秋の芳醇な色合いが島を包んでいる。
日暮れの時刻は、もう随分と早い。
昼から夜へと移り変わる頃、空に広がるグラデーションを眺めるのは、島に暮らして心待ちにしている時間かもしれない。
島の北部に暮らす彼もまた、同じ空を眺めているのだろうか。
これから結婚指輪をお作りするお二人に想いを馳せながら、海辺を歩いていた。
波打ち際でプラチナをそっと手に取ってみると、夕暮れ時の光と響き合う。
その瞬間、波音の中に溶けていくような気がした。
お二人の結婚指輪は光の煌めきだったり、海のリズムだったり、屋久島のかけらのような時間がモチーフになっている。
お二人と同じ喜びを分かち合うことができるのは、何よりも嬉しい。
それは、この島が与えてくれる祝福そのものなのかもしれない。
屋久島が紡いでくれた、素敵な繋がりにありがとう。
2本のプラチナは木槌で叩き、丸くリング状に整えていく。
コンコンコン、と昔ながらのリズムがアトリエに響く。
酸素トーチの炎に包み、プラチナを柔らかくして、また叩く。
時間のかかる手作業ではあるけれど、じっくりと進めていこう。
まだ暑い夏のアトリエで、お二人と一緒にイメージしたリングの姿が、今、少しずつ形になりつつある。
静かな幸せが胸に広がるのを感じながら、繰り返し手を動かしていた。
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