久しぶりに晴れた!
空を見上げるだけでなんだか嬉しい。
そんなささやかな思いを誰かと語ることができるのも幸せかもしれない。
ちょうど彼のリング作りを始めるタイミングだったので、その前に海まで出かけてみた。
裸足で浜辺を歩いてリフレッシュして作業机に向かうことできるのは島暮らしならではの喜びだと思う。
思えば長く雨の続いた制作days。
気がつけば海で過ごす時間がとても大切なものになっていて、
ジュエリー作りのひらめきのようなものにもここでたくさん出会えたような気がしている。
海の中で感じるリズム好きだ。
それは波だったり、冷たさや温かさあったり、あるいは潮の満ち引きであったりもする。季節の巡りもそうだろう。
ここでは実にさまざまなリズムが出会い重なり合って、今という刹那を創造し続けている。
いつものビーチで波に乗っていると、不意に思うことがある。
「もしかするとわたし自身もまたこの巡りの一部分なのかもしれないな。」
形のあるものないものが巡りあって生まれる今って奇跡かも!
そう考えると全ての出会いがとても貴重なものに感じられるのだ。
さてさて、アトリエです。
今日も作っている。
プラチナリングの表面にリズムを刻み込む。
作業机の上に今日使う道具をきれいに並べておいて、まずは深呼吸。
彼のリングは彼女のリングとぴたりお揃いではあるけれど、サイズも大きくて力も大きくかかるだろうから、厚みに調整を加えてしっかりとした強度を持たせないといけない。
おそらく数時間後に現れるだろうフォルムのイメージは心の中にある。
あとはただひたすらに手を動かしていくのみだ。
まずは大きくて目の荒い鉄鋼ヤスリから始めて、目の細かい鉄鋼ヤスリへと。ガリガリ。
そして目の荒い番手の紙ヤスリを使って表面を削っていく。ここまでは大きく削ぎ落とすといったイメージだ。
同じ動きをリング一周、そしてまた一周。同じタッチを何度も繰り返していく。
それでもまだまだ荒削りな表情である。
ここから精密ヤスリに持ち替えて丹精に整えていく。
紙やすりの番手を細かくしながら手の中で柔らかなフォルムを作り出していく。
丸くて柔らかな曲線、シャープでエッジの効いたライン
シンプルな言葉をゴールの扉を開ける鍵のように大切に抱きながら。
そして何時間経っただろうか、やがてリングの表面に1本のラインが現れた。
リングを一周ぐるりと囲む、波のような緩やかなカーブだ。
ルーペで覗きながら細部をチェックしているだけでワクワクする。
うん、我ながらこれはいいラインに仕上げっているかもしれない。
明日の朝も海に出かけてみようかな。
リズムに乗ろう。
いつもの島時間が今日も優しく流れている。
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