朝になると久しぶりにスッキリ晴れ間が広がっていた。
まるで昨日激しく降った雨が島の空を洗い流したようだった。
散歩道にあるお気に入りの場所ではポコポコ紫陽花も増え始めてきた。
こちら屋久島サウスでは明日にでも梅雨入り速報が出そうだけど、
その前に大きく一呼吸といったとこだろうか。
今のうちに!と、今朝はいつよりも少し長い距離を歩くことにした。
アトリエに戻ってコーヒーを入れて、半熟タマゴサンドを食べてからの今日のジュエリー作りです。
くるりと巻いたプラチナの線。
ここまでは木槌などを使ってコンコンと曲げることができるほど柔らかな素材でありますが、
両はしを接続してリング状に造形すると、その途端にビクともしなくなるのが不思議なところ。
強靭な、何十年もの間使うことのできるリングとなるのです。
くるりとする前はこのようなカチリとした線状のプラチナ素材でありまして、
お二人と一緒にデザイン作りをして出来上がったサンプルリングと
お二人からいただいた手紙を近くに置いて、
これから始まる指輪作りの地図の代わりとした。
1000度以上の高温となる酸素トーチで火を当てて
こんこんと。
10回、20回とハンマーで叩き、
プラチナの線をリング状に形成しています。
頑丈に。まん丸に。ぴったりのサイズに。
そんなことをイメージしながら作業机に向かっていると、
お二人と進めたデザイン作りのいろいろが何気なく蘇ってきて、
なんだかあたたかい気持ちに包まれた。
一人だけど、3人で一緒に作業をしているように思えてグッときた。
幅2.3mm、厚み1.7mm、サイズ8号(のちの加工を経て厚み1.5mm、10号になります)のリングが出来上がって、
窓の向こうを見ると、空がオレンジ色に染まっていた。
うん。明日もきっと良くなる。
最近は7時ごろになると広がる夕焼け空。
朝からずっと作業して、ここにたどり着くと今日もおつかれさまー、とホッとした気持ちになります。ホントいろんなことがありますが、できることって、ただただ1日をキュッと過ごすことだけなのかなあと思います。
明日も穏やかな五月の日となりますように。
制作編