Blog

ありがとう、屋久島のアトリエで結婚指輪を迎える日 #屋久島でつくる結婚指輪

完成した結婚指輪を、おふたりにお渡しする日。

夏の陽ざしが降りそそぐ中、ときおりスコールが通り過ぎていく。

明るい雨降りの日。

 

これまで長く育んできたリングと、

おふたりが初めて対面する瞬間に立ち会えることは、

作り手にとって、何事にも代えがたい喜びのように思います。

 

リングを交換しているときは、ほんの少しだけ、呼吸を忘れてしまうような。

静かな歓びに満ちた、幸せなひとときでした。

 

おふたりとは、これまで海をこえて、メールやお電話でご一緒してきたけれど、

こうして実際にお会いすることができて、

完成したリングとおふたりの印象とが、ぴたりと重なり合ったというか、

これは本当に、おふたりのためのリングなのだなあと、

我ながら、しみじみと思いました。

 

たしかに形あるものではあるけれど、

この小さなリングには、形をもたない大切な想いが、どこまでも広がっている。

それは、今ここに咲いた花のように、

かけがえなく、美しいもののように思うのです。

 

おめでとう。

ありがとう。

 

いつの間にか雨は上がり、庭先にはチョウチョが飛び交い始めていました。

海から吹き上げる風に乗って届く波の音が、少しずつ大きくなってきています。

 

夕方の飛行機で帰路につかれるということで、

長くご一緒したオーダーメイドの時間も、いよいよ一区切りを迎えることになりました。

 

屋久島では縄文杉登山もできて、サルにも会えて、

よりいっそう、これからの楽しみが広がりましたね。

そしていつの日か、またお会いして、お互いの近況を話し合うことができれば、何よりも幸せに思います。

 

春からご一緒してきた日々を、もう懐かしく思い返しながら。

今朝も雨降りの、屋久島サウスのアトリエにて。

 

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

おふたりの大切な想い。屋久島で生まれるコンビネーションリングのかたち #屋久島でつくる結婚指輪

 

 

 

 

おふたりの大切な想い。屋久島で生まれるコンビネーションリングのかたち #屋久島でつくる結婚指輪

珊瑚礁の浜辺で眺めたコンビネーションリング。

色違いのお揃いデザインでお仕立てしました。

 

シャンパンゴールドにホワイトゴールド、そしてプラチナが、

島の夏と響き合い、

静かに満ちる色彩に、夢心地でした。

 

 

結婚指輪作りを進めていたのは、まだまだ雨の気配が色濃く残る、梅雨の終わりのことでした。

日々の喜び、色彩に包まれる結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

 

そして、指輪の完成を合図にするように、やがて、島に夏が訪れました。

長く島を覆っていた重たい湿度はどこかに消え去り、

山も海も、いまは煌めきの中にあります。

市場にはパッションフルーツが並び、

ときおり降り注ぐスコールを、ワクワクと待ちわびる日々です。

 

これまでおふたりと季節をご一緒できた、かけがえのない時間を、愛おしく思い返しながら。

 

屋久島西部の山々を見渡す、珊瑚礁のビーチにて。

 

岩の影になっている場所を見つけ、そこに座り、リングを眺めてみる。

 

水面に反射して届く陽光が、リングをやわらかく包み込んでいます。

 

リングの表面は丸くて、表情はやさしい。

その中に、ホワイトゴールドとプラチナのコントラストが、すっと浮かび上がります。

 

光の角度によって、ふたつの金属が混じり合うように見えるのは、斜めに仕立て上げた境界線によるものでしょう。

 

白色系の、絶妙な金属の組み合わせを選んでくれたのは、彼でした。

 

彼女が選んでくれたのは、シャンパンゴールドとプラチナ。

彼と色違いの、お揃いデザインです。

 

マット仕上げの質感は、どこまでも自然体で、

この夏と、やわらかく響き合っていて、

まるで、ずっとここで長いあいだ出会うのを待っていたように見えました。

 

波打ち際や、水平線。

昼と夜とが入れ替わる時間。

そして、季節の移り変わりも。

 

島で暮らしていると、色彩が重なり合う場所に出会うことがあって、

そこに、秘められた可能性のような、果てしない力強さを感じるのです。

 

もしかすると、わたしたちの出会いもまた、そうなのかもしれません。

 

表には見えないけれど、おふたりだけの心に響く内側のデザインは、大切にしたところです。

お名前の間にセットした、黄色と緑色のダイヤモンドも、

夏の強い日差しを受けて、とても綺麗に輝いています。

 

波音に包まれて二本のリングを眺めていると、

これまで一緒にデザインを育んできた日々が、懐かしく甦ってきました。

 

気持ちはどこまでも晴やかで、

真夏の強い日差しさえ、不思議なほどに心地よく感じられました。

 

このリングは、おふたりがアトリエに受け取りにお越しいただけることになっているので、

お会いできるのが、本当に楽しみです。

 

指輪作りは、ひと段落となりますが、

これからが新しい始まりですね。

 

お磨き直しをしながら、長く身につけていく結婚指輪です。

時間をかけてリングに宿る味わいも、きっと素敵なものになると思います。

 

ときおりご連絡をいただいて、そのお手伝いができることが、

わたしにとっても、何よりの喜びになっています。

 

ご結婚おめでとうございます。

そして、これからも、どうぞよろしくお願いします。

 

わたしたちの楽しい時間は、まだまだ続いていくのでありました。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

島が紡ぐ物語、真夏の結婚指輪相談会 #屋久島でつくる結婚指輪

南の島で出会い、ご結婚されたお二人が、屋久島のアトリエまで訪ねてくださいました。

真夏の結婚指輪相談会。

空がどこまでも澄み渡る、最高に気持ちの良い昼下がりでした。

 

「まだ色々決まっていないので、アトリエに行ってから考えたいです」

そんなふうに、メールでお知らせいただいていたのですが、

実際にサンプルリングを手に取っていただくと、思いがけない出会いや発見があったりして。

その流れを楽しむように、直感に導かれながら、自然体でデザインを育んでいくおふたりのリズムが、とても印象的でした。

 

気がつけば夕暮れどきまで、デザインづくりに夢中になっていたのですが、

その間に、お二人の出会いやお仕事のことも、ゆっくりとお話しすることができました。

 

屋久島よりも、はるか南にある小さな島で出会ったお二人と、こうして屋久島でご一緒できて、

同じ未来を眺め、そのかたちをともに描いていることが、本当に奇跡のように思えました。

今、この瞬間が、いっそう大切なものに思えました。

 

ピンクゴールドとプラチナ。

波のリズム、光のイメージ。

この日、この小さなアトリエで生まれたかたちは、

おふたりが出会い、育まれてきた時間そのものなのかもしれません。

 

相談会を無事に終え(リングの内側のデザインまでコンプリートすることができました!)、最後に庭先で記念撮影をして、サヨナラを。

見上げると、屋久島サウスの山々が爽やかな青空に包まれていました。

遠くからは、ざあざあと波音が聞こえてきます。

 

このようにして、わたしたちの物語は、静かにその始まりを迎えました。

2025年の夏。

一度だけの結婚指輪作りを、皆さま、どうぞあたたかく見守っていてください。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

プラチナの雫。始まりの予感。シンプルで、特別な、おふたりだけの結婚指輪。#屋久島でつくる結婚指輪

イエローゴールドのリングの表面に、プラチナの粒を三つ散りばめて。

おふたりのリング作りも、いよいよ佳境を迎えることとなりました。

 

結婚指輪作りでは、その完成が新しい暮らしの始まりを告げる合図でもあり、

大切な日に向かって、希望がゆっくりと満ちていくように感じています。

 

雨が降っては止み、太陽が現れて夏の強い日差しが降り注ぎ、やがてまた、雨雲に覆われる。

 

数日間にわたる作業の間は、毎日スコールが続いていたけれど、

わたしたちの暮らしもまた、そうしていくつもの始まりを繰り返しながら、少しずつ育まれていくのかもしれません。

 

彼女のリングに散りばめた三つの粒は、彼のリングを作ったときにできたプラチナのかけらを使いました。

ふたつの大きな粒と、ひとつの小さな粒。

それらはまるで、おふたりの絆を繋ぎとめるように、リングにおさまりました。

 

「手作業の多い仕事なので、粒は少しリングに埋めるように仕上がると理想です」

デザイン作りのときに、彼女がそう言ってくれたのを覚えています。

そのようなやり取りも、今となっては素敵な思い出になりつつあります。

 

リングの表面にぽつりぽつりと散りばめられたプラチナは、雨の雫のようで、

作業の合間に庭先で眺めていた植物たちの姿が思い出されて、なんだか嬉しくなりました。

 

そうそう、彼のプラチナリングの装飾についても、語らないわけにはいきません。

彼女のリングと繋がりのあるモチーフを、少し異なるアプローチでお仕立てすることになっているのですが、

それはまた、別のお話で。

シンプルで、特別な、おふたりだけの結婚指輪に仕上がると思いますので、どうぞお楽しみにしていてください。

 

おふたりの指輪作りをあたたかく見守ってくださり、ありがとうございました。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

シンプルなフォルムに響く、ふたりの記憶と島の季節 #屋久島でつくる結婚指輪

シンプルなフォルムに響く、ふたりの記憶と島の季節 #屋久島でつくる結婚指輪

お二人の結婚指輪は、シンプルなラウンドシェイプのフォルムで作り進めている。

丸みのある、やわらかなつけ心地のデザインだ。

時を重ねるごとに、まるで体の一部のように、自然と馴染んでくる。

 

その普遍的なリングに、特別なエッセンスを与えるのは、おふたりの大切な想いなのかもしれない。

 

リングの表面には、これまで育んできた時間をとどめるように、記号のような装飾を施すことになっている。

 

どんな出会いだったのだろう。

いつかお会いした日に、聞いてみたい。

作業机に向かいながら、ふとそんなことを思う。

 

彼のプラチナリングの表面を削り終えると、そのリングをそばに置いて、彼女のリングを削り始める。

サイズの違いに合わせて、幅や厚みをほんの少しボリュームダウンさせながら、バランスをとって、おそろいのラウンドシェイプに仕立てていく。

表面をなめらかに整えたあと、内側にも鉄鋼ヤスリを入れて、柔らかなカーブを施していく。

後戻りのできない一度だけの作業ではあるけれど、伸びやかなラインを描き出すために、思い切りの良いタッチを重ねていかなくてはならない。

 

削り出しの作業がひと段落したところで、リングを持って、近所を散歩することにした。

太陽の光の中で、リングのフォルムを確かめたかったのと、

あと、緑を眺めて目を休めたかったのもある。

 

木々を見上げると、夏の木漏れ日がまぶしくて、ふわりと心が解けていった。

爽やかな緑に囲まれた、島の夏がとても好きだな、と思う。

 

ふと、雨の気配を感じて、急いでアトリエに戻る。

これからいっとき、激しく降り続くのだろう。

 

なんだかワクワクする、と言ったら、きっと不思議に思われてしまうかもしれない。

雨音に耳を傾けながら、静かに指輪作りを進められることが、ただ嬉しかったのだ。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

一度だけの夏、一度だけの結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

 

海、月、花。 屋久島の大好きを集めてジュエリーを作りました。#屋久島でつくる結婚指輪

しずくのしずくネックレス  platinum, diamond

 

海、月、花。

屋久島の大好きを集めて、ジュエリーを作りました。

 

 

屋久島のアトリエから皆さまへ。

 

オーダーメイドのジュエリー作りは、

ゆっくりと時間をかけた手作業となりますが、

一つひとつ心を込めて、大切にお届けしています。

 

屋久島で生まれた小さな輝きを、

皆さまと、分かち合うことができれば幸せです。

 

海の月ネックレス 18k yellow gold, 夜光貝

 

屋久島の海からいただいた夜光貝とイエローゴールドを組み合わせて仕立てました。

三日月をかたどった小さなネックレスです。

 

 

ひまわりのネックレス silver, 18k yellow gold, シトリン

 

山の裾野に広がるひまわり畑。

風に吹かれてゆらめく花々は、まるで黄色い光のようで、眺めているとなんだかとても元気になります。

 

ペンダントの中央には、黄色くて透明感のあるシトリンをセットいたしました。

その周りをk18イエローゴールドで囲むように仕上げています。

 

ユリのネックレス platinum, 18k yellow gold, diamond

 

白百合の清らかなイメージには、やっぱりダイヤモンドがよく似合います。

 

花びらの中央には、花弁を模したイエローゴールドの粒が抱くように、クリアカラーのダイヤモンドをセットいたしました。

 

サイズは約10mmほどでしょうか、

とっても繊細なペンダントトップです。

 

皆さまの暮らしに長く寄り添うジュエリーとなるように、

天然石や金属素材をお好みにアレンジし、

屋久島からオーダーメイドでお届けしています。

 

サイズゲージの貸し出しも承っておりますので、

こちらにご連絡をいただけますと、

細やかな対応をさせていただけるかと思います。

 

もちろん、ご予算についてのご相談もお気軽にどうぞ。

リクエストやご質問がございましたら、ぜひお声がけください。

 

サイズゲージの貸し出しも承っておりますので、お気軽にご連絡いただければ、きめ細やかな対応をさせていただきます

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

長くご愛用いただき、お磨き直しを経て、また長くお使いいただく。

そのようなリズムを繰り返すうちに、ジュエリーは味わいを増してゆきます。

時の流れもまた、ジュエリーにとって一つの装飾となり、世界に一つだけの特別なものへと変わっていくのかもしれません。

 

実は、このようなメンテナンスの作業を介して、皆さまと関わらせていただけることが、わたし自身の大きな喜びとなっております。

心を込めてメンテナンスさせていただきますので、何かあればいつでもお気軽にお声がけいただければ嬉しいです。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

 

屋久島の季節を纏うように。島で出会う草花や海、月星をモチーフにしたジュエリーを作っています

インスタグラムでこれまで作ったジュエリーを見ていただけます!

 

一度だけの夏、一度だけの結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

プラチナの作業温度は約1300度にも達し、非常に高温な環境で工程が進められます。

リングが真っ赤に輝くまで温度を上昇させたところで、融点の低いプラチナを流し込み、両端をしっかりとつなぎ合わせていきます。

元々硬く配合したプラチナなのですが、一つのリングとなると、その強度が驚くほど高くなる。

 

その揺るぎない確かさのようなものが、これから新しく始まるおふたりの暮らしに寄り添うものとして、心に安心をもたらせてくれるのかもしれません。

 

長くお使いいただく結婚指輪なので、しっかりと丈夫に仕立て上げていきます。

 

 

一度だけの夏、一度だけの結婚指輪づくり。

夏色の光と音のなかで。#屋久島で作る結婚指輪

 

作業は始まったばかりなのですが、おふたりには四月の初めにご連絡をいただいて、これまで数ヶ月をかけて、デザイン作りをご一緒してきました。

なので、ここからの数日間は、わたしたちが育んできた時間の集大成のようなもので、今までイメージしてきたひとつひとつが実際の形になっていく、かけがえのない瞬間であるように思います。

 

いつもありがとう。

日々をともに愛おしみましょう。

 

昼過ぎから、雨が降り始めました。

激しく降ったかと思えば、緩やかになったりを繰り返す、南国の夏ならではの雨です。

 

雨足が少し穏やかになったタイミングを見計らって、傘を片手に庭先に出てみると、植物たちは生き生きとしたムードで、その中にいるだけで、なんだか心が躍りました。

 

ここは夜になるとお店も閉まってしまうし、静かすぎるくらいの場所ではあるけれど、

島の自然に包まれた暮らしは本当に刺激的で、そこからたくさんのものを受け取っているような気がします。

 

その癒しをジュエリーに変えて、みなさまと分かち合うことができれば、素敵だなと思うのです。

 

彼女のイエローゴールドと彼のプラチナリング。

手のひらに乗せてみると、ぴたりと重なり合って、なんだか嬉しくなりました。

島の色彩とふたつのリングが、静かに響き合っています。

 

気がつけば、雨は上がり、また強い日差しが降り注ぎ始めました。

空には、神話の世界に登場するような大きな雲が、ゆっくりと漂っています。

蝉たちは合唱を再開し、チョウたちも飛び交い始めました。

それを合図にするかのように、わたしもアトリエに戻ることに。

キッチンで冷たい麦茶をマグカップに注ぎ、新しくなった心持ちで、また作業机に向かう。

 

このようにして、夏のジュエリー作りは続いていくのでありました。

 

夏色の光と音のなかで。#屋久島で作る結婚指輪

今年もまた、夏の始まりが忘れがたい時間となった。

庭の生垣にはハイビスカスが満開で、10羽をこえるチョウたちが集まってきていて、それをときおり窓外に眺めながら、夢中で作業机に向かっている。

 

ここのところは、雨が降ったり止んだりの天気が続いているので、日差しもそれほど強くはなく、アトリエの中は心地よく涼しく、制作にも深く集中することができた。

 

ほとんど一日中アトリエにこもり、来月の初旬にお届けする結婚指輪作りに取り組み、コンコンという手作業の音と、蝉の音だけが鳴り響いていた。

 

オーダーメイドというのは、本当に奇跡のようなジュエリー作りだなと思った。

お二人と相談を重ね、プラチナとイエローゴールドが、手の中で少しずつ、リングのかたちになっていく。

 

お二人の大切な想いや、この夏と出会っていなければ、この指輪もまた、別のものになっていたのだろうか。

手を動かしながら、ふとそんなことを考えていた。

 

これはきっと、一度だけの指輪作りになるのだろう。

そう、強く思えた。

 

厚みのある板状のプラチナとK18イエローゴールドを、炎に包んで焼きなまし、柔らかくなったところで鉄の芯金に当て、くるりとリング状に巻いた。

作業がひと段落したところで、ざっと表面を洗浄し、ふたつのリングを隣り合わせに並べてみると、色彩のコントラストがクリアに浮かび上がる。

まだまだ工程は始まったばかりだったけれど、少し先の完成を思い描いて、嬉しくなる。

それほど、素敵な佇まいだった。

 

作業を終えて、夕暮れ時に訪れたビーチは、汗ばむほどの暑さで、夏の色彩に包まれていた。

日が暮れる前に急いでトランクスに着替え、サーフボードを抱えて浜辺を駆ける。

オレンジ色に染まりゆく水面へと、思いきり飛び込んだ。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

プラチナとシャンパンゴールドで紡ぐ夏。お二人と歩んだ、結婚指輪作りの記憶。#屋久島でつくる結婚指輪

屋久島サウスに長く降り続いた雨が上がったのは、ちょうど、お二人の結婚指輪の造形作業がひと段落したころでした。

久しぶりに戻ってきた夏の日差しは、やはり力強い。

嬉しくなって、朝早くに庭先に出てみると、植物たちはぐんと成長をしていて、驚きました。

ツユクサも、たくさん咲いています。

 

雨上がりのしずくをたくさん抱いたハイビスカス。

そのそばで、彼のプラチナリングを眺めてみる。

 

雲のフィルターを通り抜けて届いた陽光が、削り出した波模様に陰影を浮かび上がらせます。

 

そっと指に合わせてみると、付け心地とってもやわらかく、プラチナの響きが心地よく伝わってきました。

 

彼女のリングは、彼とおそろいのデザインで。

シャンパンゴールドでお作りしています。

サイズに合わせて、リング幅もほんの少しだけ細く仕立てました。

 

これまでにも似たデザインをお作りしたことはありましたが、

お二人に合わせて、微妙なニュアンスを調整しながら、ふたつでひとつになるように仕上げていく作業は、とても楽しいものでした。

春のアトリエでお会いして、ゆっくりとお話しできたこと。

そういった親密な時間を分かち合えたことも、よかったなと思うのです。

 

指輪作りは、これから刻印作業へと進み、あとは最後の仕上げを残すのみとなりました。

とてもゆっくりとした島リズムのジュエリー作りに、お付き合いをいただき、本当にありがとうございます。

 

 

アトリエの窓の向こうには、雲の向こうに隠れていた山々が、まるで長い眠りから覚めたように、ゆっくりと、そのシルエットを覗かせました。

わたしたちの指輪作りに、いつも寄り添っていてくれた屋久島に、ありがとう。

 

さて、ここで一度、作業道具を置いて、彫刻の仕上がりを待つことにいたします。

このリングが完成する頃には、きっと暑さも最高潮を迎えていることでしょう。

 

きらめく海、ハイビスカス、夜空に眺める星、パッションフルーツ。

わたしたちの夏は、まだ始まったばかりです。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

屋久島からお二人へ、オーダーメイドで結婚指輪をお届けしています #屋久島でつくる結婚指輪

 

屋久島からお届けするオーダーメイドの結婚指輪、お二人の素敵な物語と。

 

 

屋久島のアトリエから皆さまへ。

 

オーダーメイドの結婚指輪作りは、お二人とご一緒させていただきながら、ゆっくりと時間をかけた手作業となりますが、末長くご愛用いただけるよう、心を込めてお作りしています。

 

海の向こうに暮らすお二人とは、メールやお電話でデザインのご相談を重ね、サンプルリングをお送りして、大切な指輪作りのサポートをさせていただいています。

もちろん、屋久島のアトリエにお越しいただき、直接ご相談いただくことも大歓迎です。

 

 

屋久島の季節に包まれて、

穏やかな心地でお作りした結婚指輪です。

昔ながらの手作業で、じっくりと丁寧に仕上げました。

 

お二人の暮らしに、ずっと寄り添ってくれますように。

生産と品質

糸鋸で金属の板や線を切り出し、コンコンと金槌で叩き、曲げ、火を当てて、また叩く――マリッジリングの制作は鍛金という技法によって一点ずつ丁寧に進められます。

 

制作開始から完成までの期間は約2ヶ月。

その間に、何度も細かな調整を行いながら、理想の形を追求します。

デザインの打ち合わせが1ヶ月で完了した場合、合計約3ヶ月でのお届けとなります。

挙式の日程などが既にお決まりの場合は、ご指定の納期にできる限り対応させていただきますので、前もってご相談いただけると幸いです。

 

price

Kei Nakamura Jewelleryでは、皆さま一人ひとりのお好みに合わせ、最高のジュエリーをご提案させていただいております。

お二人のライフスタイルに寄り添った、かけがえのないマリッジリング作りをお手伝いします。

オーダーメイドの指輪作りでは、使用する金属の種類や重さ、デザインの複雑さによって、指輪の価格が変動いたします。

同じデザインでも、シルバーよりもプラチナの方が高価になりますし、同じプラチナを使用しても、繊細なデザインの方が重厚なデザインよりもお手頃な価格になる傾向があります。

 

ご予算にあわせて、お好みのデザインや素材を重視して、などお二人のリクエストに合わせたご提案、制作を承っております。どうぞお気軽にご相談ください。

参考価格
silver ring 2本で¥120,000より 平均¥180,000程度
gold ring, platinum ring 2本で¥180,000から¥450,000 平均¥350,000程度

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

長くお使いいただいて、お磨き直しをして、また長くお使いいただく、

そのようなリズムを繰り返す中で、ジュエリーはより味わいを深めていきます。

 

時間の経過そのものが一つの装飾となり、ジュエリーは世界に一つだけのものになるのかもしれません。

 

実は、お選びいただいたジュエリーが日々味わいを増してゆく時間に、メンテナンスという形で関わらせていただけることが、わたし自身の大きな楽しみでもあります。

 

わたし自身の手で、心を込めてメンテナンスの作業をさせていただきますので、何かあればぜひお声がけいただけると嬉しいです。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

 

インスタグラムでこれまで作ったジュエリーを見ていただけます!

 

 

オーダーメイドジュエリーのカタログはこちらから

 

海のリズム。お二人の暮らしを映す、結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

西の空に虹がかかったのは、ずいぶん久しぶりのことだった。

屋久島サウスでは、相変わらず「雨ときどき晴れ」の日が続いていて、

スコールが通り過ぎたあと、澄み渡る空や、植物に宿る雫のきらめきを眺めるのが、日々の楽しみになっている。

 

ほんのひとときだったけど、それでも虹に出会うとやっぱり嬉しくて、誰かに伝えたくなってしまう。

海の向こうに暮らすお二人は、どんな夏を過ごしているのだろうか。

 

 

春の始まり。

お二人がご友人と一緒に、アトリエまで来てくれました。

ありがとう。大切な 出会いを結ぶ指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

海と波音と。

お二人の暮らしの中にある大切な情景をモチーフにした結婚指輪づくり。

夏のリズム。海にまつわる結婚指輪づくりと、プラチナ、シャンパンゴールドのきらめき #屋久島でつくる結婚指輪

 

不思議なもので、この小さな島に暮らすようになってから、

かえって距離を超えた出会いに恵まれることが多くなった気がする。

それは、海だったり、森だったり、植物も。

大切な何かを分かち合う、やわらかな繋がりなのかもしれない。

 

屋久島が紡いでくれた、ご縁にありがとう。

目には見えない、けれどもたしかにここにある磁力のようなものを感じながら。

 

くるりとリング状になったシャンパンゴールドとプラチナ。

 

表には現れない、とてもシックな作業が続いたけれど、端正なフォルムに仕上がったように思う。

料理でもそうだけど、なんと言っても、下ごしらえが一番大切なところなのである。

 

ここからは、心静かに、シンプルにいこう。

鉄鋼ヤスリを片手に、プラチナの表面を削り出していく。

 

リングの表面には、あらかじめ、波模様のガイドラインを描いておき、そのラインを超えないように、注意深くタッチを重ねていく。

リングに波のリズムを与えるためには、そこに思い切りのよい大胆さも必要になってくる。

 

一つの波が終わると、次の波を削り出し、また隣の波を削る。

粗い目のヤスリから、細かい目のものへと変えて、もう一周。

そのような単純な作業を何度も繰り返しながら、手の中で少しずつ、思い描くフォルムに近づけていった。

 

同じリズムを繰り返す模様ではあるけれど、

やがて、そこに、ごく小さな揺らぎのようなものが生まれてくる。

その有機的な揺らぎに、どうしようもなく心惹かれてしまうのは、均整と変化に富んだ自然と対峙する時の感覚に、どこか似ているのかもしれない。

 

海から眺めた、いつかの屋久島。

暑くて、風がとても強い日だった。

海と島に包まれながら、同時にその一部でもあったことを思い出す。

かたちにしたかったのは、このリズムなのだと思った。

 

夏のリズム。海にまつわる結婚指輪づくりと、プラチナ、シャンパンゴールドのきらめき #屋久島でつくる結婚指輪

ずっと晴れの日が続いて、「7月ってこんなにも暑かったかな」と思っていたけれど、

雨が続くと、やっぱり実際は涼しくて、とても快適なものだった。

 

雨と言っても、夏の雨は気まぐれで、いっとき激しく降り続いたかと思えば、ぴたりと止み、そのあとには太陽が顔を出して、強い日差しが差し込んでくる。

長く乾いた日が続いたせいか、植物たちは、久しぶりの水に、ほっと一息ついているようでもあった。

 

雨が止むタイミングを待って、アトリエを出る。

坂道をずっと歩いて上がっていくと、花が大好きなご近所さんの生垣の合間から、ハマユウが、ぽこっと顔を出していた。

手のひらよりも大きな、白い花だ。

 

 

ハマユウの甘い香りに癒されて、アトリエに戻ると、

これから始まる結婚指輪作りの材料を、庭先でそっと手に取った。

 

眺めていて、またうっとりとしてしまう。

シャンパンゴールドとプラチナが、雨上がりのきらめきの中で、響き合っていた。

 

繊細なのに、とても力強い。

緑の中で、生き生きとした輝きを宿している。

夏の光に負けてしまうのでは、と思っていたけれど、それらの色彩は、むしろいっそう際立って見えた。

 

作業机に向かい、まずは最初の第一歩を。

 

「海に囲まれた暮らしをしているので、指輪にも、どこかに海を感じることができれば嬉しいです」

春先にアトリエでお会いしたおふたりの言葉が、ふと心に響いてきた。

 

ライターをかちりと鳴らして、ガスバーナーに火を灯した。

 

イエローゴールドは、低めの温度で扱っていく。

プラチナは、酸素トーチを使い、1300度以上の中で作業を進めていく。

硬さも手触りも、全く異なるふたつの金属を使う指輪作りだ。

手の中で、微妙な加減を調整しながら、これからぴたりと同じデザインに仕立てていく。

 

激しい雨を降らせたスコールが、また通り過ぎていく。

太陽の光が差し込み、虫の音が、力強く響き渡る。

 

夏のリズムの中で、思い切りよくタッチを繰り返していく。

少しずつ、少しずつ。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547