2月も半ばとなり、冬の静けさの中に、小さな気配が動き始めるのを感じるようになった。
庭先では若々しい緑が背丈を伸ばし始めている。
朝の雫を抱いて煌めく佇まいが、なんだか嬉しそうにも見える。
数ヶ月ぶりに黄色い小花が咲いているのを見つけ、心が躍った。
春がもう、すぐそこまでやってきているのだ。
冬の間に作り進めていたプラチナリングも、まるで島の季節と歩みをそろえるように、少しずつ完成へと近づいている。
造形作業がひと段落したところで、そのフォルムを朝の光の中で眺めていた。
彼女のリングは、1.2mm幅のとても細いシルエット。
トップには柔らかなカーブをつけ、側面は平らに仕上げ、すっきりとシャープな印象を持たせた。
こんなにも繊細なリングの中に、確かな強さと精巧な美しさが息づいている。
育まれていく時間と向き合えることは、ジュエリー作りの喜びのひとつだと思う。
彼のリングと重ね合わせてみる。
島の緑と木漏れ日の中で、二本のリングからぬくもりが伝わってきて、優しい気持ちに包まれた。
この抱かれるような癒しは、もしかすると、大地の響きなのかもしれない。
自然と共にあるフィーリングを、お二人もきっと感じていることだろう。
ありがとう。
同じ屋久島に暮らすお二人と、大切な気持ちを分かちあえることが、何よりも嬉しい。
これからリングに最後の仕上げを施し、お二人のリングはいよいよ完成となるわけだけど、
急がず、じっくり進めていこう。
お届けする頃には、きっと季節が新しくなり、眩しい南国の日差しが降り注いでいることだろう。
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