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雨の香り プラチナとダイヤモンドで紡ぐ、アジサイの指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

アジサイの指輪 platinum, diamond

 

アジサイをモチーフに仕立てたエタニティリング。

長く続いた制作を終えると、

屋久島サウスには、久しぶりの雨が降り始めました。

 

まるで新しい季節の訪れを告げる合図のような雨。

 

春が深まり、庭先に雨の香りが漂うと、

「もうすぐ紫陽花の季節がやってくる!」と、胸が高鳴ります。

 

まるで水の中にいるような、静かな時間。

島に暮らすようになってから、雨の日が大好きになりました。

 

ポツリ、ポツリ。

柔らかな雨音に誘われるようにして庭先に出てみると、

深い緑の中に、ぽこぽこと紫陽花の青や紫が散らばっています。

 

紫陽花は、キュッと集まっている佇まいが、なんとも愛おしいのですよね。

大切そうに抱いている雨の滴は、まるでダイヤモンドの煌めきのようにも見えます。

 

リングの素材は、お二人とご一緒したオーダーメイドで初めて生まれた組み合わせです。

 

光沢仕上げのプラチナに、クリアカラーのダイヤモンドを一周セットすると、

透明感のある、瑞々しい仕上がりとなりました。

 

とても小さなリングなのに、

手にすると、静かに想いがあふれてくるのは、

島の雨の中で紫陽花を眺める時間に、どこか似ているのかもしれません。

 

大好きな屋久島の時間から生まれたジュエリーだと思います。

ありがとう。

この喜びを、お二人と分かち合うことができることを、何よりも幸せに感じながら。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

春の花とシルバーリング。無垢な手触りと宿る強さについて #屋久島でつくる結婚指輪

お二人の結婚指輪を作っている間に、アトリエの庭先には、春の花が次々と咲きはじめました。

黄色やマゼンタ、ピンク色。

名前も知らない草花もありますが、懐かしい顔ぶれとの再会に心を踊らせながら、作業机に向かっています。

 

ゆっくりと、けれど力強く、確かに歩みを進める植物たちにペースを合わせるように、ですね。

作業もいよいよ終盤へと差し掛かりました。

 

シルバーリングの表面を丸く柔らかに、

そして側面にはフラットな部分を残して、すっきりとした印象に仕上げていきます。

 

手にする道具は、粗さの異なる鉄鋼ヤスリを3本。

あとは、手の感覚を頼りに、少しずつタッチを重ねていく。

 

これまでに何度となく、似たシルエットのリングを作ってきたけれど、

生まれてくる形がいつも新しいところが、手作業の大好きなところです。

 

お二人との出会いや、島の季節に導かれるように、少しずつ、少しずつ。

 

まずは彼のリングから。

ガリガリと、静かなアトリエにリングを削る音が響きます。

はるか昔から変わらない手作業であります。

 

彼のリングがある程度形になったところで、今度は彼女のリングを削り出す。

二つのリングのバランスを整えるように、交互に磨き上げていく。

片方が少し進めば、もう片方がそれに追いついていく。

シーソーのような工程を繰り返しながら、何日かを過ごしました。

春の穏やかな風と、散歩途中のネコくらいがアトリエのまわりを通り過ぎていった、とても静かな時間でした。

 

月見草が咲いていることに気がついたのは、ちょうどシルバーリングのアウトラインにカーブを施し終え、そのシルエットを眺めようと庭に出た時のことでした。

そういえば、シルバーには、開いたばかりの花びらのような、無垢な手触りを感じることがあるなあ。

 

彼女の2.0mm幅と彼の2.6mm幅。

柔らかな曲線をまとい、とてもピュアな佇まいです。

 

この優しい雰囲気をそのままに、長く安心してお使いいただける丈夫さを持つというのが、理想としているところ。

これから金属をキュッと引き締めながら、強く仕上げていきます。

 

あと少し。

ゆっくりと時間をかけて仕上げ作業を施し、リングはやがて、洗練されたフォルムへとたどり着くわけですが、

出来上がりはもう少し先のお楽しみに。

 

屋久島から海の向こうに暮らすお二人にお届けするシルバーリングの完成編は、また別のお話で。

 

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制作編

暮らしに寄り添い響き合う、シルバーの結婚指輪を作る #屋久島でつくる結婚指輪

暮らしに寄り添い響き合う、シルバーの結婚指輪を作る #屋久島でつくる結婚指輪

夜明け間近の月は、水平線の近くに浮かんでいた。

ちょうど満月を過ぎたところだったのかもしれない。

 

まだ5時過ぎだったけど、空はほんのり明るくて、1日を早くスタートできたような気がして、嬉しかった。

 

作業を始める前に海で時間を過ごすことができるのは、島暮らしならではの喜びだと思う。

 

 

お二人とは、指輪作りの始まりに、一度お電話で話しました。

わたしもずっと街で暮らしていたけれど、

自然に近い暮らしへの憧れで、お二人とはつながっているような気がしています。

屋久島の緑とシルバーと 心躍る結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

 

「これから自然に近い場所で暮らしていきたいです!」

結婚指輪作りの始まりに、お二人はそう話してくれた。

 

シンプルで、体の一部のように優しく馴染むシルバーリング。

 

きっと、これからの暮らしには、手を動かす時間もたくさんあるはずだから、メンテナンスのしやすさも考えて、プレーンなスタイルのデザインを選んだ。

 

シルバー特有の柔らかく優しい手触りの中に、しっかりとした強さを宿すよう、丁寧に仕上げていかなくてはならない。

 

さて、アトリエです。

くるりとリング状になったシルバーは、造形を施す前にひと作業を加えておく。

金槌でコンコンと、表面を、そして側面を叩いていく。

こうしておくと、シルバーの組成が圧縮されて、グッと硬くなる。

リング全体が一回り小さくなるくらいまで、しっかりと力を込めて叩いていった。

 

表面にできた凸凹はこれから削り落としていく。

タッチの形跡は全て消えてなくなるけれど、それは、料理で言うところの下拵えのようなものかもしれない。

 

表面に現れないところが、実は手触りや感覚にダイレクトに響いてくる。

とても大切な工程だったりもする。

 

金槌を使った作業を一通り終えて、リングを手に取ってみると、しっかりとした安定感のようなものが伝わってきた。

 

優しさと確かさと。

煌めきと静けさが、同時に存在する感じ。

 

島の光、風のリズム、草木や海、出会う人々も。

すべてが調和の中で紡がれてゆく。

 

目の前にあるシルバーリングも、この大地から生まれたものだと思うと、腑に落ちる感覚がある。

 

お二人は、どんなふうに出会ったのだろう。

そんなことを、不意に思った。

 

すべてと響き合いながら、長い時間をかけてゆっくりと育まれゆく。

野原に咲いた一輪の花みたいな、澄んだ美しさを宿す指輪になればいいと思う。

 

 

 

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屋久島の緑とシルバーと 心躍る結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

4月のいきいきとした色彩が、島を豊かに包み込んでいる。

山々に広がる緑は、なんとも多様で、そして力強い。

 

毎年のことのはずなのに、新緑の季節が訪れるたび、どうしてこんなにも心が躍るのだろう。

アトリエの窓から差し込む、南国特有のまばゆい光に癒されながら、新しいジュエリー作りに取り掛かっていた。

 

シルバーを小さな耐熱容器に入れ、ガスバーナーの炎を最大まで強めて、まわし当てる。

赤く輝きながら、金属がゆっくりと液体へと変わっていく。

その瞬間を見計らって、すっと鉄の枠に流し込む。

まずは最初の第一歩だ。

 

藤の花が咲いていることに気がついたのは、作業が一段落し、休憩を兼ねて庭先に出た時だった。

アトリエの西側、いつもの場所に、房のように集まった紫色の花が風に揺られている。

「そうか、この季節に咲くのだった!」と、嬉しい驚きがあった。

背丈よりも高いところに咲く花を見上げると、その隙間から差し込む西陽が眩しくて、思わず目を細めた。

 

気持ちを新たにして、アトリエに戻る。

棒状に固めたシルバーを引き伸ばしながら、その形状を整えていく。

ときおり、バーナーの火を当てて金属を柔らかくし、目当ての寸法になるまで、何度も圧縮を繰り返す。

少しずつ、フォルムが端正になってゆく。

 

作業場はとても静かで、いつもとは違う時間が流れているように感じられる。

深いところで、とてもゆっくりと流れていく。

 

目当ての寸法に整えたシルバーは、お二人のサイズに合わせて、くるりとリング状に巻いた。

冷たいはずなのに、そこには小さく宿るあたたかさを感じることができる。

 

これまでお二人と育んできたイメージが、今ここで、かすかな手応えとなって、形を帯びつつある。

 

 

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ツワブキのピアス、ツワブキのネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

material: 18k yellow gold, diamond
size: 7.0mm and 8.0mm  flower, 2.3mm diamond

Delivery time is within 1 month.
Make by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約1ヶ月。

 

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喜びのとき。屋久島に咲く花をかたどって、ネックレスとピアスを作りました #屋久島でつくる結婚指輪