激しく雨が降って、太陽の光が降り注いで、植物たちがまた大きく育っていた。紫陽花はこれからもっともっとモコモコ島を飾っていくのだろうなとワクワクした。ひそやかに、もう少しの間降り続いてほしいな、とも思った。
というのも、今年は晴れ間が多いような気がする6月の屋久島サウス。太陽が昇るとアトリエはもう南国調なのである。
結婚指輪をお作りしているお二人もアトリエに来てくれて、サンプルリングをお試しいただいたりサイズを測ったりできた。こうしてリアルで対峙することができると、出来上がりのイメージが容易になるのでありがたい。
遠くから会いに来てくれて本当にありがとう。素敵だったお二人のバイブレーションを再び感じながら。
屋久島と響きあう、オーダーメイドする結婚指輪。小さなリングに宿る息吹とは。
全てが一人での作業になるので、オーダーメイドで結婚指輪を生み出すのはどうしても限られた数になってしまう。時にはオーダーに対応し切れないケースもある日々で、何をピックアップして進んでいくべきかを最近はよく考える。もうこれは昔ながらの考えになってしまっているのかもしれないけれど、関わり合い深く、つながり深く過ごせる時間を大切にジュエリーを作っていきたいと思っている。あるいは、確かに失われつつあるモノづくりのスタイルだからこそ、いっそう貴重になってくるのではないだろうか、とも。
そんな職人気質にお付き合いいただいて、お二人にはホントに感謝の気持ちしかない。
さあ、時間だ。彼女のリングをじっくりと造形してゆこう。
作業途中に眺めるプラチナの表情が好きだ。金属もこの大地から生まれたものなのだなと、しみじみと思う。有機的な質感を通して果てしない時間軸を感じることができるのだ。
表面は柔らかにラウンドさせて造形をした。シャープな印象でお使いいただけるように、側面には平面をしっかりと残してゆきたいところだ。あたたかさとクールさと、シンプルなリングの中にさまざまな表情を感じることのできる造形に仕上げてゆきたい。
屋久島でつくる結婚指輪
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