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光と影のリズム。屋久島の緑とともに紡ぐ結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

緑と響き合うプラチナリングの印象。

北風が冷たく吹き抜ける、よく晴れた日だった。

散歩道で空を見上げると、木々の隙間から柔らかな光がこぼれ落ちてくる。

その光を受けて、プラチナリングに影が宿る。

まるで墨で描いたように、深く静かな影だった。

 

時のリズム。プラチナの温度感。同時に存在する光と影。

 

彼のリングは2.5mm幅で、彼女のリングは2.0mmで作りました。

これからリングの内側に彫刻するのは、島の緑にまつわる模様です。

そして、最後の磨き仕上げを施して、いよいよ完成となるのですが、この続きはまた別のお話で。

お二人の素敵な結婚指輪のお話は、もう少し先のお楽しみに。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

屋久島サウスの12月、プラチナ輝きに魅せられながら #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島サウスの12月、プラチナ輝きに魅せられながら #屋久島でつくる結婚指輪

作業の合間にいつものビーチまで出かけ、少しだけ浜辺を歩いて、帰り道に郵便局に寄り、年末の諸々の手続きを終えた。

「さあ、アトリエに帰ろう」というところで、車窓から海のキラキラに目をとめて、見晴らしの良い場所で車を止めた。

冬の光を眺めるのが大好きだ。

 

朝の木漏れ日のような、水面の煌めきのような。

プラチナの輝きに魅せられながら。

12月の色彩と、温かなプラチナの手触り #屋久島でつくる結婚指輪

 

タッチを重ねるたび、プラチナリングに小さな息吹のようなものが宿ってゆく。

その時間に対峙することができるのは、作り手ならではの喜びであるように思う。

 

彼女のリングとリズムを合わせるようにして、彼のリングを同じフォルムで仕上げていく。

リング幅と厚みは、彼のサイズに合わせて大きく作ることにした。

つけた時のフィーリングだったり、お二人が並んだ時の雰囲気を、より親密なものに仕上げたかったからだ。

 

造形がひと段落した二本のリングを作業台に並べ、次の工程に移ることにする。

 

リングの表面には2箇所に三日月型の切り込み模様が入っていて、それらが生み出すラインがリングを一周、なめらかな波のように巡っている。

リング全体は光沢仕上げに、三日月の切り込み模様部分はマットに仕上げる予定である。

どちらも異なる表情だけど、どちらも同じ場所にある。

 

「じゃあ、その光と影のような印象に、時間を感じられる“動き”を与えるにはどうしようか」

そう考え、リング全体に大きな揺らぎを与えることを思いついた。

 

 

プラチナリングを鉄の台に置いて、コンコンと叩いて曲げてゆく。

大きなカーブから始め、小さなカーブへと、少しずつ段階を追いながら、同じタッチを繰り返す。

思いの外、シンプルな作業なのである。

 

アトリエに広がる空気はひんやりとして心地よい。

窓の向こうには大きな虹がかかっている。

生垣の山茶花にメジロたちが集まり、チィチィチィと楽しげに囀っている。

わたしは、プラチナリングのサイズを測り、円形を整え、また少し叩いてカーブを与える。

屋久島サウスの12月は、このようにのんびりと過ぎてゆくのであった。

 

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12月の色彩と、温かなプラチナの手触り #屋久島でつくる結婚指輪

 

リング状になったプラチナリングを作業台の上に置き、鉄鋼ヤスリを左手に持ち、その表面を大きく削り始める。

二つの三日月型の切り込み模様を施す。

削り取られた部分には、艶かしい質感が露わになる。

プラチナ特有の輝きである。

 

 

12月の鮮やかな色彩に包まれて、お二人の結婚指輪を作っている。今年もあと少し!

屋久島の冬と歩む、お二人の結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

どうしてこんなにもプラチナに惹かれるのか、わからない。

数百年も前から注目を浴び、今では世界中で愛されている。

 

プラチナには、しなやかな強さがある。

程よい柔らかさを保ちながら、長い年月を寄り添ってくれる。

作業机に向かっていると、手触りがとても心地よい。

クールな印象があるかもしれないけれど、なかなかフレンドリーな金属なのである。

 

その冷たい金属に、温もりを与えるように。ゆっくりと造形を進めていく。

 

憧れているのは、島の暮らしで出会う、植物や水、光が織りなす静かな鼓動である。

 

久しぶりの朝露。

とても寒い朝だった。

 

作業の合間に山茶花を眺めておく。

今年の咲き方は特に見事で、こんなに明媚な年は、なかなか無いように思うのだけど。

 

彼女のプラチナリングのフォルムは、完成まで約75%のところまで育まれた。

それは、島の自然やお二人の時間に育まれたものだ。

そして、わたしはまるで生まれたばかりのウォンバットを抱えて見守る人のように、その小さなリングを温かな気持ちで眺めている。

 

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屋久島の冬と歩む、お二人の結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

島にもいよいよ冬がやってきたことだし、庭先に咲くツワブキを眺めながら、お二人の結婚指輪作りを始めることにする。

とても爽やかな心地だ。

キリリと冷たく澄み切った空気に包まれ、身も心も新しくなったような気分である。

 

12月半ば、快晴の日。

作業机にプラチナを用意して、最初の一歩を踏み出す。

お二人と一緒にデザインしたのは、素材もデザインも、ぴたりとお揃いのリングだ。

サイズとボリュームは、それぞれに合わせて丁寧に作り進めていく。

 

彼女とは9月にアトリエでお会いしたし、彼は青山での裕子さん個展に来てくれたので、指輪作りのイメージはとてもつかみやすい。

リング幅は2.0mmと2.5mm

くるりと巻いたプラチナの両端を、酸素トーチの炎の中でつなぎ合わせる。

木槌で叩き、鉄鋼ヤスリで削り出していく。

それ以外に、特別な道具や秘技みたいなものは出てこない。

 

モチーフになっているのは、屋久島の暮らしの中で出会う光やリズム。

形のないものを、曲線として、小さなリングに表現していくのだ。

 

とてもシンプルな作業である。

 

どうして周りをシンプルに整えるのかというと、心と手、そして指輪の距離を近くするためなのかもしれない。

 

「家族が屋久島で仕事をするようになったこともあり、何度か島を訪れています」と彼女は言う。

 

屋久島がご縁で始まった指輪作りは、まるで奇跡の出会いであるように思ってしまうけれど、そこには確かな繋がりのようなものも感じることができる。

 

1日の作業を終える頃、屋久島サウスも一段と冷え込んでくる。

分厚いフリースを着込んで、思い切って庭先に出て空を眺めてみる。

どうやら満月が近いらしく、月明かりが雲を強く照らしている。

明るい夜だ。

山々の稜線にかかる雲の切れ目からは、チラチラと小さな星たちが輝いて見える。

 

山茶花も日に日に美しくなるし、天気雨が降って虹も出そうだし。なんだかまた忙しくなりそうだ。

島の冬と共に歩む、明日の指輪作りを思い浮かべる。

そして、嬉しくなる。

 

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1.0mm-1.6mm round Wave Ring in 18k champagne gold #屋久島でつくる結婚指輪

 

material: 18k champagne gold
size:1.0mm-1.6mm

Delivery time is within 3 months.
Make by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

光を紡ぐ シャンパンゴールドでつくる、シンプル細身の結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島でつくる結婚指輪

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光を紡ぐ シャンパンゴールドでつくる、シンプル細身の結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

光を紡ぐように。

シャンパンゴールドでお作りしました。シンプルで細身の結婚指輪。

 

ほのかな山茶花の香りとともに、屋久島に暮らすお二人にお届けします。

 

 

屋久島は自然の美しさはもちろん、人との出会いもまた大きな魅力だと思うのです。

屋久島ノースに暮らすお二人がアトリエまで来てくれたのは、赤いハイビスカスが咲き誇る真夏のことでした。

屋久島の雨とシャンパンゴールド、お二人とご一緒する結婚指輪作りが始まるとき #屋久島でつくる結婚指輪

 

指輪作りが始まり、やがて大好きな島の12月がやってきました。

同じ季節を分かち合いながら、作業机に向かう日々が楽しかった!

アトリエに響くリズム、12月の虹 #屋久島でつくる結婚指輪

 

繊細で、シンプルなスタイルの結婚指輪。

わたしも憧れるスタイルです。

 

その中に、どこかきらりと輝く個性のようなものがあると嬉しい。

お二人とは、とても近しい理想を分かち合えたように感じています。

 

まるで細い光の糸を紡ぐように、手作業で丁寧にお作りしました。

とてもシンプルではありますが、お二人だけの特別な指輪が完成したように思います。

 

太くなったり細くなったりしながら、緩やかな曲線を描くリングのシルエット。

その幅は1.0mm-1.6mmと、とても繊細なのです。

 

朝の木漏れ日の中で、柔らかな光がシャンパンゴールドに投げかけられています。

それを受けて穏やかに煌めくリングが、まるで光で紡がれた糸のように見えました。

 

その細いリングの内側には、お二人のお名前と大切な記念日を刻印しました。

肉眼でもしっかりと読み取れる、繊細な仕上がりです。

大切な記憶を、永遠に刻み込むことができるのが金属の素晴らしさだと、この彫刻を見て改めて感じました。

 

細いシルエットを安心してお楽しみいただけるよう、昔ながらの手作業で、しっかりと丈夫に仕上げました。

これからずっと長くご愛用いただけると、嬉しく思います。

 

 

島の北側からアトリエまで、指輪を受け取りに来てくれたお二人と過ごした昼下がり。

 

12月とは思えないほどの、ふわりとした暖かさの中で、指輪の交換をすることができました。

 

生垣には山茶花が満開です。ほんのりと甘い香りも漂ってきます。

そして、まるでその幸せなセレモニーに参加するように、メジロたちが集まってきました。

 

お互いの指に収まったシャンパンゴールドのリングは、お二人の雰囲気にとてもよく馴染んでいて、

「なんだか、ずっとつけていたようにも思えてしまいますね。」と、言い合って笑いました。

 

これまでずっと、お二人と一緒に作ってきた指輪ですから。

手の雰囲気もよくわかりましたし、お仕事のこともお話しできました。

そのような時間そのものが、お二人の暮らしに寄り添うリングを作り出してくれたのだと思うのです。

 

ゆっくりと時間がかかるオーダーメイドの作業ではあったけど、リングが育まれてゆく温度感のようなものに、わたし自身も癒されていた日々だったかもしれません。

 

「わたしも、歳を取っても、ずっと指輪をつけていようと思います。」

彼女がメールで言ってくれた言葉が、とても嬉しかった!!

 

お二人との出会いに感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、いつまで経っても、島に山茶花が咲く季節になると、この日のことを思い出すことができれば素敵ですね。

 

ご結婚おめでとうございます。

楽しい指輪作りをありがとうございました!!

 

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Happy birthday!! Small Moon Pendant Send to Italy from Yakushima Island

Ocean Moon Necklace 18k yellow gold, island shell 

 

It was two years ago, when Tsuwabuki flowers were in bloom on Yakushima Island, that I sent a small flower ring to the two of them living in Italy.

This year, I find myself gazing at a small moon-shaped necklace, standing in front of the Tsuwabuki flowers that have just begun to bloom in the garden of my studio.

As I admire the shimmering, ever-changing colors of the yakōgai shell, swaying gently in the breeze, my thoughts drift across the ocean to the two of them.

 

This necklace is crafted from yakōgai shells, gathered from the seas of Yakushima Island, and 18k yellow gold. Both materials are carefully shaped into a crescent moon and assembled seamlessly. The yellow gold gently protects the delicate shell, keeping it from direct contact with the skin.

It is about 8.0mm. It is delicate and elegant jewelry. I think I was able to capture one of the most beautiful parts of the large yakōgai shell.

There is always a sense of joy when wearing jewelry made from natural materials.

 

Now, I will send it across the sea, just in time for her birthday next month.

It is an irreplaceable joy to be part of such a special celebration for the two of them.

Though it may sound like a simple expression, I truly believe that time is beautiful.

Thinking of the future they will walk together fills me with excitement and happiness.

Thank you so much, and happy birthday!

 

Japanese article

お誕生日おめでとう!!屋久島からイタリアのお二人に送る、小さな月のネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

in 2022

Yakushima Island to Tuscany, Italy. a story about custom-made of small flower ring. #oneofakindweddingring

 

 

お誕生日おめでとう!!屋久島からイタリアにお送りする、小さな月のネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

Ocean Moon Necklace 18k yellow gold, island shell 

 

イタリアに暮らすお二人に、小さなお花の指輪をお送りしたのは、屋久島のツワブキの花が咲く、ちょうど二年前のことだった。

そして今年は、アトリエの庭先に咲き始めたツワブキの前で、小さな月のネックレスを眺めている。

風にゆらめき、その色彩を絶え間なく変化させる夜光貝の色彩をうっとりと眺めがなら、すっと海向こうに暮らすお二人のことを想っていた。

 

ネックレスは、屋久島の海からいただいた夜光貝とk18イエローゴールドで作った。その二つの素材は月の形に削られ、ぴたりと組み合わさっている。

イエローゴールドが繊細な貝殻が直接肌に触れるのを守ってくれている。

 

大きさは約8.0mm とても繊細で上品なジュエリーである。

両掌に乗るくらい大きな夜光貝の、とても美しい部分を切り取ることができたように思う。

自然素材でできたジュエリーを纏うひとときは、いつも喜びに満ちている。

 

さあ。来月の彼女の誕生日に間に合うよう、これから海の向こうに送り出すことにしよう。

お二人の大切なお祝いに、こうしてご一緒できるのは、何事にも変え難い喜びであるように思う。

 

月並みな表現ではあるけれど、時間は本当に美しいと思う。

この先、お二人がともに歩む未来を思うと、ワクワクした気持ちに包まれる。

 

ありがとう、素敵なお誕生日を。

 

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English article

Happy birthday!! About small moon pendant send to Italy from Yakushima Island

 

in 2022

Yakushima Island to Tuscany, Italy. a story about custom-made of small flower ring. #oneofakindweddingring

 

 

緑の中で眺める光と影の印象 #ピンクゴールド #屋久島でつくる結婚指輪

これは写真を撮影するときの話になるのですが、心情的にとても安定していたり、明るい心持ちの時には、黒を深く、そして力強く描写できるような気がします。

ファインダー越しに、太陽の光が影を力強く際立たせるのを眺めながら、「わたし自身の表現もまた、それと同じようなものなのかもしれない」と妙に納得してしまうのです。

 

もちろん、気分が少し低めの時もあって、そんな時は自然と、ふわりと明るい絵作りになってしまうのですが。

どちらも、なかなか興味深い相互関係であるなと感じています。

 

ちなみに、わたしはいつも昼頃になると、「今日の晩御飯は何を作ろうかなあー」と、いそいそと冷蔵庫をチェックし始めるのですが、妻はどちらかというと、「ああ、そんなことも遠い未来の予定にあったかもね」という風に、いつもおおらかに構えていることが多いような気がします。

パートーナーシップもまた、同じなのかもしれませんね。

 

島に暮らしていると、すぐ近くにある自然の中に、そのような“連鎖”に出会うことが多くあるので、自ずとジュエリー作りにもその感覚が反映されているように思います。

リングの中には明るく世界を照らす光と、どこまでも深くまで潜り込むような影を表現していたい。

 

あと、結婚指輪の面白いところは、何といっても対になっているところ。(当たり前だけど)

大阪では「ニコイチ」という言葉をよく使うのだけど、結婚指輪もまた、補い合い、二つで一つになるように作ることができれば素敵だな、といつも思うのです。

 

そして、全然違っていたはずの二人が、いつの間にか似ているように思えてしまうのも、「ニコイチ」の不思議なのであるのだけど。

 

お二人のリングは、デザインにほんの少しずつ変化を与えながら、それらが繋がり、補い合うように造形を進めています。

同じピンクゴールドという素材だからこそ、細やかな違いや変化がより際立って見えるのかもしれません。

 

いよいよ造形作業がひと段落し、二本のリングを庭先で眺めていると、なぜだか不意にお二人のことを思い出しました。

考えてみると、それはそうなのかも。

お二人と一緒にデザインをし、ここに生まれるリングは、それぞれの心音だったり、お二人の関係を映し出しているのに違いありません。

 

12月の陽光が差し込む庭先で、シダの葉は海風にそよぎ、その影が静かに揺らめいている。

ピンクゴールドのリングが、まるでずっと以前からその情景の一部であったように、静かに輝いている。

それを眺めながら、アトリエでお会いした日のことを懐かしく思い出す。

 

お二人の結婚指輪は、磨き仕上げを施し、いよいよあと少しで完成となるところです。

 

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制作編

屋久島の12月、ピンクゴールドの共鳴 #屋久島でつくる結婚指輪

 

屋久島の12月、ピンクゴールドの共鳴 #屋久島でつくる結婚指輪

窓の向こうを眺めると、眩しいほどの青空が広がっていた。

庭先のモンステラは、12月の澄み切った陽光を受けてキラキラと輝いている。

山々の稜線には、モコモコと綿飴みたいな雲が風に乗って通り抜けていくのが見える。

窓を開け放ったアトリエには、涼やかな空気が流れ込んでくる。

山茶花の生垣に鳥たちが集まり鳴いている。

爽やかな1日の始まりだった。

 

渡り鳥も帰ってきたし、もう少しでポンカンの収穫も始まるだろう。

案外、屋久島サウスの12月は忙しい。

ピンクゴールドと鮮やかな色彩に包まれた結婚指輪作りの日々である。

山茶花にメジロ。ピンクゴールドに宿る色彩。シンプルさと調和のデザインについて。 #屋久島でつくる結婚指輪

 

観光シーズンが終わり、お気に入りのカフェやレストランは春まで長いお休みに入ったわけだけど、そのぶん島にはとても静かな雰囲気が漂っていて、しかも窓を開け放っていても大丈夫なくらいに暖かい。

「おーい、ちょっとウチでコーヒーでも飲みに来なよ」と声をかけてくれていた友人たちも旅行に出かけ始める今が、作業に没頭できる季節なのかもしれない。

里に滞在して、遠くに山々を眺めながら、ゆっくり本でも読んで過ごしたいな、というインドア派の皆さまには、11月後半から12月中頃までの旅行をぜひともお勧めしたい。

 

さてさて、今日のアトリエです。

そんなわけで、この頃は作業のタッチが驚くほど早い。

 

いかに手数を少なく目的地まで到達できるか。

それは、職人としてずっと追い求めていることのように思う。

 

ピンクゴールドのリングにざっとマジックでラインを描き、鉄鋼ヤスリ一本を片手に表面を削り落とす。

くるりと一周削り、角度を変えてまた一周。

角を落とすように、何度も同じ作業を繰り返す。

リング左側面から中央までが終わると、次は右側面から中央へ。

左右が対象になるように、ここは休まず一気に進めていきたいところだ。

 

作業の合間に緑を眺めて癒されておく。

 

リングの表面にくるりと一周、緩やかなカーブを描くように削り落とした。

それは、1と0とを分つ境界でもあり、宇宙を漂う星々の軌道でもある。

 

リングには小さな息吹が宿り始めている。

温度を宿した力強さが、暗がりにぽっと灯る明かりのように、リングから手の中へと静かに響いてくるように思えた。

 

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山茶花の咲くアトリエで。お二人と描く結婚指輪のかたち #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島のお住まいのお二人と結婚指輪の相談会。

アトリエでは山茶花が満開です。

彼が紙いっぱいに描いてきてくれた、理想のリングデザインに感動しました!

 

シンプルで特別な、お二人だけのデザインが生まれたように思います。

お二人との素敵な出会いに、ありがとうございます!!

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山茶花にメジロ。ピンクゴールドに宿る色彩。シンプルさと調和のデザインについて。 #屋久島でつくる結婚指輪

アトリエの庭先に、メジロたちが集まってきている。

一年ぶりに眺めるそのフォルムは、コロリとしてなんとも愛らしい。

ほんと、ため息が出るくらいに。

 

作業の合間、山茶花の生垣を素早く行き来する様子を窓際から眺めると、すぐにその気配に気がついて飛び去ってしまう。

しばらく作業に没頭し、「そろそろかな」という頃、またそっと窓の向こうを覗いてみる。

いつもの冬のリズムである。

 

 

お二人と屋久島のアトリエでお会いしたのは、6時を過ぎてもまだまだ明るさが残る、夏の新月の日でした。

お二人と紡ぐ静かなる日々。屋久島の小さなアトリエで、結婚指輪作りが始まりました #屋久島でつくる結婚指輪

 

あれから時が過ぎ、いよいよ結婚指輪作りが始まったのですが、気がつけば、日没がすっかり早くなっています。

山茶花にツワブキ、そして北西の風。

大好きな冬の屋久島を慈しみながら、お二人の結婚指輪を作っています。

ピンクゴールドで綴る光とリズム お二人の結婚指輪作りの始まり #屋久島でつくる結婚指輪 

 

島もずいぶんと寒くなってきたけれど、そういえば、熱いコーヒーがひときわ美味しく感じられるようになった気もする。

分厚いフリースを着込んで、えいっ!と思い切りよく散歩に出かけると、美しく澄み切った景色に出会えたりもする季節だ。

そんな何気ない日常で出会う、さまざまな事象が持つ側面のようなものを、リングにも表現することができれば素敵だろうなと、思いを巡らせながら。

 

さて、今日も作っている。

お二人が選んでくれたピンクゴールドを、リングの形へと少しずつ作り進めていく。

ピンクゴールドは、反発する力が大きい素材なので、バーナーの火を回しながら、ピタリと両端が組み合わさるようにテンションをかけていく。

しかも、より高温での作業が必要になるので、溶けてしまわないよう最大限の注意を払わなければならない。

ピンクゴールドは意外と扱いの難しい素材で、指輪作りはいきなりのクライマックスを迎えたところだ。

 

 

表面をざっと薄く削り落としたところで、ほっと一息。

作業を始めてからずっと黒い幕に覆われていたピンクゴールドに、ここで再び輝きが宿った。

シックであり、雅やかである。

ピンクゴールドが持つ、生の色彩だ。

 

それにしても、結婚指輪を作っていると、ついついこうやって重ね合わせたくなるんですよね。

彼のリングの上に彼女のリングを乗せると、ぴたりと合わさって、なんだかほっこりしたワンシーンでした。

 

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