りしたり、メールでメッセージや動画を送り合いながら、少しずつ歩みを進めていくことになる。

 

出来上がったリングは大切に梱包をし、国際郵便でお届けすることになるかもしれないし、

もしかすると、日本にお帰りのタイミングに合わせて、どこかでお会いして直接お渡しできるかもしれない。

 

地図で眺めると、とても遠い場所のように感じられるけれど、ここには、お互いの心音というか、大切な想いのようなものが、すぐ隣り合わせになっている。

 

お二人と一緒に育んでいるデザインは、イメージとして確かにここにあるが、形になっているものは、まだ何もない。

これからプラチナやゴールドを使い、コンコンと手作業で、わたしが実際に作り上げていくことになる。

 

庭先には黄色い花がポコポコと咲き始めている。

シダの葉の緑は力強く、屋久島サウスの暖かな風にふわふわと揺られている。

これから訪れる冬の深まりと共に、お二人の結婚指輪を作り進めていくことになる。

 

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アトリエに響くリズム、12月の虹 #屋久島でつくる結婚指輪

シャンパンゴールドを炎に包み、柔らかくしてから、また叩く。

昔ながらのリズムがアトリエに響いている。

金属が持つ時間はとても長く、その中に身を置いていると、今こうしてジュエリーを作っていることが奇跡のように感じられる。

 

今日も、できることを。

 

 

完成が近づいてワクワクしつつ、なんだか少し名残惜しくもある。

以前のしずくギャラリーに来てくれていた彼女とは、もう長いお付き合いになりました。

柔らかで繊細なシルエット、シャンパンゴールド結婚指輪 制作記 #屋久島でつくる結婚指輪

 

もちろん、最高の技術を目指しているけれど、それだけではなくて、“温度感のあるジュエリー作り”というものがあるように思う。

そこに宿るものは、大切な想いや、お二人が出会い共に過ごす時間、あるいは、私との出会いもそうなのかもしれない。

形を持たない大切な何かをキャッチボールをするように、お二人の結婚指輪を作っている。

 

山茶花は咲き始めると、その勢いがすごい。

ゆっくりとした歩みだけど、弛まず力強く。

そのような日々の姿にインスパイアされながら。

 

炎に包み、金属の緊張を解くように柔らかくした後、リングに緩やかなカーブを与えた。

木槌でコンコンと叩きながら、圧力を加え、少しずつ造形を変化させていく。

その過程で、シャンパンゴールドは組成をキュッと引き締めるように硬くなる。

これからずっと長くお使いいただくリングだ。最後の工程までじっくりと丁寧に進めていく。

カーブを生み出すように叩き、次には別のアプローチで叩き、中心の円を整える。

理想のフォルムに達するまで、シンプルなタッチを慎重に繰り返した。

 

大まかな造形が取れたところで、紙やすりを手にし、研磨作業に取り掛かった。いよいよ最後の磨き仕上げである。

240番から始め、400番、そして600番と紙やすりの目を細かくしながら、リングの表面と内側を丁寧に磨き上げていく。

タッチを重ねるたびに、雅やかな輝きを強くするシャンパンゴールドに、思わず魅入ってしまう。

表面は有機的でマットな表情に、内側はさらに磨きをかけ、付け心地の良いつるりとした質感に整えた。

このあと、いよいよ刻印を施すのみとなる。

 

気がつくと、作業机の上にはヤスリや金属片がたくさん散らばっていて、それを少し愛おしく思いながら、ざっと片付けて、リングをそっと重ね合わせてみる。

ぴたりと寄り添ったお揃いのリングを眺めながら、ここまでお二人とご一緒した数ヶ月のことを、何気なく思い返していた。

あと少しで、お二人に手渡す日がやってくる。

 

窓の向こうを眺めると、この季節特有の濃い虹がかかっている。

今日から12月である。

 

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柔らかで繊細なシルエット、シャンパンゴールド結婚指輪 制作記 #屋久島でつくる結婚指輪

お二人の結婚指輪がカタチなりつつある。小さな息吹が大切に育まれるように、少しずつ。

削り出しの作業を終え、二本のシャンパンゴールドのリングには、柔らかで繊細なフォルムが与えられた。

 

夕暮れ時の屋久島サウス。

庭先までリングを手に駆け降り、オレンジ色に染まる光の中、そのシルエットを眺めていた。

 

ラウンドシェイプのデザインは、ひかりの巡りがとてもスムーズである。

まだ荒削りではあるけれど、その表面には品の良い輝きが宿るのを感じることができた。

 

それにしても、“ひかりを結ぶ”というのは、なんとも素敵なイメージであるなあ。

これは、お二人と指輪作りをご一緒する中でキャッチできた表現なのだけど、繊細でシンプルなお二人のリングにぴったりだと感じている。

ともに歩みを進めるオーダーメイドの時間は、宝探しみたいで楽しい。

 

さて、

二本のリングには、これから更なるタッチを重ねていくことになる。

動きや巡り、といった表情を与える大切な工程となるので、感覚を研ぎ澄ませて臨まなくてはならない。

作業の合間には、日に日に開花を続ける山茶花を眺めたりもしたい。

 

指輪作りの工程も、およそ折り返し地点を過ぎた、といったところである。

 

 

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制作編

ひかりを結ぶ。屋久島で生まれる結婚指輪のカタチ #屋久島でつくる結婚指輪