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重なり合う時間。潤いと緑の中で眺めるプラチナリング #屋久島でつくる結婚指輪

考えてみると、指輪作りのあいだは、雨がよく降った。

プラチナリングが少しずつかたちになっていくのと響き合うように、島の緑もまた、日に日にその濃さを深めていったように思う。

 

おふたりの結婚指輪の造形作業がひと段落したのも、そのような雨降りのタイミングだった。

 

リングの表面に目の細かい紙やすりをざっとかけると、ふたつの丸いフォルムが現れた。

それらはまるで、ずっと昔からここで寄り添っていたような、対のシルエットを持つリングだった。

 

まだ雨は降っていたけれど、庭先でふたつのプラチナリングを眺めることにした。

 

自然の光の下で、細部の造形を確かめたかったのもあるし、

おふたりのリングには、これから緑色の石をセットすることになっているからでもあった。

 

エメラルドは、その深い色調も、どきりとするような透明感も、水に包まれた屋久島の緑にとてもよく似ていると思う。

 

 

大きさの違う2本のリングは、それぞれの質量を確かに携えながら、

ぽつりぽつりと降り続く雨の中で、ふたつでひとつにも見えた。

 

形を成したプラチナリングは、おふたりと数えきれないシーンを分かち合いながら、これから長い時を寄り添っていく。

 

リングの内側には、繋がる模様を彫刻することになっている。

 

アトリエに戻り、2本のリングを重ね合わせ、

日付と名前、繋がる模様、そしてエメラルドのレイアウトを慎重に整えていく。

 

そうしているうちに、小さい方のリングがすっと大きい方の中に収まり、なんだか嬉しくなる。

出会うことって、とても素敵なことだなあと思う。

 

長く続く雨音に耳を澄ましながら、

最後の仕上げに向けて、静かに、ほのかな希望のなかで手を進めていた。