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タンザナイトの静かな煌めき。石からはじまる結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

夜空のように澄み渡る濃紺の石が、屋久島の緑の中で静かに輝いている。

ローズカットに研磨されたその石の表情は、とてもやわらかい。

角度を変えるたびに姿を変える小さな煌めきを眺めながら、いよいよ制作が始まるのだという胸の高鳴りを感じていた。

 

おふたりとの結婚指輪作りでは、それぞれのために選んだ天然石がデザインを支える大切な柱になっている。

彼のタンザナイトは濃く深い色合いのものを選び、ローズカットに研磨するところから始めた。

彼女には、同じローズカットで、同じサイズのダイヤモンドを用意した。

その二粒の石に寄り添うように、二本のリングと一本のネックレスのデザインを組み立ててきた。

タンザナイトの深く思慮深い静けさと、シックで品のよいダイヤモンドの煌めきそのものを纏うような、シンプルで印象的なフォルムだ。

 

彼女から初めてメッセージが届いたのは、島にもまだ少し寒さの残る春先のことだった。

天然石の選定や、それに合わせる金属選びに相談を重ねているうちに、気がつけば夏が過ぎてしまった。

彼女には、何通りものデザイン画を描いてもらったり、電話で長い打ち合わせにお付き合いいただいたりもした。

慣れない作業だったと思うけど、これまで本当にありがとう。

 

こうして準備に十分な時間をかけたおかげで、造形の向こう側にある大切な想いまで、しっかりと分かち合えたように思う。

おふたりと手を繋いでいるような、あたたかな安心感に包まれながら。

 

作業机に向かい、タンザナイトを包み込む石枠の制作に取り掛かる。

待ちに待ったファーストタッチに、心が静かに高鳴る。

 

タンザナイトに合わせるホワイトゴールドは、すっきりと深いダークトーンを表現するために、できるだけ黄色味を抑えた配合のものを選んだ。

今回初めて挑戦することもたくさんある。

 

最初に、4.0mmの石がぴたりと収まるよう、ホワイトゴールドの板を巻いて円筒形の小さなパーツを作った。

次に、その内側にちょうどはまる大きさで、もう一つの円筒形のパーツをつくる。

この内側のホワイトゴールドが石を支える土台となる。

とてもシンプルな仕組みだけに、仕事の美しさや造形の心地よさが、そのまま表に現れやすくなる。

タンザナイトの色彩を最大限に響かせられるよう、丁寧に、ゆっくりとタッチを進めていく。

一度しかない、この指輪作りの時間をしっかりと味わっていく。

 

季節が深まるにつれ、島では空が澄み、空気が冷たく感じられる日が多くなってきた。

庭先では、シロツメクサや、赤や白のハイビスカスが、生き生きとした表情で迎えてくれる。

朝露に包まれた緑の中を歩くのは、心が躍る。

 

南の方角から潮風に乗って波の音が聞こえてくる。

いつもの島の時間に励まされ、また作業机に戻る。

 

このようにして、おふたりの指輪作りは、穏やかに、その歩みを進めていくのであった。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

1.3mm-2.0mm and 1.0mm-1.6mm wave ring in 18k champagne gold #屋久島でつくる結婚指輪

material: 18k champagne gold
size: 1.3mm-2.0mm and 1.0mm-1.6mm

Delivery time is within 3 months.
Made by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお仕立ていたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

 

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シャンパンゴールドの音色。屋久島で生まれた、おふたりの結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

 

シャンパンゴールドの音色。屋久島で生まれた、おふたりの結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

シャンパンゴールドの音色。

魅せられるほどに深い緑。

屋久島で生まれた、おふたりの結婚指輪。

色づく季節に紡がれた素敵な出会いに、ありがとう。

 

 

島時間の中で、少しずつ。シャンパンゴールドが育まれるとき

永遠と今。ふたつのリングが響き合うとき #屋久島でつくる結婚指輪

 

不思議なもので、デザイン作りから始まり、お届けまでの数ヶ月をご一緒するオーダーメイドでは、

交わした会話や細やかな出来事、日々の作業のひとつひとつを、

まるでフィルムに収めて大切にしまっておいたように、

ずっと先まで鮮明に覚えていることが、よくあります。

 

そこに育まれる時間そのものが、指輪という形を作り出してゆく。

それは、一輪の花が咲くような、かけがいのない経験なのかもしれません。

 

すごく楽しみでもあるはずなのに、

どこか、もっと続いてほしいと思えてしまうことがある。

完成を見極めるのに、小さな勇気がいる。

 

おふたりとの指輪作りもまた、そのような印象的な時間であったように思うのです。

 

しずくを纏ったシダの葉のそばで、ふたつのリングをそっと並べてみる。

シャンパンゴールドが、森に差し込む光のような静謐な輝きを湛えています。

その、ほのかな温度を帯びた力強い色彩が、島の情景と響き合っているように感じられました。

 

角度を変えるたびに、見るたびに、

リングの表情や手触りがいつも新しくなって、

つい、くるくると遊んでしまいます。

 

リングの表面に波打つライン。

たゆたうように仕立てたシルエット。

リングの幅に抑揚をつけたこと。

細やかな手仕事が重なり合い、躍動のリズムを奏でています。

 

ふたつのリングは、同時に、ひとつのものとして、ここに佇んでいます。

 

しとしと、秋の冷たい雨が降り続いています。

指輪作りの間は、サキシマフヨウの花が咲いていて、その薄ピンク色にいつも癒されていました。

 

同じ屋久島サウスの、すぐ近くで、おふたりも同じ季節を過ごしている。

ひとりきりで向かい合う作業ではあるけれど、ひとりではない。

そう思えることに、どこか心励まされていたように思います。

 

とりわけ、建築のお仕事に深く関わっているおふたりとは、

何気ない会話の中で、造形に関わる話をするのが楽しかった。

 

わたくしごとですが、父が建築士だったこともあり、建築からは、ジュエリーづくりに確かに大きな影響を受けてきました。

 

自然と暮らし、そして、理(ことわり)と気配の出会うところ。

近い場所を目指して歩いている仲間に出会えたような、

やわらかなつながりのようなものに包まれていた指輪作りでした。

 

屋久島が紡いでくれたこの出会いに、心から感謝します。

 

お仕事で長く島に滞在しているあいだに、

サンプルリングをお作りしたり、刻印の文字を一緒に相談したりしながら、ともに過ごした日々も、

今となっては、とても貴重な時間だったように思えてきます。

お仕事終わりのミーティングも、懐かしいですね。

 

最初は全く何もなかったところから、

このふたつのシャンパンゴールドのリングが生まれるなんて!

紡がれゆく時間の、なんて美しいことでしょう。

 

そして、これからおふたりが育んでゆく時間のことを思うと、

どこまでも広がるような、果てしない気持ちに満たされるのでした。

 

ご結婚おめでとうございます。

 

またいつの日かお会いして、お互いの旅の続きのお話ができれば、これほど嬉しいことはありません。

 

 

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2.0mm and 2.6mm wave ring in platinum #屋久島でつくる結婚指輪

material: platinum, diamond
size: 2.0mm and 2.6mm

Delivery time is within 3 months.
Made by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

 

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プラチナリングに響く、おふたりの想い、光のリズム #屋久島でつくる結婚指輪

花のある暮らし。屋久島で紡ぐプラチナリング #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島の森に咲く小さな白い花をモチーフにした指輪作りも、いよいよ終盤へと差し掛かりました。

 

細いプラチナの線や薄い板を組み合わせて、ひとつひとつのパーツを仕立てているのですが、

花びらと石枠を組み合わせたお花の部分が完成し、

茎を模して造形した細いリングと組み合わせていくところです。

 

お花の中心に通したプラチナの線をリングに通すと、

かちりと、小さな合図のような音を立てて、一つになりました。

 

角度やバランスを、ここでしっかりと整えておきます。

一度火を入れて溶接を行うと、もう戻ることはできないので、細やかな調整を納得いくまで繰り返しました。

 

プラチナで仕立てた、シンプルで凛としたフォルム。

この中心に、一粒のダイヤモンドをセットします。

 

今はまだ長く伸びた石枠も、最終的には低い位置までカットされるので、すっきりとコンパクトな佇まいに仕上がるだろう。

少し先の未来を思い描きながら、ワクワクした気持ちで細やかなタッチを重ねています。

 

指輪作りの日々のあいだには、何度か夜明けの海へ出かけました。

気がつけば、太陽が昇る時刻もずいぶん遅くなったように感じます。

 

それでもまだ水温は高く、秋の東風に運ばれてきた波に乗って、アトリエに戻り、作業机に向かっていた、その清々しい余韻は、今も体の中に満ちています。

 

いかにも南国らしいブーゲンビリアが、この時期に咲くのは少し意外かもしれませんが、

屋久島サウスでは、春先と秋に花を咲かせる植物でもあります。

 

ハッとするような鮮やかな色彩に出会うと、思わず足を止めて、日向ぼっこをしてしまうのですよね。

 

今年もいよいよ、あと1ヶ月と少しになりました。

 

これからの季節は、プレゼントとしてのジュエリーをお届けする機会が増えてきますが、

このリングも、お二人に素敵な時間をお過ごしいただけるよう、

最後の仕上げを大切に進めていきたいと思っています。

 

そして、リングが出来上がる頃には、冬の花が咲き始めているかもしれません。

南国のあたたかな色彩に包まれる、大好きな季節を思いながら。

 

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制作編

花ひらくプラチナリング 小さなかたちに宿る、静かなとき #屋久島でつくる結婚指輪

プラチナリングに響く、おふたりの想い、光のリズム #屋久島でつくる結婚指輪

そっと寄り添い合うように、

お揃いのデザインでお仕立ていたしました。

 

プラチナリングに響く、おふたりの想い、光のリズム。

南国に届いた、秋のカラフルな祝福に包まれて。

 

巡りゆく季節。波のリズム。刹那と永遠と。

潮騒の記憶、時の煌めきとプラチナリング #屋久島でつくる結婚指輪

 

彼女のお名前の響きに重ねるように、菜の花をモチーフに婚約指輪をお作りしました。

ナノハナの指輪 屋久島からお届けする約束の指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

 

思えば、菜の花が咲く季節から始まったオーダーメイドでしたが、

島ではコスモスが咲き始め、豊かな時の移ろいを感じています。

 

婚約指輪作りから、結婚指輪が出来上がるまで、

本当にありがとうございました。

三人で手を繋いでいるような安心感が、作業の日々をあたたかく包み込んでくれました。

 

気がつけば、夏はどこかへと遠ざかり、

朝夕は涼やかな風が通り抜けるようになりました。

ところどころに秋の色彩が散りばめられています。

アトリエには金木犀の香りが漂い、空に浮かぶうろこ雲を眺めては、心躍らせています。

 

これまでご一緒したかけがえない日々を、

もう懐かしく思い出しながら。

海の向こうにお届けする指輪を、静かに眺めていました。

 

コスモスの花びらの上に、そっとリングをのせてみる。

 

指先には、確かなプラチナの重さが伝わるのに、

手触りはどこまでも優しい。

 

全体にゆるやかなカーブを帯びた、

波のような輪郭の中に、

リズムの異なるもうひとつの曲線が巡っています。

 

そのラインを境に、光沢仕上げの部分が鏡のように世界を写し出す。

ちょうど半分がマット仕上げで、

その柔らかな質感が、島の時間に響き合い、

溶けていきそうに感じられました。

 

彼女の2.0mm幅と彼の2.6mm幅

内側には、おふたりの大切な言葉を、日付とともに刻みました。

 

刻印の文字は、外側からは見えないけれど、

おふたりの心の中に、ずっとある。

 

どんな時も、スタート地点を指し示してくれる針のように、

これからの長い時間を寄り添っていく。

 

激しく降り注いだ雨が上がり、

秋の爽やかな晴れ間が広がりました。

 

アトリエの窓の向こう、山際の低いところに虹が掛かると、

それは、冬の訪れが近いことを知らせる合図でもあります。

 

おふたりの暮らす長野では、

そろそろ、山々に雪が積もるころでしょうか。

 

そして、もうしばらくすると、

島ではツワブキの花や山茶花、そして菜の花が咲き始め、

寒い季節にやさしい彩りと小さな励ましを与えてくれます。

 

そのようにしてわたしたちは、

少しずつ季節と足並みをそろえるようにして、

月日を巡りゆくのですね。

 

これから何度、同じ花を一緒に見ることができるのだろう。

そう考えると、今という時間が、とても貴重なものに感じられます。

 

ご結婚おめでとうございます。

このリングがおふたりの暮らしに、永く寄り添ってくれますように。

 

楽しい指輪作りを、ありがとうございました。

 

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花ひらくプラチナリング 小さなかたちに宿る、静かなとき #屋久島でつくる結婚指輪

久しぶりに、長く雨が降り続いた。

秋の深まりを感じさせる、冷たくて静かな雨だ。

 

この日は朝からずっとアトリエにこもり、雨音に包まれているような深まりの中、花をモチーフにしたプラチナリング作りをこつこつと進めていた。

 

雨足が弱くなってきたところで、作業の手を止め、庭先に出てみると、金木犀の花が、たくさんの雫を抱いていた。

 

その黄色くて楽しげな佇まいを眺めているだけで、励まされる。

甘くて爽やかな香りが、遠くで眠っていた感覚を呼び覚ましてくれる。

 

花は、小指の先端に収まるほどに小さい。

小さいものに、これほど愛おしさを感じてしまうのは、どうしてなのだろう。

 

まだ背丈よりも低い金木犀の木の下に座り込み、夢中になって眺めていると、また雨が強くなってくる。

そして、急いでアトリエへと戻る。

 

今年の金木犀も、いよいよ満開に近づいた。

 

さて、アトリエです。

作業台の上に並んだ、五つの小さな造形。

 

花弁の制作をひと段落させたあと、プラチナの板を4mmほどの葉の形に切り取り、タガネで表面を叩いて丸くて柔らかな表情を与えた。

 

同じ工程を並行して五回ずつ丁寧に繰り返し、最後に全体を磨き上げる。

 

仕上がった小さな葉は、どれもわずかに不揃いで、その揺らぎが有機的な個性を生み出している。

 

その個性を、うまくまとめ上げるようにして、一つ一つのタッチを積み重ねていく。

もし、右側に偏りが生まれると、左側にほんの少しの調整を加えながら、最高の仕上がりを目指していく。

 

手作業から生まれる、かけがえのない造形は、時間に似ているように思う。

 

5枚の花びらを一つにつなぎ合わせ、花弁と組み合わせた。

酸素トーチの細く高温の炎を使いながら、溶接作業を何度も繰り返す、細やかで緊張感の続く工程だったけれど、

端正なフォルムに仕上がり、ほっと一息といったところだ。

 

プラチナと、ダイヤモンド。細い線と薄いプレート。

限りなくシンプルな要素が集まり、一つのリングへと紡がれてゆく。

 

その時間はまるで、本当の花が咲こうとしている瞬間のようで、

そこに宿る、奇跡のような美しさを感じずにはいられない。

 

夕暮れ時、気がつけばもう雨は上がっている。

窓を大きく開き、フレッシュな空気の中で、その小さなプラチナの造形を眺めていた。

 

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制作編

屋久島の森に咲く白い花をモチーフに、プラチナリングを作っています #屋久島で作る結婚指輪

屋久島の森に咲く白い花をモチーフに、プラチナリングを作っています #屋久島で作る結婚指輪

屋久島の森に咲く白い花をモチーフに、プラチナリングを作っている。

小さな花と同じくらいのサイズに仕立てていくパーツは、ひとつひとつが驚くほど繊細だ。

 

まずは、プラチナの細い線を組み合わせ、石枠を形づくっていく。

まるで本物の花を手にとるように、そっと造形を重ねていた。

 

そこにセットするのは、ひと粒のダイヤモンドだ。

清らかな透明を纏うその輝きは、あのとき、あの森で出会った花のイメージそのものである。

 

実のところ、この白い花に出会ったのは、ほんの数度きりしかないのだが、

こうして作業机に向かっているだけで、登山道に漂っていた甘く、瑞々しい香りの記憶がふわりと蘇ってくる。

 

ときには胸を高鳴らせ、

ときには心を柔らかに包んでくれる。

花にはいつも、新しい風のようなものを運んでくれる不思議があるように思う。

 

 

屋久島サウスではコスモスが咲き始め、南の島に遅い秋の訪れを告げている。

 

なぜかいつも、ひまわりも一緒に咲いているのが、屋久島流かもしれない。

道路沿いに広がるパステルのドットにしばらく身を包み、ふわりと癒されておく。

 

8本の細い線が放射状に伸びる小さなプラチナは、花弁を模した石枠となる。

 

こうして、花をモチーフにジュエリーを作っていると、植物たちの精巧でしなやかな作りに、いつも驚くばかりだ。

まるで空気の中から生まれてきたような、スムーズで美しい造形に憧れ、ずっと追いかけてきたように思う。

 

花は、同じ種類のものでも、よく眺めてみると、一つ一つに個性が宿っているところも好きだ。

小さなリングにも、これから少しずつ呼吸が吹き込まれていくのだと思うと、なんだか楽しくなる。

手の中でゆっくりと、大切に育んでいきたい。

 

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屋久島のひとかけら。秋の月を纏うネックレス。#屋久島で作る結婚指輪

海の向こうへお届けするネックレスを、白いハイビスカスのそばで眺めました。

夜光貝とイエローゴールドの煌めき。

静かに響く虫の音。

清らかな月に寄り添うひとときに、こころ癒されました。

 

海の月ネックレス 18k yellow gold, 夜光貝

 

手のひらを二つ合わせたほどの大きな夜光貝を、

8mmほどの月の形に削り出し、時間をかけて丁寧に磨き上げると、

そこにブルー、マゼンタ、オレンジへと移ろう美しい輝きが浮かび上がりました。

 

ハイビスカスの濃い影の中で眺めていると、

その暗がりに、ぽっと月あかりが灯ったように見えて、

あたたかな気持ちに包まれます。

 

とくに強く意識しているわけではないけれど、

ふと空に月を眺めるだけで、とても優しい気持ちに包まれるのはなぜだろう。

 

はるか昔から、どんな場所にいても、いつもそばにある月。

それは、私たちの中に流れゆく、大きな時間の一つなのかもしれません。

 

自然の中に漂う静かな響きを、大切にすくい取るようにして、

この小さなネックレスをお作りいたしました。

 

イエローゴールドを組み合わせ、シンプルで上品にお仕立てしていますので、

日々の装いに、素敵な彩りを添えてくれそう。

 

やわらかで、あたたかな光。

屋久島のひとかけら。

 

このよろこびを分かち合うことができれば、何よりも嬉しく思います。

 

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あたたかなひかり 屋久島からお届けする、ひまわりのネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

ひまわりのネックレス platinum, 18k yellow gold, citrine

 

雨の日々につくっていたジュエリーが完成すると、爽やかな秋の晴れ間が広がりました。

煌めきあふれる屋久島からお届けする、ひまわりのネックレス。

大切な贈り物にお選びいただき、ありがとうございました。

 

山々に雨が降り、川は海へと注ぎ、やがて太陽が姿を現すと、空には大きな虹がかかります。

まるでその水と光のリズムを喜ぶように、草花たちは力強く躍動を続けています。

 

海と山に抱かれた島の季節のめぐりの中で、

この小さなネックレスをお作りいたしました。

 

ひまわりは、南国に降り注ぐ光を象徴するような、喜びに満ちた花ですね。

 

ひまわりのネックレス platinum, 18k yellow gold, citrine

 

プラチナでお仕立てした花びらの大きさは、約13mm。

繊細ながらも、胸元に印象的な輝きを添えるフォルムです。

 

花の中央には、透明感のあるシトリンを、イエローゴールドの枠に包むようにして添えました。

 

プラチナとゴールドの組み合わせは、メンテナンスフリーなのも、嬉しいところですよね。

昔ながらの手作業で、じっくりと丁寧にお仕立てしたジュエリーです。

 

特別な記念日の装いに。

さりげない、いつもの外出に。

冬の寒い季節にも、雨の日にも。

暮らしに寄り添い、長くご愛用いただけましたら、何よりも嬉しく思います。

 

おふたりの大切な時間に、初夏に咲いたひまわりのような、あたたかなひかりを添えられますように。

屋久島より、願いを込めて。

 

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永遠と今。ふたつのリングが響き合うとき #屋久島でつくる結婚指輪

彼女のリングは、とても繊細なシルエットに仕立てていく。

表面には、彼のリングと同じように、緩やかに波打つラインを削り出した。

 

最初は何もなかったところに、少しずつ、かたちが生まれていく。

その時間が、まるで奇跡のように感じられる。

 

作業もいよいよ終盤を迎え、屋久島に滞在していたおふたりから、はじめてメッセージをいただいた時のことを、しみじみと思い出していた。

 

実は、おふたりの結婚指輪づくりのきっかけとなる、一つの出会いがあって、

長く暮らした大阪で、ゆるやかに育まれていた小さな時間の話を、少しだけしておこうと思う。

 

それは、今からおよそ十五年以上も前のことになるのだけど、

あの時の何気ない出会いが、今に繋がるなんて。

もちろん、その頃は思いもしなかった。

そのカフェレストランは、大阪・心斎橋筋商店街を少し外れた、昔ながらのビルの二階にあった。

 

細い階段を螺旋状に登っていくと、ぱっと明るい雰囲気が広がる。

隠れ家的な場所だった。

 

わたしは近くで個展を開いていた時に、そのお店を偶然見つけたのだけど、

洗練の中に温かみのあるムードが大好きで、大阪に帰る折には、妻と一緒に時々立ち寄らせていただいた。

 

どのお料理も、ナチュラルな製法で仕上げられた品のあるもので、

それを作る彼女には、作り手としての親しさのようなものを感じていたのをよく覚えている。

 

あれから、心斎橋は大きく変わり、

わたしたちもまた、それぞれの場所でそれぞれの時間を歩むようになっていたけれど、

それでもゆるやかにSNSで繋がっていた。

 

そして、彼女の大切なご友人が、お仕事で屋久島に長く滞在することになったのは、今から二年ほど前のことだった。

 

ご友人から初めてご連絡をいただいた時、

細くて透明な糸が、ずっと前から繋がっていたのだと気づき、とても嬉しかった。

 

もちろん、おふたりとは島で初めてお会いしたのだけど、

そこには、形を持たない“確かさ”のようなものがあった。

 

わたしたちが今ここで出会うことを信じながら、結婚指輪を作ることができているように思う。

 

あの時、あのビルの階段を登っていなかったら、

あるいは、また別の時間が流れていたのだろうか。

そう考えると、この瞬間が、いっそう貴重なものに感じられる。

 

こうして、おふたりとともに結婚指輪づくりができる今に、ありがとう。

 

時のリズム。響き合う煌めき。

二本のリングを初めて重ね合わせてみる。

 

ぴたりと寄り添うその佇まいを眺めていると、

おふたりのことを思い出して、

なんだかほっこり癒された。

 

繊細で、そして力強いラインを作り出すことができたように思う。

 

そのリングは、おふたりが出会い、生まれた時間そのもののようでもあり、

同時に、屋久島の風土が育んだ、深く、抑揚に満ちたフォルムのようにも思う。

 

夕暮れ時、作業をひと段落し、空に姿を現したばかりの月を見上げた。

ちょうど、円を半分にした形の月だ。

 

リングの内側には、これから刻印を施し、最後の磨き仕上げを進めていく。

そして、リングが完成するのを合図にするように、また新しい時間が始まることになる。

 

月のように巡り、波のように寄せては引いてゆく、

永遠の時の流れを感じながら。

 

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制作編

島に届く香り、風。シャンパンゴールドの手触りについて #屋久島でつくる結婚指輪

島に届く香り、風。シャンパンゴールドの手触りについて #屋久島でつくる結婚指輪

アトリエの庭先に、金木犀が咲きました。

今年も大好きな花に出会えて、とても嬉しい気持ちです。

朝目を覚ましたときも、作業の合間にも、

その甘くてどこか懐かしい香りに引き寄せられるようにして、

癒されながら、今日もジュエリーを作っています。

 

案外少なく感じるかもしれませんが、

全部で四本のヤスリを使い分けながら、リングの造形作業を進めています。

 

お二人の暮らしの中で、長くご愛用いただく結婚指輪ですので、

着け心地は何よりも大切にしたいところです。

 

リングの内側にも、精密ヤスリをしっかりとあてて、

指にやさしく馴染むよう、丸く丁寧に削り出していきました。

 

左側が彼のリング。大まかな削り出しの作業を終えたところです。

右側が彼女のリング。これから造形作業を行うために、マジックでガイドラインを描いています。

 

考えてみると、すべてはフリーハンド。手の感覚だけを頼りに進める、昔ながらのジュエリー作りです。

 

そこには、細やかなタッチから生まれる微妙な揺らぎが集まり、ひとつの息吹のようなものを形成していく過程があります。

 

計算された完璧なフォルムではないかもしれません。
けれど、そこから生まれるのは、世界にただひとつの形であることは間違いありません。

 

色や輝き、そしてフォルムに宿る、その温度を帯びた揺らぎが、愛おしく思えてならない。

作り手にとっても、受け取ってくださる方にとっても、

そこには、何事にも代えがたい喜びがあるように思うのです。

 

夕暮れ時、山々の方から大きな雲がアトリエへ向かって、すごいスピードで流れていきました。

 

複雑に入り組んだ山のフォルムを抜けて届く風が、

空気の中に繊細な変化を生み出しているように感じられます。

 

山の近くで暮らすことって、本当に素晴らしい。

暮らしの中に、何気なく、深い思考や変化に富んだ感情を運んできてくれるように思うのです。

 

美しかった屋久島に、ありがとう。

明日もまた、ジュエリー作りです。

 

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制作編

島時間の中で、少しずつ。シャンパンゴールドが育まれるとき #屋久島でつくる結婚指輪