夏の始まりは、南国の鮮やかな色彩に包まれて、お二人の大切なご結婚記念のジュエリーを作っている。
早朝の太陽を眺め、涼しいうちに作業机に向かい、
不意に訪れるスコールに癒される、
いつもの南国のリズムで。
丸い形に削り出したゴールドは、3つずつ寄せ合わせて、ひとつのかたちにしていく。
ガスバーナーの炎に包み、高温の中で融点の低いゴールドを隙間に流し込みながら、しっかりと接続した。
強度を保ちながら、軽やかで、動きのある印象を宿すことが、とても大切なところだ。
ゆらゆらと煌めく、ひかりのようなジュエリーに仕立てたい。
考えてみると、
太陽や月だったり、雨の雫だったり、木漏れ日も、自然の中には、丸いかたちがたくさんある。
ふとした瞬間に、その柔らかで力強いシルエットに出会うと、不思議と心が励まされる。
最近、お気に入りのカフェの庭に咲いていたプルメリアも、ふわりと丸くて、可愛かった。
屋久島が大好きなおふたりも、きっと同じような気持ちをお持ちかもしれない。
素敵なご縁に、心からありがとう。
はるか海の向こうに思いを巡らせながら。
今回は、イヤリング用の2個に合わせて、ピアス用に同じものをふたつ作った。
おふたりの幸せなジュエリー作りのお裾分けみたいに。
ここからは、それぞれにイヤリングとピアスの金具を組み合わせていく。
スムーズで、滑らかなつながりを目指しつつ、いくつかのタッチを加えていく。
いよいよ、完成まであと少しといったところだ。
制作編