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水をめぐる、結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

春の新しい風が、島に漂っている。

独特の湿度を含んだ、芳醇でやわらかな空気だ。

森をつたい、里に注がれる雪解け水は、目が醒めるほどに冷たい。

植物たちは日ごとに鮮やかな色彩を取り戻していく。

 

島全体が喜び、歌うような時間を、今年もまた、飽きることなく眺めながら、ここ数日は作業机に向かっていた。

 

 

山茶花咲く冬から季節を超えて、指輪作りにご一緒いただき、ありがとうございます。

素敵なご縁にありがとう。今年をしめくくる結婚指輪の相談会 #屋久島でつくる結婚指輪

 

制作を始める前には、アトリエから森まで出かけ、深い緑の中を流れる滝を訪れた。

水をめぐる、おふたりの結婚指輪づくりを、祝福するようなひとときだったように思う。

 

体全体をめぐる水の響き。

満ちる余韻とともに。

 

素材となるプラチナは、2本とも同じ2.3mm幅で揃えた。

それぞれのサイズに合わせて厚みに適切な違いを持たせながら、お揃いのデザインで造形していくことになる。

 

くるりとリング状に巻いた地金の両端を糸鋸で落とし、断面がぴたりと合わさるように整えた。

その後、酸素トーチの炎でリングを包み、1000度を超える熱の中で、そのわずかな隙間にプラチナを流し入れ、リングを一つにする。

 

最初は手で曲げられるほどのやわらかさを持つが、

不思議なもので、ひとたび輪になると、プラチナは強固で揺るがない安定感を得る。

 

森の清流のような柔らかな手触りと、悠久の時の中で根を下ろす木々を思わせる確かな強さのようなものが、プラチナにはあると思う。

 

2本のリングを完全な円形に整え、表面を目の粗いヤスリでざっと削り落とした。

庭先にリングを持ち出し、そのシルエットを眺めてみる。

 

削り出し作業のベースとなる、端正なフォルムが整ったように思う。

料理で言えば、ひとまず下拵えが整ったところだ。

 

夕暮れが近づき、緑がぐっと深く色濃くなってきた。

プラチナは、一日の陽光の余韻を受けとめるように、静かで力強い輝きを放っている。

遠くからは、小さな波音が聞こえてくる。

春のあたたかな一日が、ゆっくりと過ぎていく。

 

まだ重たく、角ばったプラチナの奥に、わたしたちがともに思い描いてきたリングのシルエットを、静かな気持ちで眺めていた。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

屋久島の響きをまとう。オーダーメイドでお仕立てしたイエローゴールドのバングル #屋久島でつくる結婚指輪

ひさしぶりの制作だった、大好きなバングル。

k18イエローゴールドでお仕立ていたしました。

屋久島の緑と響き合うひととき。

 

彼とお会いして、オーダーメイドのご縁をいただいたのは、年明け早々のことでした。

目には見えない磁力のようなものに導かれて、巡り合えるところが、屋久島の素晴らしいところだと思います。

素敵な出会いに、ありがとう。

 

わたしもバングルが大好きで、

以前はシルバーのボリュームのあるタイプを愛用していましたが、

いまの気分には、このようなゴールドやプラチナの、すっきりとしたスタイルがとてもしっくりきます。

 

2.2mm幅のゴールドは、

その強度をさらに高めるため、金槌でコンコンと叩いて仕上げています。

側面と表面には、その跡がやわらかな凹凸となり、有機的な装飾として残りました。

 

バングル特有のつけ外しがスムーズにできるよう、

エンド部分をくるりと巻いてあるのは、

わたし自身の使用経験からくる、おすすめのスタイルなのです。

 

それにしても、イエローゴールドの存在感はすごいです。

こんなにも繊細なデザインなのに、

手の中にはしっかりとした重みを感じることができ、

一生の相棒になってくれそうな安心感が伝わってきました。

 

光沢仕上げを施したバングルが、まるで鏡のように島の緑を映し、

春の爽やかな空気と響き合っています。

 

大切なジュエリーの制作をお任せいただき、

本当にありがとうございました。

 

屋久島から東京へ。

 

彼が魅せられた、屋久島に漂う神秘のようなものも、

このバングルとともにお届けできれば嬉しく思います。

 

 

 

つながるシダ模様の指輪 #18k #yellowgold #屋久島でつくる結婚指輪

material: 18k yellow gold
size: 2.5mm

Delivery time is within 3 months.
Made by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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The Story of the Fern Rings When Two Things Meet, Something Wonderful Happens #YakushimaCustomRingStories

春にふれる日、ナノハナの指輪をまとって #屋久島でつくる結婚指輪

やわらかな風の吹く、お出かけ日和。

装いも軽やかに、春にふれたくなるこの頃です。

 

「いまちょうど咲いてるよね」と選んだ、ナノハナの指輪。

 

久しぶりの友人と過ごしたひとときに、

小さな微笑みのような、明るい輝きを添えてくれました。

 

ナノハナの指輪2 18k yellow gold, diamond

 

ナノハナの指輪は、エンゲージリングとしてお選びいただいたり、お名前にちなんでお作りすることもありますが、

やっぱり、たくさん使うことができると嬉しいですよね。

 

休日のお出かけに。

大切な記念日に。

 

日々の暮らしの中に、親しく寄り添うジュエリーになれば、素敵だと思います。

 

素材は、K18イエローゴールドとダイヤモンド

シンプルで普遍的な組み合わせです。

 

およそ5mmのお花を3つ、1.6mm幅のリングに添えた、とても繊細なフォルムですが、

手の中には、ゴールドの確かな重みが感じられ、

つけ心地はとても安定しています。

 

野に咲く花々のように、

リングひとつひとつに、それぞれの表情が生まれて仕上がるところが、ハンドメイドの魅力です。

 

屋久島から皆さまへ、

一輪の花をお届けするように、

昔ながらの手作業でお仕立てしています。

 

春。始まりの季節。

海沿いの畑に、いつもの散歩道に、

黄色い光が風にゆらめきます。

 

真摯に煌めくその佇まいを眺めていると、心癒されます。

「今日にありがとう」と、優しい気持ちに包まれます。

 

この静かな喜びを、皆さまと分かち合えたら、とても嬉しいです。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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The Story of the Fern Rings When Two Things Meet, Something Wonderful Happens #YakushimaCustomRingStories

Spring sunlight filtering through the leaves cast a gentle shadow on the rings.

The fern pattern engraved on the surface looked like new life, as if it had been created by that shadow.

The rings shone softly, as if enjoying the warmth in a small forest.

 

 

We met in my studio at Yakushima South and found a beautiful idea for their rings.

It was an inspirational moment, surrounded by the crisp air of early winter.

Linked Fern Leaves, when the two rings come to life on Yakushima

 

Making two rings with flowers that herald spring on this southern island.

Thank You, As Always. In a small forest near my studio. #YakushimaCustomRingStories

 

The rings are now complete,  and fiddlehead ferns can be seen everywhere these days.

We spent the whole winter together making their rings.

Thank you for your warm support throughout this process.

 

Looking at the rings in the green forest, I was filled with the joy of something newly born.

 

The yellow gold harmonizes with the green of the forest.

That softness probably comes from the matte finish.

 

The same fern pattern is engraved on the surface of both rings.

When the rings are placed together, the pattern becomes one.

 

Both rings have the same width of 2.5 mm.

Through the softly squared profile, the reassuring weight of yellow gold can be felt.

 

As I held the rings in my hands, I thought of you both and felt so warm.

 

In a joyful shimmer, like the smile of spring.

 

When things meet, something wonderful happens.

 

I saw a lovely sunset on the evening before shipping the rings.

Thank you, Yakushima, for always watching over our ring making with such warmth.

And yes, we are walking into a new chapter.

Someday, perhaps we can meet again.
I would love to hear the next chapter of your story.

From Yakushima South, where spring is beginning to fill the air.

 

満ち欠ける月と、シャンパンゴールド、プラチナの結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

おふたりのリングを作っているあいだに、島では桜が満開を迎えた。

北部まで車を走らせ、お気に入りの公園で、ひらりと風に舞う薄ピンク色の花びらを眺めながら、作業の合間のひとときをゆっくりと過ごすこともできた。

 

最初はゆっくりとした歩みで始まった制作だったが、春の訪れに肩を並べるようにして、とても滑らかに進んでいった。

ふたつのコンビネーションリングは、造形の工程をひととおり終え、いまはやわらかで洗練されたフォルムを纏っている。

 

月は満月を経て、右側が大きく欠け始めた。

おふたりが島に来る日に向けて、また新しい段階へと、指輪作りを進めていく時がやってきた。

 

そっと両手で包み込み、励ますように。

わたしたちの指輪作りにいつも寄り添っていてくれた島の季節に、ありがとう。

 

かけがえのない巡り合いに育まれた、この一度だけの日々を愛おしく思いながら。

 

リングを丸く磨き上げると、側面から表面にかけて、ほんのりとシャンパンゴールドが色彩を現した。

真横から見ると、それは満月のような黄色い輪になり、

角度を変えてみると、今度は細い三日月のようにも見えた。

 

プラチナは、その黄色い光と互いに支え合うように隣り合っている。

ひとつの小さなリングの中で、二つの金属はそれぞれの個性を持ちながら、同時にひとつでもある。

 

自然の巡りにインスパイアされて生まれたデザインではあるけれど、

あるいはそれは、わたしたちが出会い、育んでいく時間にどこか似ているのかもしれない。

 

1.8mmと2.0mm

細身のリングの内側に、これから大切な細工を施していく。

おふたりだけが知っている、永遠に刻まれる印だ。

 

それにしても、やさしさに満ちた光だ。

熱帯の島では、春と秋はとても短い。

 

じきに日差しは強くなり、

リングが完成する頃には、アトリエの庭にはハイビスカスもたくさん咲いているだろう。

 

5月になれば、散歩道では白百合や紫陽花に出会うことができる。

 

しとしとと雨も降り始め、島全体が重たい湿度に満たされていく。

そんな季節を、どこか胸躍る気持ちで待っている。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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春のひかり。屋久島からお届けする、桜と菜の花のジュエリー #屋久島でつくる結婚指輪

 

春の喜び。さくらの指輪。

ふわりとカラフルな季節になりました。

 

 

一年ぶりに出会う、やわらかなひかり。

 

日々の暮らしの中で出会う感動をジュエリーにかえて、

屋久島からオーダーメイドでお届けしています。

 

さくらの指輪 18k pink gold, platinum, pink sapphire

 

1mmほどのピンクゴールドのリングをベースにお仕立てした、繊細なデザインです。

プラチナでかたどった花びらの中央には、ピンクサファイアをあしらいました。

 

桜は、その儚さもまた魅力ですが、

美しい瞬間をいつも纏うことができたら、本当に素敵です。

 

繊細なデザインを長くご愛用いただけるよう、

昔ながらの手作業で、しっかりと丈夫にお仕立ていたしました。

 

いつもの公園にて。

 

さくらの花びらは、プラチナもいいし、
ピンクゴールドとダイヤモンドの組み合わせも綺麗だろうなあ。

 

包まれる春の光があまりにも心地よくて、

つい想いを巡らせてしまいます。

 

大切なひとに花束を手渡すように。

日々の想いを重ねて。

 

サイズや素材をお好みにアレンジし、みなさまに一つだけのジュエリーをお届けしています。

お名前にちなんだ花のデザインも素敵ですね。

 

サイズゲージの貸し出しも、お気軽にお声がけください。

 

ご予算に応じたご提案も承っておりますので、

こちらへご連絡いただけましたら、より細やかに対応させていただけます。

 

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ナノハナの指輪 18k yellow gold, diamond

 

ふわり、

あたたかなひかりを纏うように。

菜の花をかたどったゴールドリング。

 

三つのお花にダイヤモンドを散りばめ、

k18イエローゴールドでお仕立てしました。

 

ナノハナのネックレス 18k yellow gold, diamond

 

小さく一輪。

さりげなく、それでいて印象的なネックレスが大好きです。

 

イエローゴールドは耐久性が高く、変色にくい素材なので、

ずっと身につけたままで過ごせるのも嬉しいところです。

 

いつもの暮らしに、きらりと輝きを添えてくれますように。

 

 

長くお使いいただき、磨き直しを重ねながら、その輝きを育んでいく。

そんなリズムの中で、ジュエリーはより深い味わいを宿していきます。

 

時間の経過そのものが一つの装飾となり、

ジュエリーは世界に一つだけのものへと育っていくのかもしれません。

 

そのような時間にメンテナンスという形で関わらせていただけることが、わたし自身にとっても大きな喜びです。

心を込めてメンテナンスの作業をさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。

お選びいただいたジュエリーのメンテナンス、お修理につきまして #屋久島でつくる結婚指輪

 

屋久島でつくる結婚指輪

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屋久島の季節を纏うように。島で出会う草花や海、月星をモチーフにしたジュエリーを作っています

 

海の向こうの皆さまに、オンラインでオーダーメイドのご相談を承っております。

 

お二人だけの結婚指輪が出来上がるまでの流れ、素材、価格

 

インスタグラムでこれまで作ったジュエリーを見ていただけます!

ラウンドシェイプとスクエアシェイプのあいだ、ややラウンド寄り #屋久島でつくる結婚指輪

海から伸びる大きな虹に出会った日。

よく見てみると、それはダブルのアーチでした。

 

この季節は、しばしば強い風雨が島を通り抜けるたび、

景色は生命感に満ちたダイナミックな変化を見せてくれます。

南国に訪れた、春のリズムです。

 

 

ちょうど皆既月食もあったので、制作途中のリングのことを思いながら、長い時間、月を眺めていたりしました。

月にまつわる結婚指輪作り。

春への扉、プラチナとシャンパンゴールドの結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

 

月の満ち欠けが一巡りして、また満月に戻るころ、

月はすべての事象に、祈りのようなやさしく慈悲深い光を投げかけていました。

 

自然が織りなす奇跡のような美しさを眺めていると、わたしたちの暮らしを支えるすべてのものが、ここから生まれているのだということに気づかされます。

おふたりとは、空気の中に漂う神秘のようなものを愛おしむ気持ちで、やわらかにつながっているのかもしれません。

 

ラウンドシェイプとスクエアシェイプのあいだ、ややラウンド寄り。

 

おふたりとは、ビデオ通話をしたり、サンプルリングをお送りしたりしながら、じっくりとデザインのお打ち合わせを重ねてきました。

 

表面は丸く、やわらかなつけ心地に。

側面には程よく平らな部分を残し、すっきりとシャープな印象に仕立てています。

 

メンズ、レディースともに細身のデザインですので、

強度を支えるボリューム感には、特に気を配りました。

 

数ヶ月をかけてご一緒したオーダーメイドの日々から生まれたフォルムです。

島リズムのゆっくりとしたペースでしたが、長いあいだお付き合いをいただき、本当にありがとうございます。

 

彼とはサイズが近しかったので、指馴染みを確かめてみます。

軽やかだけれど、プラチナとシャンパンゴールドの重みをしっかりと感じられる、安定感のあるつけ心地です。

 

もう少し内側を丸くやわらかに造形すれば、きっと日々の快適さはさらに増すだろう。

そのような手応えもありました。

 

そして、全体を綺麗に磨き上げると、いよいよ仕上げ前の一区切りを迎えることになります。

 

指輪作りの工程は、おおむね七割に達したというところです。

 

島には春が訪れ、なんだか湿度も増してきたように感じます。

日に日に躍動感を増していく植物たちの、なんて生き生きとしていることでしょう。

ミストに包まれたこの熱帯感を久しぶりに思い出し、心も体も癒されています。

 

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春への扉、プラチナとシャンパンゴールドの結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

新緑の季節、おふたりが屋久島にお越しになる日に向けて、結婚指輪を作っている。

プラチナとシャンパンゴールドで紡ぐ、コンビネーションリングだ。

 

これまで一緒に育んできたイメージが、手の中で、少しずつ実際の形となっていく。

春への扉を思い切りよく開いたように、屋久島サウスではあたたかな風が吹き付け、木々は少しずつ緑色を濃くしてゆく。

 

そのような時間を前にすると、胸の奥に、ぐっとあたたかな感慨が込み上げてくる。

 

屋久島が祝福に包まれる春。

おふたりにとって、新しい始まりを迎える日へと近づいてゆく時間は、いつも爽やかな喜びに満ちている。

 

さて、今日のアトリエです。

ぴたりと合わさったプラチナとシャンパンゴールドを、丸くやわらかなフォルムへと削り出す工程が始まった。

どちらも硬くて耐久性の高い金属なのだけど、ゴールドには強固な安定感があり、プラチナにはしなやかな強さがある。

 

その両者が接するラインのある表面に、なだらかなカーブを描くため、微妙な手加減を加えながら鉄工ヤスリでガリガリと削り落としていく。

 

まずは目の粗いヤスリから始め、少しずつ目を細かくしながら丸く整えていく。

作業机の上に、キラキラと輝く衣を脱ぎ捨てるようにして、すっきりとしたフォルムが現れ始める。

 

リングの表面に均一でスムーズな流れを作り出すために、休むことなく一気に手を進めていかなくてはならない。

 

目指すべきリングの姿は、大きな金属の奥の方に見えている。

 

タッチを重ねるたびに、自分自身の中にある深い部分へと入っていくのがわかる。

まるで森の中を歩いているような感覚が、とても好きだなと思う。

 

ふと我にかえり、リングを作業台の上に置くと、大まかな造形が取れていることがわかった。

左右の均整も取れている。少しずつ目減りしていく寸法も予定通りの進捗だ。

わたしなりに大切にしているいくつかの項目を確認できたところで、ここでようやく作業の手を一度止めることにした。

 

朝の散歩で、山の麓に広がる森を歩いた。

深い緑に包まれた道を歩きながら木々を見上げると、その世界を包み込むひかりが眩しくて、思わず目を細めた。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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制作編

シャンパンゴールドとプラチナ。海と月の結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

シャンパンゴールドとプラチナ。海と月の結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

夕暮れの時刻が、少しずつ遅くなってきている。

午後6時を過ぎても、西の空はまだ、ほのかに明るい。

これも、島に訪れた春からの贈り物なのかもしれない。

そう思うと、なんだか幸運に恵まれたような気持ちになり、海の見える丘まで車を走らせ、久しぶりにサンセットを眺めていた。

 

海を眺めると、ちょうど山の向こうへ太陽が沈む頃合いだったようで、空がオレンジ色のグラデーションを描いていた。

色彩の移ろいは、刹那の出来事でありながら、永遠に触れているかのような静けさを湛えている。

まるで花が咲き連なるように、時間が重なり、やわらかく彩られてゆく。

 

ほんの数分だったのだろうか。あるいは、もっと長い時間だったのかもしれない。

気がつけば、あたりはずいぶんと暗くなってきていた。

 

そろそろアトリエに戻り、作業の続きを進めていかなくては。

遠くの方から、冷たい海風が漂ってきた。

 

 

長く下準備を続けてきた工程を経て、アトリエではいよいよ本格的な造形作業に入ることになった。

 

立体的なフォルムに鋳造したプラチナとシャンパンゴールドを、ぴたりと合わせていく。

バーナーの炎に包み、1000度近くまで地金の温度を上げたところで、その隙間へ融点の低いゴールドをすっと流し込んでいく。

 

重ね合わせた金属同士がずれてしまわないように、温度を上げすぎて溶けてしまわないように、細心の注意を払いながら、慎重にタッチを重ねていく。

序盤から立ちはだかる難所ではあるが、道は確かに見えていたように思う。

 

まず彼女のリングを無事につなぎ終え、そのまま間を置かず彼のリングに取り掛かる。

風を切り走りながらバトンを渡すように、交互に同じ工程を繰り返していく。

 

溶接作業を無事に終え、リングの表面を紙やすりでざっと削り整えると、そこに二つの色が現れた。

 

シャンパンゴールドが側面から内側を形づくり、

表面から側面へと連なる部分は、プラチナが担っている。

 

その佇まいからは、揺るがない落ち着きのようなものが感じられる。

 

素性の異なるふたつの素材を、うまくつなぎ合わせることができたように思う。

仕上がりの美しさと、暮らしに寄り添う強さを左右する大切な工程を無事に終え、ほっと肩を撫で下ろしていた。

 

海からの帰り道、空に白い月を見つけた。

車を走らせるたびに、月は大きくなったり、小さくなったりする。

 

海で眺めたサンセットもそうだけれど、場所や時間が変わるだけで、光は実に豊かな表情を見せてくれる。

それが興味深く、いつも夢中になってしまう。

 

ジュエリーづくりのインスピレーションは、すべてここにあるように思う。

 

おふたりの結婚指輪が、いつも新鮮な喜びを、日々の暮らしに添えてくれるものになれば、どれだけ素敵なことだろうと思う。

 

色彩でつながる、ベビーリングのかたち #屋久島でつくる結婚指輪

山の裾野に続く段々畑に、ひまわりが咲いた。

秋には稲穂が波打つこの場所では、その季節までのあいだ、ひまわりやコスモスが育てられ、土を豊かに整えてゆく。

 

ひまわりと稲穂は、なんとも南国らしい取り合わせだと思ったけれど、

そういえば、その両方がご家族のリングのモチーフになっていた。

豊かな響き. 屋久島からお二人にお届けする“稲穂模様の結婚指輪” #屋久島でつくる結婚指輪

 

結婚指輪をお届けしたおふたりに、赤ちゃんが生まれた記念としてお作りしている小さなリングは、造形の工程を無事に終えたところだ。

 

これから刻印を入れ、誕生石をセットして、いよいよ完成を迎えることになる。

その前に、三つの金属により紡がれたフォルムを眺めておこうと思う。

爽やかな青空の下で煌めいていた、あの光の印象とともに。

 

イエローゴールドとピンクゴールド、プラチナがちょうど三分の一ずつ並んだ。

ころりと丸いラウンドシェイプは、お父様とお母様のリングとお揃いのデザインである。

 

それぞれは確かな個性を持った金属であり、

同時に、ひとつのリングでもある。

 

三人家族だから三色。

四人家族なら四色。

いずれは、大家族にもチャレンジしていきたい。

 

ご家族の大切な想いに導かれるようにして出会えた、ひらめきだった。

ベビーリングの素敵なアイデアが生まれたように思う。

 

はじめて結婚指輪作りのご相談をいただいてから、もう3年を過ぎたけど、

いつもあたたかな気持ちを、ありがとう。

 

ゆっくりと育まれゆくご家族の時間のそばで、こうしてひとときご一緒をできることを、何よりの幸せに思いながら。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
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制作編

家族の時間を受け継ぐ、小さなリング #屋久島でつくる結婚指輪