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ピンクゴールドからシルバーへ。静かな夏の日々の記憶 #屋久島でつくる結婚指輪

カメラを空に向け、シャッターを切ると、トンボたちがフレームインするようになってきました。

いよいよ八月も後半にさしかかりました。

 

そういえば、夜明けはいつの間にか遅くなってきたように感じますし、

この頃は、夕焼けがオレンジ色に染まる光景にも、よく出会う気がします。

そろそろ、美味しいかぼちゃも市場に並ぶ頃でしょうか。

 

深みを帯びつつある島の季節に、胸を高鳴らせつつ、

もう少し夏が続いてほしいような気もしているこの頃です。

 

さて、アトリエでは、新しい作業が始まっています。

これまでピンクゴールドで作り進めていた、菜の花の指輪と対になるシルバーリング作りです。

 

お花のフォルムをそのままかたどった彼女のリングに対して、彼のリングは、シンプルな平打ちのデザインで造形を進めてまいります。

ふたつのリングには、素敵な繋がりをもたせて仕上げていく予定なのですが、それはまたもう少し先のお楽しみにとっておきましょう。

 

まずは、シルバーの板をローラーに通すところから。

寸法に微調整を加えながら、目標の数値に近づけていきました。

 

シルバーは、ゴールドやプラチナと比べ、柔らかい傾向のある金属なので、

強度を高めながら工程を進めていくことがとても大切になってきます。

 

これは、つけ心地や耐久性を支える重要なところ。

表には現れない部分を、しっかりと頑張っていきます。

 

くるりと丸く造形したシルバーリングには、

金槌で強く打ち付けて、さらに圧縮をかけていきました。

 

表面をコンコンと打ち付け、そして側面も。

リングの幅と厚みが0.2mmほど圧縮されるまで、何度も同じタッチを繰り返していきます。

 

工程をひと段落すると、金槌で叩いた深い痕跡を、リングの表面にしっかりと見ることができました。

その凸凹した表層部分を、鉄鋼ヤスリで削りとり、いよいよここから本格的な造形作業を始めることになるのです。

 

ふと、ざーっと音が聞こえてきて、窓の向こうに目をやると、

久しぶりに雨が降り始めていました。

かと思えば、すぐに雨雲は海のほうへと遠ざかり、夏の強い日差しが、またアトリエを包み込みました。

 

いつも変わらない、島のリズムだけど、

こうしてゆっくりと手を動かし続けていると、なんだかとても、心が平らになっていきます。

 

このようにして、愛おしき夏の日々は、静かに繰り返されていくのでした。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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制作編

あこがれの結婚指輪に出会うとき。ピンクゴールドとダイヤモンドで紡ぐ、ナノハナの指輪 #屋久島でつくる結婚指輪