プラチナリングに浮かぶ三日月と星。
咲き始めた河津桜の薄紅色に包まれて、夢のようでした。
お二人の結婚指輪が完成したのは、アトリエの近くで今年最初の河津桜が咲き始めた時でした。
いつもの散歩道。まだ冷たい風の中、ゆらめく桜の花びらを見上げると、喜びに包まれました。
その儚い美しさに永遠を想い、癒されました。
桜の下に佇んで、二つのリングをそっと重ね合わせてみる。
降り注ぐ陽光を受けて、プラチナが眩く輝いています。
リング幅は3mmと4mm
シンプルなスクエアシェイプのデザインです。
表面に削り出した三日月の模様が響き合い、二つのリングをひとつに繋ぎ合わせています。
その月に寄り添う星のように、一粒のダイヤモンドをセットすると、
小さな二本のリングの中に、たったひとつの時間が宿ったように感じられました。
それは、お二人の物語に紡がれた時間なのかもしれません。
見えないところではあるけれど、心に響く内側のデザインは大切にしました。
思えば、お二人とご一緒したオーダーメイドの日々も、今となってはかけがえのない時間です。
お互いに直感に導かれるように歩んできたように思うのですが、
制作を始める直前に東京でお会いできたのも、とても素敵なタイミングでした。
そのようにして生まれた指輪もまた、時間の中でそっと咲いた一輪の花のように感じるのです。
新月から数日が経ち、夕暮れ時には、東の空に上弦の月が登りました。
冷たい風に乗り、足早に流れる雲の合間から、見え隠れする柔らかな輝きを懸命に探すように空を見上げていると、
弓の弦が力いっぱい引かれ、世界に解き放たれる時の中にいるような、どこか力強い希望に満ちた感覚に包まれました。
このようにして、私たちもまた、新しい始まりを繰り返してゆくことができれば素敵ですね。
屋久島から、ご結婚おめでとうございます!
祝福と喜びに包まれたお二人の日々を思い描きながら。
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