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時の小さな贈りもの。屋久島の森に咲く白い花をモチーフに、プラチナリングを作りました #屋久島でつくる結婚指輪

時のちいさな贈りもの。

屋久島の森に咲く白い花をモチーフに、プラチナリングをお作りいたしました。

朝の光の中で眺めると、まるで緑の中を歩いているような、やさしくて清々しい気持ちに包まれました。

春の屋久島。森の登山道。ほのかに漂う甘い香り。

懸命に歩くわたしたちを包み込み、そっと励ますように咲くハイノキの花が大好きです。

 

お花の大きさは、約1cmほど。

実物と同じサイズを目指してお仕立ていたしました。

 

白くて可憐なハイノキの姿を思い浮かべると、ダイヤモンドの透明な輝きが心に浮かびます。

 

今回は、大切なプレゼントということもあり、

より品質の高い一粒を選び、

繊細な花弁がそっと包み込むようにセットいたしました。

 

細いプラチナリングと組み合わせてありますので、

指先に纏うと、小さな花をそっと乗せたよう。

 

出会えると嬉しくなる。心が躍る。

その儚い佇まいは、時間の美しさそのもののように思います。

 

その喜びに包まれた時間を分かち合えるひとが側にいると、素敵だなと思います。

 

大切なプレゼントにお選びいただき、ありがとうございました。

 

プラチナとダイヤモンドの花なら、永遠の癒しになるのかもしれませんね。

日々にやさしく寄り添う指輪になれば、何よりも嬉しく思います。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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hp@kei-jewellery.com
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制作編

花のある暮らし。屋久島で紡ぐプラチナリング #屋久島でつくる結婚指輪

イエローゴールドとプラチナが描くやわらかなつながり #屋久島でつくる結婚指輪

造形のひと段落した2本のリングを、太陽の光の下で眺めるひととき。

澄み渡る空気に包まれた、清々しい朝でした。

 

庭先には山茶花が、ぽこぽこと花をつけ始めています。

緑の中に灯る、赤い小さなドット。

そしてプラチナとイエローゴールド。

 

島に漂い始めた冬の気配がリングと出会い、素敵な色彩を作り出していました。

 

ガラスの器の中でそっと重ね合わせてみると、そこにやわらかなつながりが生まれ、イエローゴールドとプラチナがひとつのグラデーションを描き出しているように見えました。

まだお会いしたことはないけれど、海の向こうに暮らすおふたりの姿と重なり合ったような気がして、なんだか幸せな気持ちに包まれました。

 

考えてみると、ゴールドもプラチナも、広い大地から生まれたもので、

その美しさを思うと、この世界の奇跡を感じずにはいられません。

 

そして、わたしたちもまた、同じ自然の中に生まれ、存在しているのだと思うと、とても勇気づけられるのです。

時間をかけ、そのままを丁寧に磨いていくことができればいいな、と。

 

そんな思いが浮かぶのは、金属が宿す、わたしたちよりもずっと長い時間の感覚に触れたからなのかもしれません。

 

永遠の中におふたりが出会い、わたしが今、屋久島で指輪を作っていること。

それ自体に、冬の澄み渡る空のような、無垢な美しさを感じるのでした。

 

 

さて、長く続いた指輪作りも、いよいよ最後の工程を残すばかりとなりました。

おふたりにとっても、大切な日が近づいてきています。

 

晴れやかな気持ちとともに、どこか名残惜しさも感じられますが 。

リングには、これから彫刻模様を施し、磨き仕上げへと進めてまいります。

 

この続きは、また別のお話で。

自然と近しく生きるおふたりのシンボルのようなデザインを、どうぞお楽しみにしていてください。

 

 

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制作編

手の中で育むもの。#屋久島でつくる結婚指輪

Linked Fern Leaves, when the two rings come to life on Yakushima

A day filled with refreshing sunlight, as if the island itself were smiling gently.

They visited my studio in Yakushima all the way from Nara and Kyoto.

The sasanqua flowers had just begun to bloom in the garden, their small red petals glowing softly against the green.

 

I happened to decorate the table with fern leaves, and it felt like a lovely coincidence that they had chosen a fern motif for their rings.

 

“Do you prefer the leaves on the outside or on the inside of the ring?”

“What if we engraved the leaves on the outside so they connect, forming one motif when the two rings come together?”

 

Suddenly, we came up with a beautiful idea.

Maybe the fresh air of Yakushima Island makes us feel so inspired.

 

Of course, it was my first time engraving a connected motif on the outside.

I already can’t wait to make it.

 

It feels almost like a miracle that we were able to meet on this little island in the world.

The two rings may be as precious as a single flower blooming on a vast stretch of land.

Thank you so much for coming to see me, and for always following my work on Instagram.

 

After the consultation, we took photos together and said goodbye.

When I happened to look up, I saw the faint glow of the daytime moon shining in the sky.

I found them right beside me, looking at the same moon — the three of us standing side by side.

 

手の中で育むもの。#屋久島でつくる結婚指輪

鉄鋼ヤスリでの削りだし作業を終えたあとは、サンドペーパーに持ち替え、手の中で大切に育むように磨き上げていく。

ここまでくると、手の感覚だけが頼りになってくる。

 

できる限り、リングと自分自身の距離を近くしていたい。

心を澄ませ、タッチを重ねていくと、金属の響きのようなものがダイレクトに伝わってくる。

 

リングの表面は、やわらかにラウンドを描くフォルムだ。

全体にはしっかりとした厚みを残しておく。

 

アウトドアでかなりハードなアクティビティを楽しまれるおふたりなので、強度を高く仕上げていきたい。

 

結婚指輪を長く作っていて思うのは、やはりメンテナンス性の大切さに尽きるような気がする。

この先、長くお使いいただくリングだから、後から容易に手を加えやすいよう、できるだけシンプルで、真っ白な造形に仕上げておきたい。

 

使ううちに小さなキズがつき、それを何年かに一度磨き直して、また身につける。

そのようなリズムを繰り返しながら、リングはおふたりの時間に育まれながら、少しずつ味わいを増していく。

あるいは、一つだけのデザインとは、この先のお二人の未来の中で、初めて完成していくものなのかもしれない。

 

リングの中に生まれた、ひと筋の流れのようなものを、ルーペ越しに確かめておく。

その流れがどこまでもスムーズに巡るように、細やかなタッチアップを重ねた。

 

彼のリングを整え終えると、それをそばに置いて眺めながら、彼女のリングをゆっくりと磨き上げた。

 

片方の側面からイエローゴールドが始まり、もう片方に向かうにつれて、グラデーションを描くようにプラチナへと変わってゆく。

わたしたちがともに思い描いてきた色彩の巡りが、いまここにある。

小さなリングが、登り始めた太陽のように、明るい光で励ましてくれる。

 

指輪を作り進めていた日々には、毎朝のように海の方角から登る太陽を眺めた。

庭の生垣では、山茶花が蕾から花へと、美しい変化を遂げている。

作業机に向かっているといつも、その光と始まりのイメージに、わたし自身も癒されていたように思う。

 

もう少しでリングは完成することになるのだけれど、実のところ、それが新しい時間の始まりだったりして、きっとここから、癒しがじんわりと広がっていくのだろう。

 

朝の木漏れ日の中にいるような、あたたかくて眩い希望を抱きながら。

 

 

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制作編

ひかりのグラデーションと、コンビネーションの結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

ひかりのグラデーションと、コンビネーションの結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

雨の印象が強い屋久島だけれど、秋の終わりから冬にかけては、青空の広がる爽やかな日が、案外多かったりする。

朝夕はフリースを着込むことが増えてきたが、日中はシャツ一枚で過ごせるし、海水温もまだまだ高い。

 

朝は、まだ暗いうちからいつものビーチに出かけた。

ウエットスーツに着替え、浜辺までワクワクしながら走っていき、早朝の波に乗った。

 

 

ふたつの時間が出会い、ゆっくりと溶け合っていくように。

イエローゴールドとプラチナを組み合わせ、おふたりの結婚指輪を作っています。

イエローゴールドとプラチナが出会うとき。喜び満ちる結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

 

細やかな作業が続くジュエリーづくりで、キュッとなった緊張をふわりとほどいてくれる島の時間に、いつも助けられていると思う。

時には厳しく、時にはやわらかく包み込んでくれる、この癒しの感覚。

自然とともにある時間を大切に思う気持ちで、おふたりとは繋がっているのかもしれない。

 

さて、今日も作っている。

爽やかだった11月の海の印象とともに。

二つの金属をつなぎ合わせ、端正なリングのフォルムに整えた後、そこに大きくタッチを重ねていくのには、なかなかの勇気がいる。

作業を始める前、目の粗い鉄鋼ヤスリを手に、心を静かに整える。

 

表面を丸く柔らかに、側面にはシャープなラインを残してすっきりと整える。

そして、指に触れる内側にはやわらかな曲面を作り出す。

 

角ばったリングの内側には、わたしたちがイメージしたリングの姿が、確かにある。

そのイメージを明瞭に見つめながら、ゆっくりとタッチを重ねていく。

 

リング全体を覆う滑らかな曲線を作り出すために、ある程度の造形が整うまでは、ヤスリを持つ手を止めずに動かし続けなければならない。

 

もしかすると、それほど長くはなかったかもしれないけれど、とても濃密な時間だったように思う。

ふと手を止めると、そこには柔らかなアウトラインが現れていた。

ついさっきまでは、ひとつずつだったプラチナとイエローゴールドが、今朝眺めた空のグラデーションのように、ひとつになっている。

作業台の上では、削り出されたプラチナとイエローゴールドのかけらが混ざり合い、デスクライトの光を受けてキラキラと輝いていた。

 

作業をひと段落させて、キッチンでコーヒーを作り、それを飲みながら庭先をぼんやりと眺める。

奥の方にあるバナナの木が、季節外れの青い果実をつけている。

南国の眩しい光が、大きな葉を通り抜けて届いてくる。

遠くから聞こえてくる波音に耳を傾けながら、わたしはまた作業の続きに戻る。

 

島の指輪作りは、今日もこのようにして進んでいくのであった。

 

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イエローゴールドとプラチナが出会うとき。喜び満ちる結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

深い森を流れる清らかな水のように、光はどこまでも澄み切っている。

数日に一度、北の海から吹きつける風は、ひんやりと冷たい。

島にもようやく冬の気配が漂い始めたのだろうか。

気がつけば、12月がもうすぐそこまで近づいていた。

 

庭先に咲いたブーゲンビリア、夕暮れ時に眺める空。

南国を鮮やかに包み込む季節のグラデーションに、今年もまた出会えた喜びを胸に、作業机に向かっていた。

 

イエローゴールドとプラチナを組み合わせ、そこに一つの新しい色彩を生み出すようにして、おふたりの結婚指輪を作り進めている。

 

二つの金属が混ざり合って見えるよう、接合する面を波うつ複雑な形状に仕立てた。

何度も細やかな調整を重ね、それぞれがぴたりと合わさるように整えておく。

 

ここまでが、大切な下準備といったところだろうか。

 

そして、リングをガスバーナーの炎に包み、温度を900度近くまで引き上げていく。

 

十分に熱が回ったところで、プラチナとゴールドのわずかな隙間に、融点の低いゴールドをスッと流し込む。

しっかりと熱が回り、かつ金属が溶けてしまわないよう、狭い温度域を保ち続けなくてはならない。

 

作業の前半にして、最も大切な工程を無事に終えることができ、ほっと一息。

思い描いていた通りに、二つの金属を組み合わせることができたように思う。

 

ゴールドとプラチナは、7:3の比率になるよう量を調整した。

今はまだ、それぞれの金属が独立したままの姿に見える。

このふたつがひとつになるように、これから表面を削り出していく。

 

それにしても、異なる何かが出会うところには、水彩絵の具が混ざり合い、新しい色が生まれる瞬間のような、新鮮な感動がある。

プラチナとイエローゴールドもそうだし、秋と冬もそうだろう。

海と空が出会う場所。昼と夜が交差する時間。

その美しき移ろいの時を、大切な誰かと分かち合いたくなる。

そうすることができれば、私たちの日々はきっと喜びに包まれる。

 

小さくて静かな佇まいだけれど、ひだまりのように安らかなぬくもりが満ちている、そのようなリングになればいいと思う。

 

一日の作業がひと段落する頃、窓の向こうには三日月が輝き始めていた。

静かな気持ちに包まれながら、机の上にあるその小さな息吹のようなものを、どこか愛おしい思いで眺めていた。

 

ピンクゴールドとプラチナ。永遠を紡ぐ結婚指輪の煌めき #屋久島でつくる結婚指輪

ピンクゴールドとプラチナの煌めき。

夕暮れ時の浜辺で眺めた、おふたりの結婚指輪。

ひかりが重なり、どこまでも紡がれていくような、永遠を感じるひとときでした。

 

 

おふたりがアトリエを訪ねてくれたのは、

空がどこまでも澄み渡る、気持ちの良い夏の昼下がりのことでした。

島が紡ぐ物語、真夏の結婚指輪相談会 #屋久島でつくる結婚指輪

 

夏の余韻。

プラチナとピンクゴールドの輝きを育むように、ひとつひとつ造形を重ねた日々。

ピンクゴールドとプラチナが響き合う。希望あふれる結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

 

屋久島よりもずっと南にある、小さな島で出会ったおふたり。

海に囲まれた暮らしの中で、きっとわたしとも似たような時間を過ごされてきたのかもしれません。

 

潮風や波の音、そして眩しいほどの南国の光に包まれながら、

肩を並べて歩くようなぬくもりの中で、おふたりの結婚指輪をお作りすることができました。

 

波打ち際から少し離れた砂浜で、そっとリングを重ね合わせてみる。

 

光沢仕上げを施したプラチナとピンクゴールドが、

オレンジ色に染まる陽光に包まれ、穏やかな輝きを纏っています。

 

波打つようなカーブに仕立てたお揃いのフォルムは、どこまでもやわらかい。

 

そのふたつが調和し、ひとつの新しいリズムを奏でているように見えるのは、

それぞれの個性が、そっと補い合っているからなのかもしれません。

 

彼のプラチナリングには、三日月型の斜面を二箇所つくり、そこをマットな質感に整えました。

 

彼女のピンクゴールドは、鏡のように光沢のある表情に。

その表面には、波のようなラインが一周巡っていたり、

リング幅に強弱があったりと、リズミカルで楽しい。

 

不思議なもので、おふたりと言葉を交わしていると、

まるでそこに花が咲くように、ぱっとデザインが生まれる瞬間があります。

おふたりとの結婚指輪づくりにも、そのような奇跡があったように思うのです。

 

何かの誕生を分かち合うことができるオーダーメイドは、いつも幸せに満ちています。

その喜びを大切に育むように、昔ながらの手作業で、じっくりと丁寧に仕上げました。

 

 

砂浜から伝わる重たい冷たさと、暗がりの空に生まれる力強い光のコントラストが、

島に新しい季節の訪れを告げています。

 

見えない部分ではあるけれど、自分自身に響くところを大切にしたい。

内側のデザインには、心を込めました。

 

ある小さな島のシルエットと、一粒のブルーダイヤモンド、そして日付を刻む印。

このとてもシンプルで印象的なデザインには、

いったいどれだけの時間が詰まっているのだろう。

そう想いを巡らせると、果てしない気持ちに包まれます。

 

きっと、ここには、おふたりが忘れることのないシーンが、ひかりのように満ちている。

出会うことって本当に素敵です。

 

たしかに、わたしの手でお作りする結婚指輪ではあるけれど、

おふたりとご一緒した日々から、インスパイアされることがたくさんあったように思うのです。

 

オレンジ色に染まる水平線にかざしてみる。

打ち寄せる波の音と、夕暮れ時の冷たい風に、

ピンクゴールドとプラチナが溶けていきそうに感じられました。

 

おめでとう、ありがとう。

ただただ、シンプルな言葉が浮かんできました。

 

長くご一緒した指輪作りは、これでひと段落となりましたが、

おふたりにとっては、これが始まりの合図でもありますね。

 

季節が豊かな彩りをまといながら巡りゆくように、

わたしたちもまた、新しい始まりを繰り返しながら、長い日々を過ごしてゆくのかもしれません。

 

この二本のリングが、おふたりの暮らしに、やさしく寄り添ってくれますように。

 

屋久島サウス、いつものビーチにて。

 

 

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響き合うふたつのリング。ホワイトゴールドとシャンパンゴールドの時間 #屋久島でつくる結婚指輪

ころりと丸く仕立てたシャンパンゴールドの石枠を、細いリングに組み合わせているところ。

この瞬間は、おふたりの指輪づくりの中でも、とりわけ集中を要する場面かもしれない。

 

中心をしっかりと見定めながら、微細な調整を加えていく。

納得のいくバランスに出会うまで、何度でも繰り返す。

 

やがて、然るべきポイントが訪れたとき、心の奥から自分自身の声が聞こえてきた。

「ここしかない」と。

 

 

長い指輪づくりの間には、秋の色彩に包まれた森を歩いたりもした。

いつだって寄り添っていてくれる屋久島の季節に、ありがとう。

水の森の記憶とともに、シャンパンゴールドのリングを作っている #屋久島でつくる結婚指輪

 

シャンパンゴールドのリングは、水がテーマになっていて、

リングの表面と石枠には、小さなドットを散りばめるように仕立てていく。

雨上がり、庭先にキラキラと輝き宿るダイヤモンドの雫のように。

 

ホワイトゴールドがまとうダークトーンには、どこか夜の静けさのようなものが感じられる。

彼のリングにはタンザナイトを埋め込むようにセットして、すっきりとシャープな印象に整えたい。

 

優しく降り注ぐ雨も、どこまでも静かに広がる夜も、

どちらも島の暮らしで馴染み深い時間だ。

 

夕暮れ時には、無事に石枠とリングを組み合わせることができて、

綺麗に磨き上げた二本のリングを、太陽の光の下で眺めてみた。

 

そばに置いたダイヤモンドとタンザナイトが陽光を反射して、リングの表面にふたつの虹を映し出していた。

これまでおふたりとともに育んできたイメージが、初めて確かな形になった瞬間だ。

ずっと寄り添い、励ましていてくれた屋久島の小さな祝福に触れたような気がして、胸の奥があたたかくなった。

 

このあと刻印の工程を挟むため、作業はここでひとまず一区切りとなる。

リングを大切に保管したところで、時計はちょうど5時前を指していた。

 

まだ間に合うかもしれない。

アトリエから車を走らせ、いつものビーチに辿り着くと、ちょうど太陽が水平線に隠れようとするタイミングだった。

この場所から、沈みきるまでの時間が、とても早い。

 

作業は、ここまで実にうまく運んだ。

気持ちはどこまでも清々しい。

世界がどんどんオレンジ色に染まっていく。

 

昼がやがて夜に変わる。

雨が降って虹が出る。

おふたりのリングは、自然が生み出す美しい時間そのもののようだな、と思う。

 

その小さなふたつのフォルムに、どこまでも広がる永遠を感じながら。

 

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水の森の記憶とともに、シャンパンゴールドのリングを作っている #屋久島でつくる結婚指輪

夜明け前の青い時間が、とても綺麗だった。

今日のジュエリーづくりは、歩いて、癒やされた、水の森の記憶とともに。

 

丸い石枠の造形作業がひと段落し、それと組み合わせるシャンパンゴールドのリングを丸く削り出している。

 

深い緑の中を長く歩いたおかげで、目がよく見える。

ひとつひとつの細やかなタッチに、しっかりと気持ちが乗っていく。

昨日の森が、すべてを清らかにしてくれたのかもしれない。

 

鉄鋼ヤスリを片手に、まずはリングの角を大きく削り落とす。

ぐるりと一周、均一な力をかけていく。

そこに生まれた斜面の角を、次は少し小さく落としていく。

ばらばらだった点と点がすべてつながり、スムーズな曲線が生まれるまで、同じリズムを何度も繰り返していく。

 

歩き始めてから登山口に戻ってくるまでの数時間、ずっと聴こえていた清流の音が、まだ体の中に響いている。

湿度を纏った緑が香る。

屋久島の森は、もちろん色や形も素晴らしいけれど、目に見えないものの存在に、いつも救われているような気がする。

 

左が彼のホワイトゴールド。

右が彼女のシャンパンゴールド。

 

どちらも同じ18Kゴールドなのだけど、配合に洗練された調整を施すことで、こんなにも色合いが変化する不思議がある。

 

シャンパンゴールドのリングは、細くてやわらかな、丸いフォルムに整えた。

これからさらに表面をスムーズに磨き上げ、指に触れる内側部分にも、しっかりと造形を加えていくところだ。

 

 

気がつけば、おふたりの結婚指輪作りも、もう折り返し地点を過ぎている。

彼女が描いてくれたイラストを見ながら、デザインについて電話で話し合った日のことが、今ではもう懐かしく感じられる。

 

これまで、たくさんの時間を費やしてきた指輪作りだ。

この先の道のりも、おふたりと一緒に、しっかりと受け取るように歩んでいきたい。

 

喜びを分かち合いましょう。

 

 

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制作編

今年最初の山茶花。ダイヤモンドの雫と、シャンパンゴールドの音色。#屋久島つくる結婚指輪

2025,11 ウィルソンの森にて

ゆうこさんと一緒に、秋の森を歩いてきました。

澄み渡る風、緑の香りに包まれて、また新しい気持ちで制作に集中できそうです。

 

やさしさ満ちる、屋久島にありがとう。

みなさま、どうぞ素敵な連休をお過ごしください。

 

今年最初の山茶花。ダイヤモンドの雫と、シャンパンゴールドの音色。#屋久島つくる結婚指輪

アトリエの庭に、山茶花が咲き始めました。

今年最初の一輪です。

 

山茶花は庭の生垣になっているのですが、

一面の緑に、ぽつりぽつりと星のように赤い花が浮かび上がるのを見ると、

ああ、冬がそこまで来ているのだなあ、としみじみ思います。

 

日に日に開花の勢いを増していくのが、山茶花のすごいところで、

ゆっくりとだけど、休むことのないそのリズムに、いつも励まされているように思います。

 

おふたりの指輪が完成する頃には、きっと満開に近づいていることでしょう。

わたしもしっかりと歩みを進めていかなくては。

 

タンザナイトを囲む石枠をプラチナで作ったあと、シャンパンゴールドでころりと丸い石枠をひとつ仕立てました。

ローズカットのダイヤモンドを包み込むための石枠です。

 

その丸い石枠に、透明のダイヤモンドをそっと添えてみると、まるで一滴の雫が宿ったように見えました。

 

ローズカットに仕立てた石は、どちらも光をそっと受け止め、どこまでも静かに輝いています。

 

こうして、初めてふたつを揃えて眺めてみると、目の前に小さな小さな花が咲き始めたように感じられて、ぽっとあたたかな喜びに包まれるのです。

 

さて。

シャンパンゴールドの丸い石枠には、同じくシャンパンゴールドのリングを合わせてお仕立ていたします。

 

まずはボリュームのあるリングを造形し、金槌で叩きながら、サイズを整えていくところです。

 

こうして叩きながら仕上げていくことで、ゴールドは組成が引き締まり、きゅっと硬くなっていきます。

 

コンコンと、シャンパンゴールドの音色がアトリエに響き渡ります。

 

繊細で、そして丈夫なリングとなるように、

今日も一歩ずつ。

小さなタッチを積み重ねていくのでありました。

 

 

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制作編

秋の癒し。夜の静けさを映すホワイトゴールド #屋久島でつくる結婚指輪

秋風に響き合う、屋久島からお届けするコスモスのネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島から、海の向こうへと旅立つネックレス。

コスモスの咲く季節に、お作りすることができました。

 

海沿いに広がるコスモス畑で、そっとケースを開くと、

一輪の花がふわりと開いたように見えて、心躍りました。

 

潮風にゆらめく色彩。

湿度を帯びた草の香り。

 

爽やかな秋を迎えた屋久島サウスより、

大切な贈りものにお選びいただき、ありがとうございました。

 

コスモスのネックレス silver, pink sapphire

 

シルバーでかたどったお花の大きさは、約1cm。

花びらの上に収まるほどの、繊細で軽やかなペンダントトップです。

 

中央にはピンクサファイアを添えて、色鮮やかな印象にお仕立ていたしました。

 

花のそばで眺めてみると、ピンクサファイアの色が響き合っていて、

自然の彩りが織りなす、その一瞬の美しさに見入ってしまいました。

 

思えば、子供の頃からずっと眺めてきたコスモスですが、

季節が深まり、空に広がる星のようにキラキラと散りばめられた花々に出会うと、

やわらかな気持ちに包まれます。

「ああ、秋がやってきたのだなあ」と。

 

このやさしくてカラフルな癒しをお届けできれば、何より嬉しく思います。

 

 

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